台北旅行記
2002年1月14日〜1月17日
1月17日
・帰国
・猫の耳たぶ
・選挙運動
・中正空港
帰国
さて、今日は最終日です。
昨日はシャワーも浴びずに寝てしまったので、起きてから一風呂浴びてから、朝食を取りました。そういえば、「日本だと、クリスマスが終るとすぐに正月なので、クリスマス・デコレーションはすぐに撤去されてしまうが、台湾は2月の旧正月までクリスマス飾りを放置してあることが多い」となにかで読んたのですが、本当でした。
ホテルの1階ロビー奥にある、コーヒーショップでビュッフェ式の朝食だったのですが、そこはまだクリスマス・ムードでした。
朝食をフルーツとトーストとコーヒーだけで軽く済ませ、「今日は最後だから街で食うぞ!」と張り切ってました。部屋に戻って、荷物を詰めてチェックアウト。冷蔵庫のビールを飲んだので、180NTの請求を貰いましたが、航空会社にリコンファームしたときの電話代は?と思って、「電話したんですけど」と申し出たら、「それはいいです」と言われました。市内通話は無料なの?よくわかんないが、どうせ日本だったら10円だし(笑)ベル・ボーイ君に荷物を預け、外出しました。
さて、どこに行こう・・・・もう一回、「迪化街」に行ってみようかな、からすみしか買ってないし、ああいう市場が大好きなのです。歩いても行けるのですが、MRTで行ったほうが近いので、「雙連」で下車してみました。地下鉄の出口を出ると、そこには普通の市場がありました。道の両側には食料品を売る屋台が並び、人で混雑しています。
豚の足がさりげなく置いてある、グロテスクなお肉屋さん。
魚がそのまま横たわっている魚屋さん。
日本のスーパーのパック包装に慣れてしまった人にはどぎつい光景ですが、外国の市場ってこういうのが一般的のような気がします。こういう市場を失ってしまった東京での我が身を嘆くべきでしょう。ニワトリ1羽で190NT(約800円)ってむちゃくちゃ安い!お土産にしたいくらいだ。
洗面器にびっしり入っていたのは「なまず」でした。
スライスすると星型になる「スターフルーツ」。安いんだろうなあ。持って帰りたい。
中華鍋屋さんらしい。火を通してから売ってくれるのでしょうか?
他でも見かけたのですが、台北にも「ヤクルトおばさん」が出現します。
市場を見学したあとに、「迪化街」に行って、ドライフルーツなどを買ってみました。
そうこうしているうちにお昼どき。
さて、また台北駅周辺に麺を食べに行きましょう。
猫の耳たぶ
台北駅の北側の書店街のあたりには大きな銀行も軒を連ねていて、「ビジネス街」にもなっています。だからこのあたりは、1人で気軽に入れそうな食堂がたくさんあるみたいです。
その中でも「城中」と呼ばれる路地があって、ここには数軒の「こぎたない食堂」がひしめいていたので、「ここで一回食べたい」と思っていたのでした。台北のサラリーマンやOLがどんなお昼ご飯を食べているのか興味もありましたので、わざわざ昼休み時間を狙ってみました。狭い路地は雑踏でした。
店内も混雑していましたが、 行列しているのは「テイクアウト」を求めている人々でした。麺もスチロールの容器で持って帰るみたいだし、「自助餐式」と看板が出ているお店では、沢山のおかずの中から好きなものを選んでやはりスチロールの容器に詰めてもらい、ご飯や麺も入れて、そこのテーブルで食べてもいいし、持って帰って食べてもいいのです。台北ではこの方式の食堂がどこにでもありました。一人暮らしはもとより、共働きの家庭などの需要も多いのではないでしょうか?
さて、私は「猫耳朶」というのが食べてみたかったので、その店に入りましたが、人気店でもあるようで、狭い店内は客でびしっり。昼時の「吉野家」のようでしたが、女性客も多い。同じ席で先に食べていたサラリーマンが食べていた「猫耳朶」を指差して注文しました。会社の同僚とおぼしきその3人組は皆「猫耳朶」を食べていました。
容器がスチロールなのが玉に瑕ですが、猫の耳たぶと呼ばれる、手でちぎった麺がたっぷり入っていて「これ全部食べるの?」と思いましたが、上のほうは麺ばかりでしたが下のほうに野菜がたっぷり入っていたので、量はちょうどよかったです。スープはタンメンみたいで、やや塩コショーが多かったような気もしましたが、とても美味しかった。40NT(約160円)
ほんとに台北って、日本だとカップラーメンの値段でこういうのが食べられるので、しあわせです。だからといって、日本と比べて特に物価が安いわけでもないようです。洋服や化粧品は同じような値段だし、高級ホテルやレストランも割安感はあまりありません。でも、外食ばかりしていても一日数百円でまかなえてしまうというのは羨ましいかぎりです。
お腹もいっぱいになったので、そこらへんをうろうろしながら、ホテルに戻りました。
時間があまったので、「苦茶之家」で、「苦茶」を飲んでみました。
色はコーヒーのようですが、味は苦くて、ほんとに「お薬」というかんじでした。でも二日酔いのときには良さそうな苦味です。小皿に入った丸いお菓子で口直ししながら飲みます。
これで、胃腸の調子を整えて、さあ、帰ることにいたしましょう。
選挙運動
空港行きのリムジンバスは台北駅から15分おきくらいに出ています。車内には、欧米人の父娘が乗っていて、二人とも読書をしていましたが、10代前半の娘さんが真剣な面持ちで読んでいた本は「ハリーポッター」でした。
そういえば、台北ではあまり西洋人に遭遇しなかったなあ。一回だけアフリカ系の人を見たけど・・・・日本人は大勢いるのでしょうけど、普通にしていると区別がつかないのでよくわかりません。
三越近辺や、西門町付近では、たぶん「キャッチセールス」に何回も声をかけられました。一回、オバサンがなにやらワーワーと話し掛けてくるので、日本語で「わからないんです〜」と言っていたら、腕時計を指差したので、見せてあげました。時間を聞きたかったみたいです。特に1人で飄々と歩いていると、向こうの人たちも私が日本人ということがわからないようで、そういう意味では台北は気楽でした。
さて、空港へ向かうバスは淡水河を越えて、隣接する街中を走り抜けていきました。
街中には、こういう旗がそこいらじゅうにくくりつけてありました。淡水に行ったときにも選挙期間だったようで、駅前には巨大な看板(ビルの壁面を覆うくらいのもの)が設置されていて、「どうやら日本とはかなり違う方式らしい」と思ったのですが、この街では日本で言う「ステ看板」が主流のようです。
バスの中から観察したのですが、どうやら「ポスターを貼る」ということはしないようで、こういうすぐに取り外しできるタイプに限定されているようです。必ず数字が入っているのは、漢字が書けなくても投票用紙に数字を記入すればいいという仕組みなのでしょうか?それにしても、動くバスの中から写真を撮れなかったのが残念ですが、日本と違って「ポスターの枚数」が規定されていないようで、とにかく大量にこういうのぼりが設置されていて、特に交差点などは、初詣の時期の神社の木に結ばれたおみくじにたいに「びっちり」とのぼりがくくりつけられていて壮観でした。あれじゃ、どれが誰だかようわからん。
道路の上を通っている橋なども標的になっているようで、インディアンの羽根飾りのような状態になってました。写真入りの看板も多く、街の所要箇所にはやはり巨大な広告看板がすべて巨大な選挙ポスターに占拠されているみたいでした。ポスターの大きさの制限もないのでしょう。
日本と違うのは、ポスターの政治家の写真が顔だけではなくて手まで入っていることです。日本でも、党のポスターだと、この間なぜか人気殺到だった小泉首相のポスターみたいにウエストから上が写っていたりしますが、個人のポスターだと貼る場所も大きさも決められているせいか、「顔だけ」のものが多いようですが、こちらはそういう制限がないせいか、「手の表現」も重要みたいで、「こぶしを握って掲げる」というありがちな「力強さとやる気を表現するポーズ」も多かったのですが、主流のポーズはこれでした。
私には「怪しい宗教?」としか思えませんでしたが、冷静に考えれば、「私に投票してください、プリーズ」のポーズとも言えます。
でも、街中にこのポースが溢れているのを見ていると、「ああ、やっぱここは外国なんだなあ」とつくづく思えるのでありました。
中正空港
わりとゆとりをもって空港に向かったのですが、道路も混まなくて5時45分の飛行機に乗るのに3時半には空港に着いてしまいました。空港での買い物も頼まれていたので、余裕持っておこうと考えたのですが、余裕ありすぎです。
しかも、カウンターでチェックインすると、「飛行機の整備の都合で、搭乗時刻は6時半になります」とのこと。うわ、3時間半も時間潰しかよ。友達に頼まれていた「甘甜梅」も買いました。街中よりも高くて、一箱420NTもするのですが、「なぜかこれが、もの凄く塩辛い。残業してへばっているときに自分に喝を入れるのに最適」」ということでしたが、「ドライフルーツ」と並んで売られているし「甘」という字が入っているので、どうみても甘いお菓子です。
「お金払うから3箱買ってきて」と言われたので、後で友達に清算を兼ねて渡したときに、一粒試食させてもらったのですが「死ぬほどしょっぱい」と聞いていたので覚悟はできていたのですが、匂いは甘たるいし、口に入れた瞬間は他で買った「甘甜梅」と同じで甘いのですが、その一瞬の甘味のあとに、判断不可能な「塩辛さ」が舌を直撃します。知らないで口に含んだ友達の会社の人が思わずむせて吐き出したというのも納得できます。
空港で売っているお土産菓子としては、衝撃的ですので、「インパクトのあるお土産」を求める方はぜひ挑戦してみてください。ただし、糖尿病や高血圧の気味の方は避けたほうがいいでしょう。
ほんとに目が覚めるほどしょっぱいのですが、その衝撃が去ると種の周りはいい味が出て美味しかったです。さて、お土産も買ったので、あとは時間を潰すために本を読んでいました。しかし、空港内はとても寒い。じっとしていると耐えられないほど寒いのです。うろうろして、なんとか冷房の効きの弱いところを探したら、ありました。喫煙室は窓が空いているし、換気扇が回っているので冷房の効きが悪く、かなりマシです。それでも、この日は外も風が吹いていてジャケットがいるくらいの涼しさでしたので、窓から入ってくる風も冷たい。それなのに、冷房はガンガン効いているので、何度もターミナルの長い廊下を往復して体を温めました。
なんで台湾では、こんなにムキになって室内を冷やすのでしょうか?
6時半になっても搭乗は始まらず、搭乗ゲートに集まった客たちは、「羽田に着くのが遅くなると家まで帰れなくなる」と不安げでした。
たしかに、到着時刻は9時半の予定だったので、実際に荷物をピックアップして電車やバスに乗れるのは10時半になるというのは覚悟していても、それが1時間遅れて11時過ぎになると、終電が動いているうちに帰宅できるかどうか心配です。
私も12時には山の手線に乗らないと帰宅できませんから、「これ以上遅れたら、帰宅費用は賠償してくれるのかな?」と思いましたが、それよりも多分、羽田空港も夜間発着の規制があるはずなので、その時間を過ぎてしまったら「明日の出発」になっちゃうかも・・・・でも、それだと航空会社はかなりの損失だから、ぜったい11時には到着するように飛ばすだろうけど・・・・などと、くよくよと考えていたら、やっと7時過ぎに搭乗が始まり、あっという間に飛行機は動き出しました。とにかく急げってかんじです。
帰りは行きよりも飛行時間が短いので、約2時間くらいのフライトでした。
羽田に到着したのは11時くらい。そこからまた、「循環バス」に乗り、国内線ターミナルに着きましたが、そこもほとんど人けがなくて、急いでモノレールに乗り込み、浜松町に着くともう12時でした。
その直前に山の手線の神田駅で人身事故があったようで、運行の先行きが不透明でしたが、なんとか渋谷までは行ってくれて、田園都市線の最終電車の一つ前の電車にぎりぎり間に合いました。家に着いたらもう1時でした。
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