台北旅行記

2002年1月14日〜1月17日

台北雑感



 旅行記には書きもれたことや、紹介そびれた写真などをご紹介します。

MRT
屋上は有効活用
アーケード街
拝拝
なぜこんなところにスポーツジム?
台北のワンちゃんたち
看板いろいろ


MRT

 1996年に開通したMRTは今では中心部を縦横に走っていて、市民はもとより観光客にとってはとても便利でした。これがなかったときにはたぶん、バスかタクシーで移動するしかなかったのでしょう。
 東京の地下鉄ですと、大江戸線のように「深〜くて、狭〜い」ものになってしまいますが、台北のMRTはそんなことなくて、構内や地下通路も広々としていて閉塞感もないし、表示もわかりやすくて乗りやすかったです。

 街中を出ると、地上を走りますが、駅はどこも立派で、駅ごとに意匠を凝らしたデザインでした。ずいぶんお金かかってるなという感じです。でも料金は40分ほど乗る淡水まででも50NTで約200円だし、最低料金が20NTなので、世界の都市のレベルからするとかなり安い気がしました。
 
 たぶん、海外の市内交通について入念にリサーチしたようで、

MRTの案内図

 出入り口に必ずある「案内板」は東京のものを思い出させます。いいとこどりってかんじです。

エスカレータの黄色い線

 日本でもここ数年で普及してきた「エスカレーターで立ち止まるのは片側」というのは、台北では「強制」されており、文字でも表示もありますが、エスカレーターには黄色い線が引いてあるものをよく見かけました。このへんの「おせっかい」さは、日本と通じるものがあるかも。

 一日乗車券を一回だけ使用したのですが、普通乗車券はJRのイオ・カードみたいなので、一日乗車券もそういうカードで一日だけは自動改札機通り放題なのかと思ったら、映画館の前売り券みたいな紙のチケットでした。この乗車券を使う場合は、自動改札機を通らず(というか通れず)、係員のいる窓口の横にある入り口を開けてもらわなくてはならなかったので、ちょっと面倒でした。

 不満だったのはそれだけで、「飲食禁止」で、改札の周りに「ここから飲食禁止」の線が書いてあるのが笑えますが、台湾ってそういうルールを作るととことんやる国みたいですので、駅の構内はゴミひとつ落ちていないし、もちろん禁煙ですし、トイレもきれいだったので、よく利用しました。

 ただ、携帯電話禁止ではなかったようです。どこにもそういう表示はなかったし、電話している人もよく見かけました。でも、台湾ってみんな普通でも大声で喋っているので、その中で携帯電話で話していても気にする人もいないみたいだし、私が見た限りでは長電話している人はいなくて、「あ、今、MRTに乗ってるとこ。○○駅だから、あと20分くらいで着くよ」くらいで切っていたので、「携帯電話は迷惑です」という気にもなりませんでした。

 あと、携帯でメールしている人を全く見かけなかった。日本だと電車の中などで、背中を丸めて、カタカタと親指でメールを書いていたり、読んでいたりする姿は街中に氾濫していますが、「なんか日本と違うなあ」と違和感を持ったのは、同じような外見の人たちが集まっていても、メールしている人がいなかったのでした。携帯メールはあまり一般的ではないのでしょうか?てゆーか、やっぱ日本が異常?
 

屋上は有効活用

 今回の旅行のサブテキストとして、「おどろ気 ももの木 台湾日記」という、台湾在住の方たちのエッセイ集を持っていったのですが、いろいろためになりました。

 台湾では、建築法の規制があるんだかないんだかよくわかりませんが、古いビルの上には必ずと言ってよいほど、プレハブというかトタン造りの建物が増築されています。アパートの場合、屋上の権利は「最上階を借りている人」にあるらしく、勝手に家を建てて、「また貸し」してしまうそうです。
 MRTで走っていると、そういう増築された建物がいかに多いかよくわかりました。でも、鉄筋のマンションでも断熱工事がちゃんとされていないと「夏はとにかく暑い。屋上のコンクリが昼間に蓄えた熱を夜になると放射するんだ」と聞きましたが、あんないいかげんそうなトタン屋根の建物なんて相当暑いと思うのですが、住み心地はどうなのでしょうか?まあ、ペントハウスと言えばそうなんですけど。

 屋上はもうひとつの土地という感覚のようで、日本でも近年は屋上を庭にしたり、バーベキューができるようにしたり、物置を置いたりと有効活用するタイプの家が多いようですが、台湾では常識のようで、「屋上庭園」もよく見かけました。

 そういうので、「屋上庭付き一戸建て」とでも言うのでしょうかね?
 

アーケード街

 台北の商店街やオフィス街などの主な通りは、ほとんど「アーケード方式」でした。

アーケード 
 
 日本のいわゆる「アーケード」と違うのは、屋根だけとってつけたものではなく、台北のはほんとに西洋式の「上が建物になっている」方式です。
 たしか、スペインなどの「日差しが強い国」では建物の横がこんなふうになっていて、日陰ができて歩き易かったです。台湾も夏は暑いだろうし、降雨量も多いと思うので、歩くのには便利そうだと思いました。

 でも、台北は「スクーター天国」で、1人1台に迫る普及率のようですが、通勤通学ショッピングに皆さんバイクを使用するので、それが街中に駐車してある姿は「自転車の迷惑駐車」で悩む日本の都市の比ではありません。
 アーケードの柱と柱の間は、格好の駐車スペースになっており、びっしりとバイクが埋まっているので、「通りの向こうに行きたいな」と思っても、抜ける隙間を見つけるのが大変で歩きにくいし、ただでさえ狭い歩道がさらに狭くなっているのですが、ここまで多いと「迷惑駐車」云々と言っている場合ではなくて「できるだけ整然と駐車しましょう。そうじゃないと歩く人も困るし、出し入れする自分も困るでしょ?」というかんじで、ビシっときれいに並んでいるので、どこのお店も「バイク屋さんか?」という外見になっています。
 お店によっては、全くバイクが停まっていないところもありますが、多分、店員が移動させたり、停めようとしている人に文句を言っているのでしょう。

 ところで、この「アーケード」ですが、大きいビルの場合には、「1階部分をややセットバック」というかんじなので気になりませんが、小さなボロっちいビルが、その建築面積の半分くらいをアーケードのために引っ込めているのを見ると、「耐震構造としては大丈夫なのか?」と心配になります。
 地震がほとんどない国ならともかく、台湾はこの間、台中が大地震で大きな被害にあったばかりですし、台北と台中はたいして離れてもいないのですが、それでも台北ではあまり地震がないのでしょうか?

 中には、日本だと住宅でときどき見かけますが、1階が全部アーケードになっているビル・・・・要するに、四足で建っているような、奥行きのない建物も見かけるにつけ「なんだかあそこの下通るの心配」と思ってしまいました。しかも、そんな不安定そうなビルが、やはり屋上に増築してあったりすると、耐震構造以前に「強度の問題は?」と他人ごとながら心配してしまいます。

 耐震構造とは関係ないですが、こういうのをよく見かけました。

防犯柵で防犯策?

 最初、「シャレた飾りだな」と思ったのですが、「防犯用」なんですよね。
 

拝拝

 「バイバイ」と発音するそうです。

 台北に着いた日に、空港から市街へ向かうバスの中から、商店の前で焚き火している光景を目にしました。
 
 「ゴミでも燃やしているのかな?」

 と、思いました。でも、商店が立ち並ぶ街中で焚き火というのはあまり感心できません。しかし、そういう光景はそのあと何個か見かけたのです。しかも、最初は「バケツに穴を自分で開けたのかな?」というような容器で燃やしていると思ったのですが、どうやら同じようなバケツを使用しているところを見ると、「これは、ゴミの焼却ということではなくて、何かの宗教行為?」だと気が付きました。

 「台湾日記」にも、この行為についてはいろいろ書かれていました。毎月2回「拝拝の日」というのがあるようで、どうやら私が到着した日がそれに当たったようです。たしかに他の日には見かけませんでした。
 その日は、街中を散策していても、商店の前にテーブルが置かれていて、お供物と思しき食糧などが飾られていました。「火を焚く、食物を捧げる」というのは日本の仏教とも通じるものがあるようです。

拝拝用の赤い缶

 この「拝拝」用のバケツは、街の仏具店にはどこでも店先に並んでいました。
 赤い色も鮮やかで、なかなか可愛らしいです。

 かわいいといえば、関係ないのですが、台湾のお店は開放的なつくりのところが多いので、こんなものもよく見かけました。

自動お牛のしっぽしょんぼりしょぼり機

 ピンクと黄色が混ざったハタキみたいなものが、扇風機のようにくるくると回っているのです。ハエよけらしいです。カラフルな牛のしっぽというかんじで気に入りました。
 

なぜこんなところにスポーツジム?

 台北駅のお向かいには、台北市街を見下ろす「新光三越」のタワービルや、ヒルトンホテルなどが並んでいる繁華街です。
 この並びのビルの1階に「24時間営業のでかいスポーツジム」がありました。
 便利な場所でいいのですが、全面ガラス張りで、中にある機械も丸見えで、一生懸命マシンで鍛えてる人も見ることができます。

 私だったら、そんな人通りが多いところで、自分がエアロバイクを大汗かきながら漕いでいるところを見せびらかしたくないのですが、そういう「恥ずかしい」という感覚はないのでしょうか?でも、何回か通ったし、地階もジムになっていて、地下鉄の出口の階段からも覗くことができるのですが、いつ見てもガラガラだったし、その前で何回か声をかけられたのも、その店の客引きだったのだと思いますが・・・・

 西門町という、東京でいえば渋谷のような町でもやはり、ビルの1階がジムになっていました。謎だ。
 

台北のワンちゃんたち

 王監督のことではなくて、ほんとに犬のことです。

 なぜこちらを見ているのかな? 市場はオレの庭さ

 台北の犬は、ちゃんと首輪はしていましたが、そのほとんどがコードレスでした。
 タイに行ったときにも、犬は自由にそこらへんを走り回っていて、かと言って人に向かって吠えるわけでもなく、「コンパニオン・アニマル」というよりは「共同生活者」というかんじがして、いいなあと思ったのです。他のアジアの国に行ったことがないのですが、南のほうの国って「犬は放し飼い」という文化なのでしょうか?

 市場などの人の集まることでも平気で寝転んでいるので、ときどき踏みそうになりますが、犬がのびのびと歩き回っている姿は好感が持てました。
 あとで気が付いたのですが、そういえば「犬のフン」をあまり見かけなかったのです。欧州ほどではないにせよ、あれだけ犬が好き勝手に歩き回っていれば「落し物」も多いと思うのですが・・・・それとも、あれだけ「市街清掃」に税金を傾けてそうな台北市ですから、マメに掃除しているだけでしょうか?

 ちなみに、1回だけ猫を見かけました。屋台のテーブルの下で、落ちた食べ物を食べていたみすぼらしい猫でした。
 その猫を見て初めて、

 「あんなに犬はたくさん見たのに、猫はこれだけだ!なんでだ?日本と逆で、犬は放し飼いだが、猫は部屋猫限定なのだろうか?それにしたって、ノラ猫はもっといたっていいはずだ・・・・・それって?」

 と思いましたが、猫だけに「タマタマ見かけなかっただけ?」
 

看板いろいろ

 「台北で面白い看板を見つけよう!」

 と張り切っていたのですが、日数も少なかったのでそれほど強烈なのは発見できませんでした。

大象村美食街ー象料理は出ないと思うが

 まあ、「象」と見るとカメラを向けてしまうので、ヒルトンホテル地価にある食堂街の看板です。入らなかったけど。

吉野家のメニュー

 吉野家のメニューも種類が多くて気になりました。食べてみたかったんだけどな。牛丼の値段は日本とほぼ同じです。

髪型設計室

 こういう、「いまどき」のもののほうが、面白い漢字使いをするみたいです。「なるほど、設計室かあ、いい表現だ」と納得していたら、その並びにあったお店が今回の旅行でのナンバーワンでした。

e人類改造髪型方程式

「e人類改造髪型方程式」

 いいぞ!実に私好みです。このフレーズを考えた人とは友達になれそうです。
 
 などと喜んで撮影していたのですが、あとで写真を観てみると、下のほうに

「超級無重力」

という謎の言葉が・・・・値段と、書いてある位置から推測すると「ストレートパーマ」か「ソバージュ」のどちらかだと思うのですが。
 
 

おまけ


 新光三越のマーク。ビルにでかでかとついていました。

 どうやら「ヨード卵 光」の一族だったようです。
 
 


ヨード卵光な新光三越



 もひとつおまけで、「次回の野望

 MRTで圓山飯店の横を通過しましたが、写真で見てもピンと来なかったのですが、実物はほんとに笑っちゃうくらいデカかったです。
 台北市街を見下ろす丘の上にそびえているのですが、夜になると怪しくライトアップされて、暗い山の上にぽっかり浮かんだ巨大な竜宮城のようで、幻想的とも言えますが、作り物くささが漂いすぎでいい味出してました。ホテル界の叶姉妹というかんじの貫禄です。中身もかなり凄そうです。今度行ったら、中も覗いてみようと決意しました。
 
 
 

長編になってしまいましたが、ご拝聴(読)ありがとうございました。

−再見!−


   表紙に戻る / 目録に戻る