夢見る頃を過ぎても 6


2000年6月22日
 ロマンチックなつもりで書いた自分の夢が、どうもあまりロマンチックではないような気がしてきたので、小休止として私の母の夢をご紹介します。

 私が中学生の頃、母はこう言っていました。

「ロバに乗って父兄会に行きたい」

  母の夢は庭でロバを飼い、近所の買い物や子供の学校などに出かけるときは、颯爽とロバにまたがり住宅街を練り歩くことのようでした。

 母とヨーロッパを旅行したときに、スペインの町角で観光客目当ての「オルゴール搭載した荷車を牽くロバ」と遭遇したときは、普段は堅い母の財布の紐がかなりゆるんでいました。

 残念ながら旅行中ロバには乗れなかったのですが、スペインの田舎町では現役で働くロバなども見られましたので、母はそういうものを見てますます「私もロバを飼いたい」と思いをつのらせているようでした。

 私が将来そこそこの金持ちになったら、母のためにロバを購入して、ブイブイ乗りまわしてもらいたいと思っています。
 そのためには、そこそこの庭とそこそこのロバ舎とそこそこの餌代もかかりそうですが、象を飼うことに比べたら安いもんでしょう。(私は象が好きなのですが、「象を飼いたい」という無謀な夢は抱いていません。現実的な人間なんです)
 
 テレビなどで「国分寺のロバおばさん」などというものが紹介されていて、誇らしげにロバにまたがる女性が紹介されていたら、「あれがきっとミヤノさんのお母さんなのだな」と思っていただいて間違いないと思います。


次の夢も読む / 目録に戻る / 表紙に戻る