8.蕎麦


今回のテーマは「蕎麦」です。

私の父方のいなか(キャットスクウェアで紹介しているねこちゃんのいるおうちです)は、

お蕎麦屋さんです。

・・・といいましても、皆さんが思うお蕎麦屋さんの形とは、たぶん違うと思います。

まず、ふつうの家です。看板もありません。

もちろん、蕎麦を打つ部屋、蕎麦をゆでる大鍋はあります。

何が違うかというと、

「食べるところはない」

ということです。

例えて言うなら、宅配ピザ、お蕎麦バージョン。

蕎麦粉をひいて、蕎麦を打って、切りまして、箱に入れます。

その箱と、そばつゆ(やかん入り)を持って、注文されたおうちへ持っていきます。

ゆでることができないおうちには、ゆでたものを持っていきます。

ですから、大量販売が主です。

一杯分、なんて、頼む人はいないのです。

大家族が多いですからね。

で、わたしも小さい頃から、一年に一回くらい、いなかに行きます。

そうすると、必ず打ち立て、ゆでたてのお蕎麦を出してくれます。

ちなみに、ラーメンどんぶりで食べます。

なぜか分からないんですけどね。

身内を誉めるのも何ですが、

これが、おいしいーのです!

こしがあって、味がぎゅーっとつまってて。

おかずなんていらない。

あれを食べたら、そこら辺のお蕎麦は食べられないのです。

実際、あちこちのお蕎麦屋さんに行きましたが、いなかのが一番おいしい…。

うーん、でも、逆に食べられない方もいるかもしれません。

細くないんですよ、で、こしがありすぎるほどある。

慣れちゃうとやみつきですが、細いお蕎麦を食べつけている人は無理かもしれません。

さて、蕎麦打ちの話になりますが、私が小さい頃は祖母が打っていました。

いなかに行くと、お蕎麦を打つ部屋に行って、

”カタンカタン、シュッシュッ、コトコトコト”

という音を聞くのが好きでした。

カタンカタン・シュッシュッは、蕎麦を麺棒で伸ばしているところ。

コトコトコトは、蕎麦を切っているところ。

端っこがあまるので、それをもらって遊んだりしてました。

家中がそば粉の匂いがして、居心地がいいのです。

で、十年くらい前らかはおばさんが代を継ぎました。

味は変わりません。

受け継がれているなあ…なんて、ジーン…。

でも、次に継ぐ人が、今のところいないのです。

おばさんの代でなくなっちゃうのかなあ…と、ちょっと寂しいです。

近所に電話するときも、

「蕎麦屋です〜」って言います。

同じ名字の家がたくさんあるので、屋号で呼ぶのです。

でも、お蕎麦打たなくなっちゃったら、どうなっちゃうんだろう…。

ちょっと、大変だけど、続けて欲しいなあ、って思っています。

※ちなみに、「最上百選」という本で紹介されたことがあるそうです。


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