今回のテーマは「蕎麦」です。
私の父方のいなか(キャットスクウェアで紹介しているねこちゃんのいるおうちです)は、
お蕎麦屋さんです。
・・・といいましても、皆さんが思うお蕎麦屋さんの形とは、たぶん違うと思います。
まず、ふつうの家です。看板もありません。
もちろん、蕎麦を打つ部屋、蕎麦をゆでる大鍋はあります。
何が違うかというと、
「食べるところはない」
ということです。
例えて言うなら、宅配ピザ、お蕎麦バージョン。
蕎麦粉をひいて、蕎麦を打って、切りまして、箱に入れます。
その箱と、そばつゆ(やかん入り)を持って、注文されたおうちへ持っていきます。
ゆでることができないおうちには、ゆでたものを持っていきます。
ですから、大量販売が主です。
一杯分、なんて、頼む人はいないのです。
大家族が多いですからね。
で、わたしも小さい頃から、一年に一回くらい、いなかに行きます。
そうすると、必ず打ち立て、ゆでたてのお蕎麦を出してくれます。
ちなみに、ラーメンどんぶりで食べます。
なぜか分からないんですけどね。
身内を誉めるのも何ですが、
これが、おいしいーのです!
こしがあって、味がぎゅーっとつまってて。
おかずなんていらない。
あれを食べたら、そこら辺のお蕎麦は食べられないのです。
実際、あちこちのお蕎麦屋さんに行きましたが、いなかのが一番おいしい…。
うーん、でも、逆に食べられない方もいるかもしれません。
細くないんですよ、で、こしがありすぎるほどある。
慣れちゃうとやみつきですが、細いお蕎麦を食べつけている人は無理かもしれません。
さて、蕎麦打ちの話になりますが、私が小さい頃は祖母が打っていました。
いなかに行くと、お蕎麦を打つ部屋に行って、
”カタンカタン、シュッシュッ、コトコトコト”
という音を聞くのが好きでした。
カタンカタン・シュッシュッは、蕎麦を麺棒で伸ばしているところ。
コトコトコトは、蕎麦を切っているところ。
端っこがあまるので、それをもらって遊んだりしてました。
家中がそば粉の匂いがして、居心地がいいのです。
で、十年くらい前らかはおばさんが代を継ぎました。
味は変わりません。
受け継がれているなあ…なんて、ジーン…。
でも、次に継ぐ人が、今のところいないのです。
おばさんの代でなくなっちゃうのかなあ…と、ちょっと寂しいです。
近所に電話するときも、
「蕎麦屋です〜」って言います。
同じ名字の家がたくさんあるので、屋号で呼ぶのです。
でも、お蕎麦打たなくなっちゃったら、どうなっちゃうんだろう…。
ちょっと、大変だけど、続けて欲しいなあ、って思っています。
※ちなみに、「最上百選」という本で紹介されたことがあるそうです。
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