| S | o | n | o | k | o |
|---|
![]() |
銀色タペストリー
心模様はつづれ織りのよう。あちらこちらへ漂ううちに、いつしか時間を縦糸にして、ひとつの絵を織りなしている──。
河合その子Sonoko Kawai
TYO読者の皆さん、こんにちは。河合その子です。今月から、TYO誌上で私のエッセイを連載することになりました。編集の方の”何でもアリだから”という言葉に甘えて、気ままに綴っていきたいと思っています。 前置きが長くなりました。ここからが本題なのですが、とりあえず第1回目というコトで、自己紹介的なものから始めてみたいと思います。コホン。 私は5年前から、この世界に籍を置いています。”おニャン子クラブ”というグループがありまして、そこから第1号でデビューしたのが、そもそもの始まり。だけど、トシのせいもあって……当時、実は、私はすでに20歳。やっていくうち、何か辛いものを感じるようになっていたんです。 もともと私は、芸能人になりたいという気持ちは全然なくて、地元で就職も決まっていたから、好きなワープロの仕事をやっていくつもりでした。ところが、その頃にCBSソニーの方から”おニャン子クラブっていうもののオーディションを受けてみない?”と誘われて。それ自体には、興味なかったのだけれど、ただ”芸能界って怖い所だから、断って何かやると嫌だな”っていう理由から、じゃあ1日で終わるなら……っていう事で東京に出て来たんです。 それこそ、下着の替えもワンセットしか持たないで、”せっかくだから原宿にも行ってみようかな♥”なんて考えながら、気軽に上京したんですよ、その時は。 それが、オーディションまで1週間くらいあるというので都内にあるCBSソニーの寮に泊まることになってしまったんです。どうも考えてたのと違うなと思ったんですけど、そこで友達(城之内早苗ちゃんです)もできたし、寮に住めるし、毎日ゴハンはおいしいし、好きなコトできるし……で、面白がっているうちに、アッという間に時間が経って。 それで、オーディションの前日に実家に電話したんです。”明日から始まる番組の中でテストがあるんだけど、終わったら帰るから”ってね。だけど、帰してもらえなかったんですよ、これが。 3日目くらいに、”どういうコトなんですか、これは?”って、番組のスタッフの人に尋ねたら、”金曜日まであって、そこで結果を発表するからサ”なんていう言葉が返ってきて。イヤ、さすがに怒りましたねー。”親にそんな話はしていないんで、困ります!”って。でも、とりあえずここまで来てしまったからっていうので、仕方なく金曜日まで出ていたら、オーディションに通っちゃって……。その瞬間から私は、”おニャン子クラブ”のメンバーになってしまったわけです。おニャン子クラブに入ってからのことは、皆さんよくご存じなのではないでしょうか。 私の父に言わせると”半ば誘拐された”ような、芸能生活の始まりでしたから、いずれ気持ちのなかでムリが出て来るのは当然といえば当然です。あの頃は大人の世界に出て働いたっていうことがなくて、大人との接点は”先生に言われて何かをする”っていうくらいしかなかったから、大人の言うことは聞かなくちゃいけないんだ! と、ずっと勘違いして過ごしていたんですねぇ。 それが、おニャン子を卒業して一人でやっていくうちに、だんだんといろんなことが見えてきたんですよね。そのなかで、今自分がやっていることは何となく違うような気がする、このままだと感覚がマヒしてしまうんじゃないか、普通の世界が解らなくなってしまうんじゃないかって思い始めて。そして、周りに相談して、”研修期間”という名目で、しばらく活動をお休みして……自分が本当は何がしたいのかということを、じっくり考えてみました。その結論として出てきたのが、自分で曲を作ることや、自分のペースで活動をしていきたい、ということだったんです。 今回、念願の全自作曲によるアルバムを作りあげることができました。地味でもやりたいことをやれる充実感って、いいものですよ。 今回は、少しカタイ話になってしまいました。次は少し軽目の話にしようかな……。 では、また来月、お会いしましょう。
|