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名演2006年5月例会 加藤健一事務所公演 

木の皿

作/エドマンド・モリス 訳/小田島恒志 演出/久世龍之介

4月9日 加藤健一さんが名古屋にいらっしゃいました!
『加藤健一さん 木の皿を語る』
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加藤健一さんからのメッセージ

木の皿
5月24日(水)6時45分
  25日(木)1時30分
        6時30分
  

名古屋市民会館中ホール
 地図  
1 会費     
 月額 2600円 
 22歳以下  2000円  
 高校生以下 1300円

2 入会金 
 2900円 
 22歳以下  2300円 
 高校生以下 1600円


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解説

キャスト・スタッフ

関連サイトリンク   

加藤健一さんからのメッセージ

 この物語は、人間としての誇りと尊厳を失うことなく、“老い”を生き抜いていく逞しい老人と、その姿を見守る家族たちの葛藤を描いたヒューマンドラマです。これは高齢化社会を迎えた21世紀の私たちへの力強いエールです。

だれにでも必ずやってくる“老い
『木の皿』は現代に生きる私たちのドラマでもあるのです。

・ 第3回朝日舞台芸術賞
・ 第11回読売演劇大賞優秀男優賞・優秀演出家賞
・ 第54回文化庁芸術選奨文部科学大臣賞
・ 第38回紀伊國屋演劇賞個人賞(演出・久世龍之介)
(以上2003年上演時の受賞 『詩人の恋』とともに)


 テキサスの田舎町。タバコとビールをこよなく愛する78歳のロンは、次男のグレン一家と一緒に暮らしている。グレンと妻のクララ、娘のスーザンは、長い間ロンの面倒を看てきたが、体力・視力が衰えて少しボケてきたロンのことが負担になってきていた。
「自分の人生を生きたい」というクララの希望で、グレンはロンを老人施設に入れることを決意する。しかしロンは「施設に入るくらいなら、死んだほうがマシだ」と、施設に入ることを拒否。クララには「ロンを施設に入れないのなら私が出て行く」と言われ、スーザンやロンの友人には、逆に施設に入れることを猛烈に反対される。兄のフロイドは他人事で、きちんと相談に乗ってくれない。
 悩むグレン。バラバラになった家族は疲れ果て、お互いに傷付け合ってしまう。そんな家族の様子を見て、ロンが最後に下した決断とは…………。

 木の皿=この作品には‘木の皿’が象徴的な意味を担って登場してきます。肉体的に衰えのきているロンは、すぐ物を壊してしまうため、彼の食事だけ陶器の食器ではなく、木製の食器―木の皿―に盛られて出されるのです。そのことで、ロンのプライドはひどく傷つけられます。陶器の食器は、人間としての尊厳をも象徴しているのです。



解説
 昨年10月『審判』に続き、「カトケン」再び登場です。
 今回は2003年に初演され、大好評を得た傑作ヒューマンドラマ『木の皿』。この作品は、1954年イギリスで初演、のちにブロードウェイで公演されています。加藤健一事務所では同年上演の『詩人の恋』の成果とともに多くの賞を受賞しました。
 

 テキサス州のとある町、デニソン家、そこには、グレン・クララ夫妻と一人娘スーザン、下宿人のエド、そして、年老いたパパ(ロン)が一緒に住んでいます。パパはずいぶん前からボケが始まり、タバコの火の不始末で火事を起こしかけるは、物をすぐ壊すはで、クララは彼の世話にたいそう手を焼いていました。そして彼に与えられたのは「木の皿」、そうです、陶器の皿ですと、すぐ割ってしまうので、食事の時パパだけは、木製の食器に盛られて渡されるのです。その事でパパのプライドは、いつもひどく傷つけられていました。 
 16年ぶりに兄のフロイドを呼んだグレンは、パパをアラモ・ハイツ老人憩いの家に入所させる相談を持ちかけました。これしか道はないと…
 しかしいざ施設の事務員との具体的な話になると、グレンはパパを家から出すことに大反対。パパを心から愛しているのです。そこから、家庭内は、大荒れになります。妻のクララは家を出て行くと言いだすは、娘は母にとどまってもらいたくて、嘘の話をでっち上げて自分が出て行こうとするは、そしてついには自分がパパの面倒を見るとも言い出すのです。
 そして…「俺の人生なんだから俺の好きにさせてくれ!もう何年も俺のことをみんなで勝手に決めてきただろう。」とパパは自分の身の振り方に自ら決断を下すのです。
 この作品は、人間としての誇りと尊厳を失うことなく、「老い」を生き抜いていくたくましい老人と、その家族の姿を鋭い観点で描いています。高齢化がすすむ日本においても今まさに起こり得る「家族の物語」なのです。涙とささやかな笑いなしでは、観られない作品です。
 
私の一番感銘を受けた台詞を紹介します。
 
パパ …おまえは結婚して子供を持つようになるだろう。わしがしたように、その子たちをだっこするだろう……。そして小さな顔を覗き込むと、子供はおまえを見てにっこりする−−そうしておまえは愛の本当の意味がわかるようになる。それからある日−−子供たちが大きくなって、おまえに対して心を閉ざす−−こうしておまえは悲しみの本当の意味を知る。その愛を受け入れて生きてきたように、今度は哀しみを受け入れて生きていくことを学ばねばならんのだ。(万年青)

 


<キャスト> 

ロン・デニソン

クララ・デニソン

スーザン・デニソン

グレン・デニソン

ベッシー・ボクサー

平田 敦子

エド・メイスン

ミスター・フォーサイス

ジェイニー・スチュアート

フロイド・デニソン

サム・イエーガー

<スタッフ> 

エドマンド・モリス

小田島恒志

演 出

久世龍之介

美 術

照 明

五十嵐正夫

音 響

松本  昭

衣 裳

ヘアメイク

馮  啓孝

舞台監督

飯塚幸之介


関連サイト

加藤健一事務所ウェブサイト http://homepage2.nifty.com/katoken/

44(ヨシ)北川さん公式サイト http://www.44good.com/


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最終更新日 2006/04/25