妊娠中に決して飲んではいけない薬,また時期に注意すれば,胎児にほぼ影響なく飲める薬があります.
ここでは,虎ノ門病院の総合点数制による危険度の判定方法をもとにして,薬物による催奇形性について,いくつかの原則についてご説明し,当院で経験したケースについてご紹介します.
服用時期危険度点数(薬を飲んでいた時期による危険度)と薬剤危険度点数(薬自体の危険度)をかけあわせて危険度総合点数を計算します.この点数によって薬の影響がほぼ正しく評価できます.
A)服用時期危険度点数
ひとくちに妊娠中といっても,妊娠の時期によって薬の影響ののでかたには大きなちがいがあります.
最終月経開始日からら27日までは,無影響期(点数=0)といわれます. この間に投与された薬は,ごく一部の残存性の強いもの(風疹ワクチン,シオゾールなど)以外は,催奇形性には関与しません.