ナオミ先生のクラスレッスンは平日の昼間クラスを取っ

ている。フリーになったお陰である程度時間の融通がき

くようになったのは本当にありがたい。個人レッスンも

同じ日にしてもらっている。昼間クラスの半数は年輩の

セニョーラ達が占めている。最初の基礎レッスンは簡単

だけど、振付けはアドリアン・ガリアのグアヒ−ラで、

身体の使い方はかなり難しく感じる。ナオミ先生はこま

かい動きまで丁寧に教えてくれるのでとても勉強になる。

入会してから間もない頃、セニョーラ達に「まりさんは

もっと難しいクラスを取ればいいのに、何でこのクラス

を取るんですか?」と聞かれた。時間的にいいのと、こ

のクラスのグアヒ−ラは私がもっとも苦手とする優雅な

曲だからだ。苦手な曲を克服するのもこれからは必要だ

と思ったから。

いろんな教室のいろんな人と話していてよく感じるのは、

フラメンコ歴が長くなればなるほど、変な自信とプライ

ドを持つ人が多くなるなぁと思う。恥ずかしながら私も

そうだった。

最初に東京に習いに行った時、美香先生に「必ず初級ク

ラスを受けるように。」と言われ、(えっ、何で今さら

初級クラスなの?)と思った。そんな私の気持ちを見透

かすかのように、「舞踊団クラスのメンバーも全員受け

ることになっているのよ。初心に戻れない人は絶対に上

手くならないからね。」と言われた。その一言でドキっ

とした。実際にその初級クラスを受けて、とても初級と

は思えないレッスン内容で、基礎がしっかりしていない

自分を発見した。6年間積み上げてきたレッスンは何だっ

たの?と自分自身を疑ってしまった。

自信を持つことはとても大切だけど、プライドは別だと

思う。プライドは時には自惚れにつながるから。自惚れ

たら、成長はそこでストップしてしまう。

それと、自分の踊りが上達しないのを、先生や環境のせ

いにするのも間違っていると思う。東京にもコンパスを

ちゃんと持っていない先生がいるらしいけど、そういう

先生に習うことは別にして、本人のやる気と根性とハン

グリー精神を持てば必ず上達する、と美香先生はいつも

言っている。

先生の教え方が悪いから上達しないとか、他にいい先生

がいないから仕方なくそこにいる、という話を聞かされ

るのは非常につらい。同じ教室に何年もいて代教とかす

るようになると、他所の教室に移るのはかなりの勇気が

必要になるので、その気持ちはよく分かる。でも、そん

なに先生の悪口を言うんなら、辞めたらいいのにと思う。

ありがたいことに、美香先生のクラスにもナオミ先生の

クラスにも先生の悪口をいう人がいないので大変助かっ

ている。

2000.10.31.

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