三種の人機 class variation
一口に「Z-KNIGHT」と言っても、全部が全部「装甲巨神」ではない。
Z-KNIGHTは、ゾイドとは違い当初からストーリーを持っていた。そのため、シリーズ名の付け方も、メイン機・主人公機の名前がそのまま用いられているという、メディア主導のシリーズ構成であるということを強く印象づけるような、展開がされていたことがわかる。
発売されたシリーズは、設定上3つの級(クラス)に分類されていた。
まず、Z-KNIGHTの世界では、ロボットを「アーマー」と総称していることを前提としなければならない。そのうえで、その動力や使用目的によって、クラス分けされていると考えるべきである。
●装甲巨神
この分類において、Z-KNIGHTシリーズとガンダムシリーズを比較してみたいと思う。
ガンダムの本来のタイトルは「機動戦士ガンダム」である。主人公機のガンダムはモビルスーツであり、「機動戦士」の英訳である。英訳といっても直訳ではなく、作者の思いの込められた意訳であるが・・・・。
「ゲルググというモビルスーツ」
別に不思議な言葉ではないが、こんな意味を持った言葉を、Z-KNIGHTシリーズで言ってみると、「エギールというZ-KNIGHT」にはならないのである。その場合は、「エギールというバトル・アーマー」となる。もし、「エギールというZ-KNIGHT」と言い切ってしまうと、「ゲルググというガンダム」ということになってしまい、意味をなさなくなってしまうのである。
普段の話題の中で、「エギールというZ-KNIGHT」というような発言が出てくること全てを否定するつもりはないし、かえってわかりやすい時もあるかも知れない。しかし、当惑星のブルースター地区においては、上記分類を的確に行った上で、開発が進められていくことになる。
ゾイドでも使用されるパワーユニットの違いによって、やはりクラスに分けられていたのであるが、どちらかというと「そういうゾイドを作ろうとした結果、そのパワーユニットを搭載したために、そのクラスに分類されてしまった」、という本体設計優先と考えるべきと思われる。対するZ-KNIGHTは、ストーリー展開の中で、クラスを分類することで設定に厚みを持たせる役割を果たしており、当初から意図的に分けられていたと考えるのがよいと思われる。
ストーリー上つながりのあるゾイドとZ-KNIGHTではあるが、シリーズスタート時のコンセプトの違いが、各種の違いになって表れていることは、遊びながら楽しんで欲しい一面である。