2007黒部レポート | |
小池さんに会いたいその一念で「岳」は黒部に挑んだ |
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それより問題は、長男の初挑戦である。2度の山行が実現できるなら、そのうち1度を家族のために・・というのはいいが、年に1度の楽しみを家族サービスにしてしまうのもなあという気持ちもあるし、いつもいつも俺一人で山に入り、家族は嫁さんの実家というのもマズいかなあという気持ちもあるし、『岳』なんて名前をつけた以上、将来の歩荷にするためには、黒部を好きにさせなければという目論見もあるし、それでも足手まといを振り払って、山でリフレッシュしたいなあという気持ちもあるし・・。最終的には、小池さんと岳の約束を果たすため、そして本人が行く気になっている時に行ってしまおう。と腹をくくった。 こんな時、やっぱ頼りになるのは大阪の二人である。とにかく面倒見がいい上、なんと言っても無理にゆっくり歩いてもらわなくていい。前週も浜松まで出かけていたので、体力的にも経済的にも厳しいと渋る姉さんを無理やり口説き落として、何とか同行してもらうことに成功した。 |
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第1渡渉までの直前、昨年、仲間内のD氏が『滑落!?』した場所を確認した。息子とはすでに何度か面識のあるD氏であるが、息子の中では、今回の山行で、D氏はすっかり『落ちた人』になってしまった。名誉毀損のそしりを受けるかもしれないが、林オジとともに、このレポート上でお詫びを申し上げたい。 沢の小屋は、ほどほどの混雑でカイコ棚に案内される。今年も『ワタル』がいたので、息子の相手はしてもらえそうだし、俺が『ワタル』の相手をしなくて済むし、一挙両得である。 |
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須田さん、入会初期からいろいろ世話になった景子ちゃん、去年から俺を「師匠」と呼んでくれるユーイチローが迎えてくれた。入会して早10年、いろいろなハプニングもあったが、思えば遠くへ来たもんだ・・というか、仲間達と楽しくそして、沢の小屋で我儘に振舞う俺を見て、家族も、父に自分達の知らない世界があるということを自覚してくれたようだ。 |
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とりあえず、他のお客さんの手前、宴はそこそこにお開きにして景子ちゃんと星空をながめながら、宴会の延長戦。昔「ハム太郎」のイラストを描いてもらって大喜びしていた娘も今や中学生。すっかり思春期となり、お姉ちゃんとの会話も微妙な雰囲気だった。俺に同情しつつも、娘の考えにも理解を示してくれて感謝、感謝・・。 |
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高天原峠を越え、下ったところがI谷。我々イワナの会が発足当時から移殖放流を続けてきた「聖地」である。自分は大東新道経由で3回、源頭から1回の3回の放流に参加しているが、赤木沢や薬師沢H俣への放流と比べると、格段に手強い。イワナの会のメンバーも高齢化が進み、若いメンバーが増えてこないと、放流事業も継続が困難になってきそうである。 |
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2年ぶりの高天原であったが、相変わらず山深さを感じさせてくれるたたずまいで我々を迎えてくれた。嫁さんは安堵の声を上げ、息子はあの赤い屋根の 下に小池さんがいることに、少し興奮してきたようである。しかし、そこは小池さんの自宅ではないのだが・・。 |
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雨が強くなってきたので、小屋に戻る。姉さんは早めに戻ったようで、女子組はすでに温泉を堪能した後だった。一般のお客さんが引けた後、小池さん夫婦とこれまた馴染みのヤマちゃんと楽しい夕餉。穏やかに2日目の夜は更けて言った。 |
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8月20日、3日目、今日も快晴。結局男組は温泉にまだ浸かっていないので、まずは温泉。嫁さんが龍晶池に行きたいと言い出し、姉さんも「まだ行ったことがないから・・。」と賛同したので、温泉前にちょっと脚を延ばすことにした。一昨年、立石に向かった道への取り付きを兄さんとともに探しながら歩いたが、結局明確な場所は確認できなかった。しかし、そもそも道と呼べるようなシロモノでなかった気もするが・・。あそこを登るのも降りるのも考えただけで、気が遠くなりそうだ。
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息子にとっては初めての高天原温泉。まぶしい青空がなおのこと心地よさを引き立ててくれる。対岸にも天然岩を使って湯船がしつらえてあるのを兄さんが見つけ、そちらも試してみようということになる。大自然の中、裸・裸足のまま温泉沢を渡渉していく男3人・・。まさに、自然の貸切状態である。ぬるめの湯だったが、本当に快適、快適。 |
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いつものごとく、握手でお別れ。「岳、来年も来いよな。」と息子と握手する小池さんの姿を見て、本当に息子を連れてきてよかったなあと思った。いつからそこにできたのか、展望台とよばれる台から高天原を一望して、沢の小屋への帰路は始まった。 |
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沢に戻ると、早速の釣り支度、すっかり味をしめた息子が同行をねだるが、それを振り切って上流へ。なにせ、まだ満足にロッドを振っていない。これが、この山行中釣りを楽しむ最後のチャンスである。もはや息子にかまっている余裕などない。最後くらい『突進王』でいさせてくれ〜。 |
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8月21日、こうして、今年の山行も終わった。帰路ではD氏が滑落した現場に、滑落防止用のトラロープと注意書きが新たに設置されていた。われわれの入山前日にそこで新たな滑落事故が発生していたからである。息子は、その場所だけははっきりと危険箇所と記憶できたようである。 恒例の反省会はそこそこに、兄さんと姉さんは未明に大阪への帰路に着いた。その後、俺は常願寺でオイカワにおちょくられ、上市のダイナムで宇宙人退治と地球防衛に失敗したが、それはご愛嬌ということで。 しかし、来年も息子と一緒の入山じゃ、満足に釣りもできやしない。何とか休みをこさえて、例のZ谷でも再訪しますかね。兄さん・姉さん。今度は村中さんも一緒にどうだろう。 (おしまい) |
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(C)黒部源流の岩魚を愛する会 |