2002年第1回活動報告
7月12日 入山 武田、森下、柏木、中村、林、川口、吉田、(西出)・・・薬師沢小屋と2人は太郎
7月13日 入山 西山+α、旭山・・・薬師沢小屋 移動・・・7人は高天原へ
7月14日 高天から薬師沢小屋へ移動・・・薬師沢小屋に全員揃う
7月15日 下山
今回は台風6号と7号に挟まれ、思うような活動ができなかった。
高天に異動したグループは風呂にも入れなかったし、帰りの大東新道では渡渉に難儀したようだ。
薬師沢小屋から動かなかった連中は、結構釣りをしたり、ギョウジャニンニク餃子を食ったりで、それなりの思いをしたようだ。
停滞すると、必然的に酒量が増えるのは仕方が無い。今回早くも飲み干してしまい、次回のヘリでまた上げてくれー!なんて輩もいる。
残念なのは、今回も1人怪我人が出た。幸いたいしたことが無かったが、程度の差は単に運に左右されただけということを肝に銘じ、自戒していただきたい。
行動は天気に大きな影響を受けるが、3回に1回は天気が悪いのはしょうがない。
これに懲りず、次回もできるだけ参加してください。
2002年8月 臨時活動報告(いわゆる旭山レポート)(参加者・・村中隊長、旭山隊員)
8月8日(晴)・・第1日目
5:40、ゲートが開くのを待つ間、登山靴を履いたり、ストレッチをしたりする中高年グループを横目に、僕は少し憂鬱な気持ちでいた。
記念すべき10回目の黒部入り、台風にやられた(石ころにやられた人もいたが・・)先月のリベンジを果たすべく「やる気満々」のはずだった。隊長がヘリで太郎に上がったと知るまでは・・。
自分だけが「ヒーヒー」言いながら登るのはアホくさいが、とにかく登らなければ旅は始まらない。
6:45、いつものように慰霊碑に「今回も無事帰ってこられますように」と黙祷し、出発した。
話す相手もいないので、歩くしかない。1時間ほどで三角点を通過、いいペースだ。
樹林帯を超え、石畳にかかったところで、島さんと出会った。5分ほど再会を楽しむ。
最後の夏休み、5泊6日で黒部を満喫したようだ。懸案の赤木沢ではそこそこの魚影を見たという情報を得る。
「村中さんが待ってるよ。」と言う言葉で再会を約束し、お別れする。励ましをいただいて少し元気が回復したようだ。
振り返ると島さんの後ろ姿が遠くに見える。島さんもそうだが、去年源頭までご一緒させていただいた藤本さんと言い、本当に「イワナの会」の50代は強い人ばかりだ。
あと20年後自分はあれだけ歩けるのだろうか?と思いながら太郎までの道を急いだ。
9:15、太郎着。村中さんを探すが見あたらない。バイトのお姉さんに探してもらうと「今、読書が佳境に入っているので、少し待っていろだそうです。」とのこと。
「重ね重ねの冷たい仕打ち!」と言うとしたころに隊長登場。従業員のコーヒータイムに混ぜていただいた。
10:00すぎ、太郎出発。隊長は、「おお、脚が軽い、軽い」といいつつ、軽快に下って行く。
「そりゃそうだろうよ。昨日からほとんど歩いてないんだから・・」と思いつつ、ついていく。僕がさっきまで、1000m登ってきたことを理解してくれているんだろうか・・?
11:00すぎ沢の小屋到着。スタッフと再会を祝す。約束の「ミスタードーナッツ」を渡せて一安心。
なぜか?早速祝杯となる。どうして沢の水は焼酎に合うんだろう?とにかく旨い。すいすいと3杯ずつ。
隊長は「まだ釣りにならん!」と昼寝。勝負は15:00開始と決まったので、薬師沢で練習。
酔ってるは、びくを持ってるはで釣りに集中できない。危ないので近場だけをやる。8匹集めたところで練習終了。
小屋に戻ると人だかり。隊長が「行こう!行こう!」と上流へ。敬意を表して隊長に一匹釣っていただこうと毛針を変えているうちに、口笛。流石隊長!イワナをぶら下げてニッコリ。それぞれ3つ4つ釣ったところで、上流に4人。
下流に戻るが、ルアーマンが戻ってくる。
「対岸をやろう!」と言う隊長のアドバイスで渡渉。「どうせ、一級ポイントは攻められている。」と、岸よりの石まわりに絞ったのが成功。次々に釣れてくる。隊長は安心したのか、魚籠持ちに徹してくれるとのこと。
天下の「源流の熊」に魚籠持ちをさせるなんて・・。なんて、果報者なんでしょ。と思っていたら18:00。
納竿して小屋に戻る。30はいるようだ。とりあえず初日の任務は完了。小宴会を21:00に切り上げて、就寝。部屋に帰ると隊長は静かに(マジで)ねておられました。
8月9日(曇)・・第2日目
6:00前に起床。こんなに早く起きるのは「イワナの会」に入会する前以来かもしれない。
早めの朝食を済ませ、出発準備。ここでトラブル発生。隊長が「ブクが無い!」とのたまう。仕方がないので、魚籠を水に浸しながら行くことに決定。ところが、魚籠を取りに行くと、「なんと」片方の魚籠にはイワナが2匹しかいない。
集団脱走だ!イワナのたくましさを改めて知らされた思い。
7:30出発。放流しに行くのに「なぜか?」竿を持っている自分。
他の人が見たら矛盾を感じるだろうなと思いつつ、サブザックに4ピースの(この時点では)ロッドを忍ばせた。
隊長と交互に魚籠を持ちながら上流へ。
「釣り堀」のゴルジュを左岸から高巻く。こちら側から登るのは初めて。大きなイワナが見える。
8:00すぎ、赤木沢出合いに到着。初めての体験に期待は膨らむ。難しい巻きなどはなく、快適な沢登り。
しかし、何か物足りない。イワナが走らない。隊長は沢屋さんが先行しているからだろうというが、それにしても・・。
10:00まえ、小休止をして隊長に残りを尋ねるとあと20分ほどとのこと、せっかく持ってきた竿を出さない手はない。
次の滝まで、と言う約束で毛針をセットする。
チビッコが果敢にアタックしてくるが、なかなか合わない。
結局、3つ釣れたので満足して納竿。放流場所である大滝下までむかう。
10:30,大滝下で放流、隊長とともに大きさ・性別を1匹ずつ確認して放流する。
最初の10匹中オスが8匹で「こりゃ、ホモができるか」と不安になるが、終わってみればきれいにオス・メス9匹ずつ。
15p〜25pの彼らが今秋無事にペアをつくってくれることを祈る。
幸い、水に漬けながら来たので、水温の順応は心配ないようだ。
赤木沢は滝が連続するので、滝と滝の間で一生を完結するか、下流に下るしか道がない。
近親交配を避けるという点では、岩苔よりもこちらの方が放流をこまめに行わないといけないような気がする。
身軽になって、大滝を高巻く、ロッドを木に引っかけないように注意する。(この時は・・)でも、自分の安全の方が大切。
草付きは雨に濡れてつるつるとよく滑る。注意して登り切ると・・・そこは楽園。
こんな場所があるんだなあ。と、感心。
早めの昼食をとる。
可愛い花を座布団にするのは心苦しいので、小沢の石をイスにした。
デジカメを持ってきているのに気づき、お花畑をバックに隊長の記念撮影。「似合わね〜」と二人の意見が一致した。
さらに、Y沢左俣源頭を目指し、高原を行く。
晴れていたらこのまま昼寝でもしたいところ。しかし、隊長と二人じゃ絵にならないのは間違いない。
左俣を覗くと、いる、いる、チビッコが・・。
高度は約2300m。ここでいるならこの下は・・・。と思い、釣りの準備。隊長はあきれている。
しかし、振れども振れども、下っても下ってもイワナは出てこない。
落差がきつくなったので、竿を仕舞って遡行に専念する。(ここまでは4ピースだった。トホホ)
左俣の渓相は最高!これでイワナが見えないのが不思議なくらい。
大イワナの泳いでいそうな滝壺や廊下が続く。是非とも放流したいとの気持ちを強くした。(来月辺り、どなたか一緒に行きませんか?)
いよいよイワナが走りだしたので、隊長が「旭山、そろそろ釣ったら?」と声をかけてくれた。
渡りに船とサブザックをおろしてみたら・・「あれ?3本しかない。」あわててサブザックの中を覗くが、「そんな中に入るわけねえだろ!」と隊長に指摘される。
全くもってごもっとも。高巻いて藪を漕いだときに枝か何かに引っかけてしまったようだ。
隊長に「探しに戻るか?」と聞かれたが、滝を3つも4つも登り帰す気力もなく、断念。
やっぱり、あいつは最初に「ハヤ」を釣ったときから呪われていたんだ。と言うことに気づいた。
14:00まえ、沢の小屋に戻る。隊長の知り合いがいたので、ブルーシートの下で宴会開始。
なにやら、18人パーティーなので今夜の「骨酒」と「塩焼き」用のイワナを18匹釣りに行ってるそうな。
冗談だと思っていたら、ビニール袋に腹を割いた岩魚を持って帰ってきた。「アララ?」まあ、一人1匹はいいと思うけど、いざ目の前にしますとね・・。その塩焼きやら、骨酒を勧められるのは何ともマイッタ!
隊長はさっさと小屋に入ってしまった。
夜は、山岳ガイドの「マサシ」さん、「アオベエ」さんと宴会。熱の入った議論が展開されておりました。
でも、私にたった4万円で八つ峰と北方稜線を登らせてくれるというので、感激。今度挑戦してみようかな。
今日も、21:00就寝。一緒に泊まるグリーンパトロールのお兄さん二人は大丈夫だろうか?と、思いつつ爆睡。
翌朝尋ねてみたら、二人とも静かだったそうな。(ケイピンさん、まだあなたに横綱はまかせますよ。)
8月10日(晴)・・第3日目
なんと、今晩は宿泊客が120ほどになると聞いて下山することにした。
やるだけやったし、あとは、今まで釣ったことのないY沢右俣・左俣の合流上をやれればよかったので、8:30ごろ小屋を出て上流に向かう。
どうせなら、登山道を歩けばよかったのに、「Y沢完全遡行」なんてものをやろうとしたために、途中で4人の釣り人を追い越すことになってしまった。
ご迷惑をかけた皆さん、ごめんなさい。この場を借りてお詫びいたします。
そして、9:30すぎに合流点上に。
フライはできないので、テンカラをやる。なんだか、5mのラインがきれいに振れる。
フライを始めたら振り込みが上手くなったようだ。
20pを超えるのは3匹に1匹くらいだが、なかなか出はいい。
水量が少ないので、多少神経質だが、姿さえ隠しながら釣ればきちんと反応してくれる。
ただし、ウイングにオレンジのエルクを付けたものには、反応するが食いが悪いということがわかった。
50匹弱ほど(30を過ぎたら数えるのが面倒になった)釣ったところで第2渡渉点の橋が見えたので、納竿。
11:00前だが早お昼にする。太郎でラーメンを食べるつもりだったのに「あやちゃん」が出がけにそっと「おにぎり」を部屋に持ってきてくれたのだ。
きっと、僕に「ホ」の字になのに違いない、と僕だけは信じている。
編集者註・・・オイラが頼んでやったのだ・・・それを自惚れて!
あやちゃんパワーをもらって太郎へ、隊長が生ビールで歓迎してくれた。やっぱり、隊長は優しい。と、少しだけ感じた。
とにかくすごい人なので、「静かなところへ」と「山岳警備隊詰所」へ。少し昼寝をした。
14:00まえに太郎をあとにする。あとは、隊長邸で最後の大宴会が待っている。
風呂に入り、さっぱりさせてもらったところで、奥様が帰宅。「まさお」さんを含めて宴会開始!
若者がいるとつい「説教」をしたくなるが、今日は、努めて善い「お兄さん」を演じる。
テンカラをやりたいというので、テンカラ竿を半永久的に貸し出すこととした。(これで、僕がフライに専念すると思ったらいけませんよ。)
しかし、隊長の「こいつ、いくつに見える?」との質問に「40歳くらい」と答えられたのにはマイッタ。
やっぱり、オレは「オジ」かよ。でも、pekeのおっさんより8歳も若く見てくれたからよしとするか。
宴会の締めは、天体観測。隊長・奥様と3人で道路に寝そべって星を見る。
夏の大3角形は何かでもめたが、「デネブ・ベガ・アルタイル」で落ち着き、一件落着。でも、本当にそれでいいんかな。
8月11日(晴)・・第4日目
奥様、僕は完全な2日酔い。隊長はすっきりしてる。なぜなら昨晩1時間も前に寝てしまったからだ。
これで、今回の報告を終わりますが、やはりこの時季には釣り人が沢山入渓しています。
2泊の間に我々を含めて、20名近くの釣り人に会いました。フライ・テンカラの方が中心で、ある程度キャッチ・アンド・リリースは徹底されているようですが、例会の行われている「静かな」時季だけではない、と言う認識を持ってこれからも活動していきたいと思います。来月は、もう一度赤木沢に放流するか、パートナー次第ではH俣への放流も考えていきたいと思っております。
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赤木平と左俣源頭付近で支度するHおじ
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赤木平のチングルマの群生 何万本あるのか
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ニッコウキスゲの群生
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ハクサンフウロ
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左俣上部から1番目の滝
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上部から2番目
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上部から3番目
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4番目を上から覗く
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4番目を下から 左(向かって)に高巻きコース
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放流したイワナ
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