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鳥取県の西側に位置する大山の周囲には、見事な放射状の火山麓扇状地が広がり、その川沿いにはいくつもの村落が発達している。所子もそれらの村落の一つで、元々は下鴨神社の社領。江戸時代そのままの地割が残り、伯耆地方の伝統的な農村景観を今に伝える。 「カミ」と呼ばれる旧来の所子村の北側に、大庄屋の門脇家を中心とした「シモ」と呼ばれる新たな家屋群が江戸時代の中頃に発達し、その両者を合わせた形で成り立っているのが現在の所子集落。その「シモ」の側には、三軒の門脇家のそばを水路が流れる、特に見事な集落景観が見られる(タイトル写真及び写真1、2枚目)。 こちらは「カミ」側の風景。やはり、板壁の家屋や塀が特徴的である。彼方に大山を望む平地の真っただ中に、突然このような立派な集落が姿を現すのは、予備知識があって訪れてもかなりの驚きだった。冬場の、海風が強い中を駅から歩いてここにたどり着いた時は、外から守られているような感じにほっとしたのを覚えている。
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