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兵庫県の北端、日本海近くの円山川沿いに位置する城崎温泉は、平安時代以来の歴史を有するとされる、関西を代表する温泉地の一つ。「城の崎にて」を著した志賀直哉を初めとする数多くの文人たちに愛され、温泉地としての名声がより高まることにもなった。 町の中心を流れる大谿川(おおたにがわ)沿いに柳の並木が続き、あちこちに石橋が架かる独特の風景は、城崎温泉を象徴するものとなっている。大正時代の終わりに、この町は北但大震災による壊滅的な被害を受けており、今立ち並んでいる木造の旅館はその後の復興で建てられたものだという。 城崎と言えば外湯めぐりが有名で、各旅館の内湯は最低限。ここを訪れたらやはり、一の湯や御所の湯、柳湯(左写真)などの七湯めぐりを楽しみたい。名高い温泉地だけにその風情は見事で、温泉情緒を心から味わうことができるだろう。