(富山県南砺市) |
砺波平野の南端に位置する井波は、北陸地方における浄土真宗信仰の中心であり、戦国時代には一向一揆の拠点でもあった瑞泉寺の門前町。山門に向かむ緩やかな坂道となっている石畳の通り沿いに、古い町並みが残る。 現在でも多くの参拝者を集める瑞泉寺の門前町だけに、観光客の姿も多く見られ、活気のある町並みである。建ち並ぶ家屋は、いずれも意匠を凝らした立派な物で、袖うだつが並ぶ様などにはいかにも北陸の古い町並みのたたずまいがある。 井波は木彫りの町としても知られる。その起こりは江戸時代、瑞泉寺本堂再建に際して、京都の本願寺から派遣された彫刻師に、地元の大工たちが技法を学んだことからだという。町並みの立派さも、この井波彫刻の技術と無関係ではないだろう。作品を売る工房もいくつかあり、それらを見て回るのも面白いと思う。