美女石と姥石(称名寺境内)


 国指定史跡となっている称名寺境内の中心となっているのは阿字ヶ池で
すが、池の西北隅に二つ並んで立っていたのが、金沢四石といわれる美女
石と姥石です。
 
金沢四石
金沢の名所に金沢四石がありますが、四石とは称名寺境内の阿字 ヶ池にあった美女石と姥石、琵琶島弁天の福石、金龍院境内の飛石 の四つです。
現在は美女石だけしか見ることができませんが、昭和14年の「金沢文庫 案内」には、池の中に美女石と姥石が並んで立っているのがみえます。 昭和62年阿字ヶ池の改修が行われた時、池底の浚渫が行われましたが、 それらしい石は発見できず、どこに消えたか謎のままです。
美女石(称名寺)
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 ー美女石・姥石伝説ー
 その昔、北条の姫と乳母が称名寺の池のまわりを散歩していたとき、姫
が足を踏み外して池に落ちました。
 乳母は姫を助けようと池に入りましたが、二人とも溺れ死に、やがて石
になったという伝説があります。
 また溺れた二人を供養するために、その場所に二つの石を立てたという
言い伝えもあり

 "称名のみのりの池の美女石も姥もろともに蓮のうてなに

 という歌が添えられています。
   (註 みのり=仏法上の尊敬語 うてな=台)

 この石はもともと庭園に奥深く静かな雰囲気を加えるために水辺に配
置された庭石で元享2年(1323)に作られた称名寺結界図にも描かれ
ていますが、美女石・姥石の名前は江戸初期につけられたようです。

美女石と姥石(金沢文庫案内)