私の学習レポート2008年8月13日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地球温暖化防止と 新庁舎の駐車場設置をどう考えるか ●T。Oさんから、甲府市議会議員全員に出された「新庁舎になる市役所には、地球温暖化防止対策から駐車場をつくらない」という提起を、私は私なりに真剣にこの間考えてきました。T.Oさんへお送りした私の主な見解をここでも明らかにします。T。Oさんには遅れたことをお詫びします。なお、文面には若干の手直しをして掲載しています。 |
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●T.Oさんのご提起を要約しますと以下のようになるかと思います。
という要旨でした。
2輪車 137台(うち電動スクーター3台) しかし、私は、当面この低公害車の大衆車化もすすめる必要性があると思いますが、原則は公共交通体系の再生だと考えます。 D食料の自給率を高め、地産地消の推進です 長距離輸送をしないためには、現在40%しかない食料の自給率を高めことです。そして地産地消を政策的に推進することです。 例えば、学校給食では特に身近な地域の食材を使い「地産地消」をすすめます。また、学校に給食を車で配送する「給食センター方式」ではなく自校給食方式にすべきです。 E 極めて排気量の多い乗用車を税制上で抑制する 高額所得者用の排気量多い高級乗用車や高級スポーツカーは、地球と地球温暖化防止の取り組みに迷惑をかけているのですから、課徴金的な意味で増税を行います。その増収分は、温暖化防止の取り組みの費用ともします。 そのことよって「本来こんなクルマにのるのはおかしいよな!?」といった社会的雰囲気づくりに向け排気量の多い車の抑制をはかります。 F 乗用車に依存しなければならない働き方の改善 都市部でも最終電車に間にあわないような残業や深夜業が当然とされる働き方の改善が必要です。派遣労働法改正も含めて労働基準法の改正と強化が必要です。 さらには遠隔地の職場配転、長距離通勤、広域の営業活動も社会的に抑制されるべきです。 車での通勤の抑制―個々の自家用車ではなく、会社通勤バスの活用など企業は時間短縮と福利厚生に努力すべきです。 G 身近な地域社会を優先する a)昼間人口と夜間人口の格差是正 「職住分離」の社会と雇用構造をみなす必要があります。 また、同じ地域で働き、住み、育てる。地域の学校に病院に施設にいけるようにして人口の大都市集中化を是正させることです。 特に、甲府市では2005年の国勢調査によると、意外と昼間における出入りが大きく通勤も通学もなるべく同じ地域内が望ましいことは言うまでもありません。 居住の自由がありますが、甲府市の職員の方にもできるだけ甲府市に住んでもらうことです。 甲府市の昼間人口
『甲府市統計書』より b)地域の小中学校・高校を大切に クールバスを出しても小中学校の統廃合が行われています。また高校の統廃合や全県一区の高校受験もが行われていますが、私は好ましくないと思います。 「身近な地域に学校がある「子どもが歩いていけるところに学校がある」ことは現在の不審者対策も含めて大切です。 c)医療施設はできるだけ身近に 医療構造改革にみられるブロック拠点病院化はひどいプランです。 総務省の方針である「公立病院改革」などの地域の公立病院・病床の削減ではなく、地域の公立病院・病床・病院バスを維持し、遠隔地の通院をしなくて済むようにすることです。 d)地域福祉圏の確立 介護や障害者自立支援のケアホーム・クループホームやデイサービス・ショートステイなどの施設を送迎距離が短くてすむように身近な地域内に施設を置きます。 福祉バスや乗り合わせ優先の福祉タクシー券などの活用します。 H 公共交通体系を再生させ、公共交通の利便性を政策的に高める 鉄道・路面電車・路線バスなどの再生をはかります。貨物トラックも鉄道貨物輸送体系に組み込みます。 甲府市では行政で行っている公共バス路線維持運行費補助事業・代替バス委託事業を赤字バス路線廃止させないためのつなぎとしてではなく、公共交通バスの再生するために積極的に見直しをはからねばなりません。 駐車場削減は、クルマ社会から抜け出す社会環境整備による結果から ●これらの、総合的な対策から乗用車利用と乗用車そのものを無理なく削減させていくことを目指すべきです。その結果として駐車場の削減があると思われます。そしてその結果は、いきなり現れるものではありませんから、駐車場の削減は段階的に徐々に進めるべきと考えます。 ●現実には、車に乗りたくて乗っている人ばかりではありません。「生活も苦しいのに車の維持費もガソリン代も大変」と感じている人もかなりいると思われます。 それなのにどうして車か? 車がないと生活や仕事ができない現実の社会環境・社会的条件があるからです。 このクルマ優先の社会環境は個人の自由な選択ではなく、基本的には国が40年以上もかけて作られたクルマ優先社会の政策によるものです。 ●新全国総合開発計画(1972年)などによっていくつもの総合計画で「モータリーゼーション」が煽られ高速道路網の建設が叫ばれてきました。 このクルマ優先の政策は、国鉄分割民営化(1987年)で弾みがつきました。それまでのローカル線の廃止をはじめ鉄道旅客輸送・鉄道貨物輸送体系が分割民営化によって解体しました。 人と物の移動(通勤・通学も)は個々のトラック、乗用車をなどのクルマが基本とされ、多くの地域では生活と仕事にクルマがなくてはやっていけなくされました。日本の大企業である自動車産業・道路土木業は、これによって大きな利益をえても、普通の多くの市民はクルマ社会になっても生活と文化は改善されたとはなりません。 ●私は、駐車場をなくすことは、社会的な条件が整備された結果として、徐々にできることだと思います。その意味で小田切さんのいくつかのご提案も条件整備の一つ一つであると考え賛同いたします。 しかし、結果として実施すべき駐車場の廃止を、社会的な条件整備のない中で、まず先行実施したのならさまざまな弊害を生む原因にもなるものであると思います。新庁舎駐車場を活用する市民の自家用乗用車は、大企業の大口排出と異なり喫緊の地球温暖化防止の課題というものでもありません。それだけに一定の時間をかけて徐々に駐車場の廃止を方針とすべきです。 社会的な条件整備がない中で市役所駐車場を先行して廃止してしまうと 現状で、先行して駐車場を廃止してしまうとさまざまな問題点・弊害が生じると想定されます。 @ 市役所に駐車場がないと市民は民間の駐車場利用になってしまう 市役所に駐車場がなければ、窓口に来る市民は、民間の有料駐車場を泣く泣く使うしかありません。こうなれば、実質的な公共料金の値上げとなってしまい、さらに市民の負担を重くすることになってしまいます。 A 市役所の駐車場が狭いとCO2をより発生させてしまう 下の表は、市の駐車場利用台数調査から、利用回転数を出したものです。 2007年度の本庁舎駐車場利用台数(平日のみ)
平日の1年間で23万6.576台にもなり、1日平均は962台です。市民来庁舎者用の駐車場は102台ですから、ここから利用回転台数を計算すると単純平均で1つの駐車場に1日9.3台の車が利用していることになります。これは、少ない数ではありません。 駐車場が少なく駐車場待ちするクルマが多いと交通渋滞と同じとなり、かえって排気ガス量を増やしてしまいます。 B 障害者の増加によって障害者用の駐車場はさらに多くしなければなりません 甲府市民でも 身体障害者手帳を持つ方は年々増加して現在甲府市では1万人以上もいます。そのうち肢体不自由の方は50%をこえてきています。伸び率も毎年高くなり20年前と比べると1.75倍にもなっています。 甲府市の身体障害者手帳交付状況の推移
障害者用の駐車場は誰でも確保すべきとしますが、実際はどこでも確保すべき駐車場の数が足りません。甲府市の本庁舎ではわずかに障害者用の駐車場は4台しかありません。しかも決められたスペース(ハートビル法「高齢者・身体障害者などが円滑に利用できる特定建築物の促進に関する法律」では幅3.5メートル以上とされています)が守れていません。 したがって、新庁舎の障害者用駐車場はもっと多くし、ゆとりあるスペースにしていかなければなりません。 C 障害者用の駐車場だけだと混乱を招きかねない 障害者用の駐車場は、どこでも健常者からも使われ障害者が迷惑しているケースがあます。私も4年ほど前に甲府市の施設を自分で調査しましたが、施設としてハートビル法が守られていないばかりか、わずかな障害者用の駐車場に、障害者用のマークが掲示されていないクルマや場合によっては業者のクルマすら駐車されていることがありました。 駐車台数が多くゆとりのある施設ではこのようなことはありませんでしたが、しかし駐車場が狭く、管理人がいない施設では障害者用の駐車場が不当に使用されることが多いようです。 最近はもっと悪質な事例があるようです。障害者から報告があったのですが、障害者が運転をする時、障害者マーク(次のページにマークと説明資料を掲載しています)が必要ですが、この障害者マークを購入して障害者駐車場を使う悪質な人もいるようです。 障害者マークは、交通規則定められている重要なマークですが、 ケーヨーホーム、くろがねや、イエロハット、Jマート、さらには通信販売でも簡単に手に入ってしまいます。 それだけに今後さらに便利だからと健常者が悪用することが考えられます。
もし一般の駐車場がなく障害者用の駐車場だけがあるとするなら、健常者であっても障害者用の駐車場を使う悪質な人が必ず現れ、そのたびに障害者が迷惑する事態となってしまうでしょう。
としているだけです。つまり、法的には障害者用の駐車台数は極めて少なく、しかも一般の駐車場をなくしてしまえば、障害者用の駐車場もなくてすむことにもなってしまいます。やはり、障害者を守るためにも一般の駐車場を確保しなければなりません。 D 「クルマで来るしかない人」も少なくない 障害者だけでなく、「クルマで来るしかない人」も少なくありません。妊婦、乳幼児を抱える方、足が弱い高齢者の方、ケガで松葉杖の方、膝や腰を痛めて歩きづらい方 足が弱い高齢者の方、高齢者の付き添いできた方、これらの歩行弱者のためにも庁舎には駐車場は必要です。いきなり駐車場がないとなると歩行弱者をいじめてしまうことにもなってしまいます。 特にこれからは高齢者社会ですから「歩いてはいけないが、車なら何とかいける」という高齢者も、同じく高齢者の付き添いに来られる方も増えていきます。また、運転レベルの低い方も多く、障害者に限らず個々の駐車場のスペース・幅は広く取る必要もあります。 E 公用車―業務用の自動車はやはりかかせない 本庁舎では公用車の駐車場は61台もあります。それでも足りないとされ新庁舎では72台分の駐車場が必要としています。もし新庁舎で公用車用の駐車場がないとするなら、別の場所に駐車場を確保するしかありません。これでは新庁舎に駐車場をおかないだけで、まったく結果は同じことになりますし、また、業務上の効率も悪くなります。 当面は、低公害車の導入で対応するしかないと思います。 F 防災時の緊急車両の駐車場は広く確保すべき 新庁舎は防災上の拠点とするなら、災害時には 消防車・特殊車両・防火広報車・緊急輸送車両などの駐車場は必要となります。もちろん芝生広場でもいいのですが、とにかくいつでもつかえる平面は必要です。 ※駐車場の防災上の機能を高めるには常緑樹で区切る 甲府市の新庁舎の場合、地盤の状態がよく、かえって地下駐車場などの建設は無駄な費用がかかるとされています。その分、地上の駐車場となると考えられます。 駐車場には、火災に強くCO2を吸収する常緑樹を多くし、常緑樹の生垣・区切りを多くし 芝生広場などを常緑樹で囲っていくことです。 今後 クルマ社会からの脱却のための社会的条件整備に伴い駐車場の利用台数が減っていくにしたがってさらに常緑樹と芝を多くしていくことです。 ※甲府市の「生垣設置奨励助成」事業の活用を 甲府市でも緑化推進事業を行いブロック塀から生垣設置に帰る家庭への「生垣設置奨励助成」や「事業所緑化」、太い木へ「保存樹木助成」を行っていますが、いずれも宣伝が足りないのか助成件数が低調です。私は、防災上からもCO2の吸収のためにもブロック塀から生垣設置が必要と考えています。
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この問題での私の見解のまとめ
地球温暖化防止は、大口の大企業のCO2排出総量を削減しなければ実効性がありません。そのため、大口の大企業の排出量削減にむけた社会的な圧力として市民の身近な取り組みも必要です。市民のクルマ使用の抑制は排出総量からみて大きなものではありませんが、喫緊な課題でなくとも身近な取り組みの1つとしての意義があります。 |