 |
800 |
川島誠 |
--- なぜ800メートルを始めたのかって訊かれたなら、
雨上がりの日の芝生の匂いのせいだ、って答えるぜ。---
(本文の冒頭より抜粋) |
|
 |
 |
今年の世界陸上は、ハンマー投げの室伏と女子マラソン、 そして200mの末続がメダルを獲って、大いに盛り上がりました。 オレも、見るのは好きなので、できるだけ多くの種目を見た つもりなんだけど、いやぁ、これは見てなかったなぁ。
800m。
400mとか1500mは見たんだけど、 800mはなぜか見なかった。 でも、ヨーロッパでは800mのような中距離が メジャーなんだってね。
で、この『800』という小説、題名の通り、 2人の陸上800mランナーが主人公の 青春スポーツものです。 この2人、中沢と広瀬っていうんですが 性格的には、映画『ピンポン』の ペコとスマイルのような雰囲気ね。 熱いんだけど爽やかな青春って感じで、いいんですよぉ。
こいつらがレースでいっしょに走るシーンがあるんですよ。 この描写が絶妙でね! まるでオレが走ってるかのような錯覚を覚えるほど、 読みながら、トラックの風が伝わってくるんっすよ。 先頭を走るヤツの後ろにピッタリくっついて、 チャンスと見るや、横に並んで一気に抜き去る! 自分が小学生のころ、リレーの第一走者でやった そんなシーンがアタマをよぎりました。懐かしいなぁ。
あぁ〜、走りたくなってきた。 バテバテになりながら、走りたくなってきた。 |
posted on 2003.09.12 |
|
 |
|
|
|