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No.80 鳳凰三山 |
青木鉱泉を基点に、中道から薬師岳(2780m)に登って観音岳(2840m)〜赤抜沢ノ頭と歩き、ドンドコ沢を下る三角コースを歩きました。薬師岳〜赤抜沢ノ頭の稜線では好天に恵まれ、素晴らしい眺望を楽しむことができました。今回の山行は友人のS氏が同行しました。 日時 2006年(平成18年)10月25日(水)〜10月26日(木) 天候 10月25日 晴 10月26日 晴 同行 S氏 所要時間 10月25日 青木鉱泉(6.10) ←40分→ (6.50)中道登山口で朝食(7.10) ←4時間5分→ (11.15)御座石で昼食(11.50) ←1時間40分→ (13.30)薬師岳(13.45) ←10分→ (13.55)薬師岳小屋 10月26日 薬師岳小屋(5.55) ←15分→ (6.10)薬師岳(6.20) ←40分→ (7.00)観音岳(7.25) ←15分→ (7.40)鳳凰小屋分岐(7.40) ←50→ (8.30)赤抜沢ノ頭(8.55) ←35分→ (9.30)鳳凰小屋(9.55) ←45分→ (10.40)五色滝で昼食(11.25) ←25分→ (11.50)白糸滝(11.55) ←45分→ (12.40)鳳凰の滝(12.40) ←35分→ (14.15)山・川沿いコース分岐(14.15) ←35分→ (14.50)青木鉱泉 山行概要 10月25日
御座石鉱泉で作ってくれた朝食のおにぎりをここで食べ、登山道に入りました。針葉樹と落葉樹の混ざった樹林帯の中を、きつい登りが続きます。落葉樹は紅葉していますが、針葉樹が多いためそれほど目立ちません。登山道を歩き始めて1時間ほどすると目の前に林道が現れ、傍らに軽自動車が止められていました。一般の人が入れるのかどうか分かりませんが、とにかくここまでは車で来ることができるようです。 今日は先が長いので、30分に1回休憩のペースで歩いていましたが、だんだん休憩が待ち遠しくなってきます。見晴らしのない一本調子の登りに少々飽きてきた頃,、小さな笹原が現れ、視界が開けました。甲府盆地の向うに奥秩父の山並みが浮かんでいます。休憩には中途半端な時間だったのですが、ここで思わず休みをとりました。 ここを過ぎると再び樹林帯に入り、見晴らしは無くなります。ひとしきり急坂に汗をかき、少し登りが緩くなったら目の前に大きな岩が現れました。手前の木には”ゴザイシ”と記された標識が取り付けられています。やっと御座石に着いたことになり、ここで昼食にしました。 昼食後もしばらく針葉樹林の中の同じような道が続きますが、やがてダケカンバが目立つようになり、そのうち頭上に大きな岩の山頂が見え始めました。薬師岳の頂上です。長かった登りに目途がつき、同行のS氏との会話にも弾みがつきます。樹林が切れ、目の前に花崗岩の砂が現れ、大きな岩の脇を抜けると小さな窪地に出ました。ここで、頂上と見当違いの方へ歩いてしまい、少し道草を食いましたが、一歩きしたところで薬師岳の頂上に立ちました。 頂上に着いたときは、周りに雲が涌いていて殆ど眺望が得られなかったので、一休みしただけで、薬師岳小屋に向かいました。この日薬師岳小屋に着いたのは我々が最初で、この後男性のソロが二人、やってきました。夕食は5時30分で、夕食後4人の泊り客で少し雑談をし、7時前に眠りにつきました。 10月26日 朝食は5時30分なので、5時に起床しました。小屋の外へ出てみると星が瞬いており、快晴です。今日の日の出は午前6時2分なので、うまくすれば薬師岳の頂上で日の出を迎えられるかもしれないと、朝食もそこそこに小屋を出ましたが、歩き出して10分もしないうちに雲海の上に太陽が顔を出しました。薬師岳の頂上は、昨日と違って360°遮るものがありません。南の富士山から右回りに白根三山、観音岳、八ヶ岳、奥秩父の山々が雲海の上に浮かんでいます。しばし、周りの景観に見とれていました。 ![]() 赤抜沢ノ頭から下りが始まります。賽の河原を過ぎて鳳凰小屋まで、思ったより時間がかかりました。鳳凰小屋で飲み水を補給し、ドンドコ沢へ向かいました。小屋を出るとすぐ燕頭山コースとドンドコ沢コースの分岐があります。ドンドコ沢へ向かうと、涸れ沢の中の道がしばらく続き、やがて左手の山側に涸れ沢を離れ、しばらく急坂を下るとドンドコ沢コースで最初に見られる五色滝が現れました。落差の大きい滝です。滝の入口の小さな広場で昼食をとり、この後も続く急坂に備えました。 昼食と休憩で元気を取り戻し、下りの再開です。白糸滝、鳳凰滝と過ぎても急坂は終わりません。更に下って、南精進ヶ滝を過ぎて小さな沢を越え、道が山腹を巻くような感じになり、やっと一息つける感じになりました。やがて、青木鉱泉への山沿いルートと川沿いルートの分岐が現れ、やれやれです。歩きやすくなった道を青木鉱泉まで下りました。青木鉱泉で、湯に浸かり、汗と疲れを流し、さっぱりした気持ちになって、帰途につきました。 ドンドコ沢の紅葉を期待していたのですが、これは少々期待外れでした。上流部は針葉樹が多く、紅葉は殆どありません。上から下ってきて南精進ヶ滝を過ぎると、時折赤や黄色の紅葉が目に付くようになりますが、散発的で長くは続きません。この近くでは、大菩薩の山々の方が見ごたえがあるように感じました。 今回歩いた中道コース、ドンドコ沢コースは、登っても下っても、厳しいルートだと思いました。特に中道コースは、見晴らしが殆どなく、また途中の目標物が少ないというのが、よりつらいところです。中道の登り、ドンドコ沢の下りですれ違った登山者は、いずれも3〜4名でした。厳しいコースにも関わらず、歩く人は案外いるようです。なお、中道コースの標高差は広河原から北岳頂上まで歩いた場合とほぼ同じです。 韮崎から青木鉱泉と御座石鉱泉を結んでいる路線バスがこの日(10月26日)は運休していました。落石とのことですが、鳥居峠経由の韮崎〜青木鉱泉の道路は車で通れました。簡単に運休するバスのようで、利用する場合は事前の確認が必須のようです。 御座石鉱泉と鳳凰小屋の経営者は同じで、客寄せの強引さをうわさで聞いていましたが、うわさ以上に強引でした。それにしても、近隣の同業者をあからさまに非難するやりかたは感心しません。 |
10月25日 青木鉱泉〜薬師岳小屋 | |
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青木鉱泉 ドンドコ沢沿いの静かな木立の中にある 韮崎から釜無川にかかる桐沢橋を渡り、鳥居峠を経由すると、ここまで殆ど舗装道路を走ってくることができる ドンドコ沢、薬師岳コース共にこの青木鉱泉の建屋の前を通る |
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薬師岳(中道)とドンドコ沢の分岐 青木鉱泉から歩いて数分のところにある 左へ行けば中道経由薬師岳、右へ行けばドンドコ沢経由地蔵岳 |
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中道の登り 時折、樹間から周りの景色を垣間見ることができるが、殆どは見晴らしのない樹林の中 |
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中道で眺望が得られるのは、ここ1箇所のみ 小さな笹原で、奥秩父の山並みがよく見える |
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御座石 今にも倒れそうに見える大きな岩 中道で目標となるのは、この御座石と前述の眺望が得られる小さな笹原だけ |
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頂上間近 中道は、頂上直下まで樹林の中を歩くので、頂上はなかなか目にすることができない |
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薬師岳頂上 頂上の標識は縦走路上に立っているが、ここより写真奥の岩のある付近の方が高い 中道を登ってくると写真奥の岩の右側に出てくる |
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薬師岳小屋 この下にある南御室小屋と経営者は同じ 水場がないので飲み水はミネラルウォーターを売っている(300円/500cc) |
10月26日 薬師岳小屋〜青木鉱泉 | |
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日の出 薬師岳頂上直下で、日の出を迎えた 太陽の下には雲海が広がっていた 右端のピークは富士山 |
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薬師岳頂上から見た北岳(右)と間ノ岳(左) この日は赤抜沢ノ頭まで、雲ひとつかからず、よく見えた |
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八ヶ岳 赤岳の尖ったシルエットが特徴的 編笠山から蓼科山まで、雲海の中に浮かんでいた 赤岳の右側には浅間山が見える |
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観音岳 薬師岳から観音岳までは、なだらかな登りが続いている 薬師岳まで、左に白根三山、右に八ヶ岳と奥秩父連峰を眺めて歩く |
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観音岳頂上 鳳凰三山の最高峰で、大きな岩が集まっており、ここからの見晴らしは抜群 |
観音岳からの眺め 左が仙丈ケ岳、右が甲斐駒、中央奥はアサヨ嶺、手前は高嶺、右端は地蔵岳 この写真では分かり難いが、甲斐駒の右側に穂高、槍から後立山連峰の山並みが見えた |
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鳳凰小屋分岐 観音岳と赤抜沢ノ頭の鞍部にある 写真右に進むと鳳凰小屋、真っ直ぐ進むと赤抜沢ノ頭 |
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稜線付近の紅葉 カラマツの黄色が目に付いた 白い花崗岩の砂とのコントラストが印象的だった |
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赤抜沢ノ頭 地蔵岳のオベリスクが真正面に見える ここから見る甲斐駒は均整のとれた三角錐形 |
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鳳凰小屋 飲み水が小屋の脇に引かれている 休憩用のベンチがあるが、この日は防腐剤が塗られたばかりで、使えなかった |
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燕頭山コース、ドンドコ沢分岐 鳳凰小屋を過ぎるとすぐの所にある 鳳凰小屋の敷地の外れ?と言っても過言ではない |
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五色滝 落差の大きい見事な滝で滝つぼのそばまで近づくことができる |
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ドンドコ沢の下り きつい下りが長い間続く 青木鉱泉に着くまで、道に露出している岩の上で尻餅を2回ついた |
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白糸滝 特にこれといった特徴はない この後、鳳凰滝、南精進ヶ滝と2つの滝があったが、見ずにパスした |
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ドンドコ沢の紅葉 南精進ヶ滝を過ぎると紅葉が目に付くようになる |
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山沿いコースと川沿いコースの分岐 ここまで来ると道は穏やかな下りになる ここから川沿いコースを取ったが、青木鉱泉まで1時間かからなかった |