5月31日(土)
今日はロンドンからパリに入ります。一昨日行ったセントパンクラス駅からユーロスターでパリまで2時間15分です。ホテルチェックイン後、早速地下鉄でオルセー美術館と、オランジェリー美術館に行きます。その後ルーブル付近を見てまわって、夕食もどこかで適当に済ませ、そのまま夜10時出発の現地ツアー・イルミネーションツアーに参加して、夜のパリを観光、最後はホテルまで送ってもらうという行動計画でした。
ユーロスター
セントパンクラス駅までと、パリ北駅からホテルまでは現地旅行社に送迎を予約してあるのでのんびりした行程です。
セントパンクラス駅では空港と同じように出国検査と荷物検査がありましたが、難なく通過。出発まで時間があったので、中でポンドを使い切るためにお土産でもと見に行きましたが、特にめぼしいものはなく、昼食用のサンドウィッチを買って乗り込みです。
10時発でパリには13時15分着ですが、時差が1時間あるので、所要時間は2時間15分です。
ユーロスター (Eurostar) とは、ロンドンとリール、パリおよびブリュッセルを最高300km/hで結ぶ国際高速列車。列車はユーロトンネル(チャネルトンネル)を通って英仏海峡(ドーバー海峡)を横断し、イギリス、フランス、ベルギー各国内の高速路線を使用しています。
出発後30分ほどしたら海底トンネルに入りました。日本人的には何か案内放送があってもいいのではと思うくらいあっさり進入です。途中放送があったのはリールに着いたときだけで、後は静かなものでした。
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座席は右下の写真のように2列ー2列の配置ですが、座席はやはり外人用でしょうかゆったりしていました。
パリ北駅では入国審査も改札もなくホームからそのまま出口でした。ここで現地ドライバーと合流しホテルまで直行です。
ホテルは主要ターミナルのひとつであるサンラザール駅の脇にあり、地下鉄も5つの路線が入り大変便利なとこでした。オペラ座や有名デパートにも歩いていくことができ、観光のためには最適でした。
サンラザール駅といえばクロード・モネがこの駅を題材にした連作を描いており、その一枚がオルセー美術館にもありました。
ホテルで荷物を置いたら早速美術館に直行です。
地下鉄の駅で初めてのフランス語を使用。「アン(1つ) カルネ(回数券) シルブプレ(プリーズ)」通じなかったときのためにメモ持参でしたが、すんなり回数券を買えました。その後は全部英語で通しましたが、昔と違って英語でも通じました。30年ほど前公用で行ったときはまったく通じませんでしたが、進歩?したんでしょうか。
パリの地下鉄は路線が番号表記ですのでわかりやすいのですが、どちら方面行きなのかがフランス語の為よくわかりませんでした。なかなか読めないものですね。ちなみに皆さんよくご存知のシャンゼリゼ。フランス語では「Champs-Elysees」、最初駅で表示を見たときは間違ったのかと一瞬あせりました。
オルセー美術館
当初の計画では14時半からオルセー美術館を見て、その後17時ごろからオランジェリー美術館にまわる予定でした。
ここオルセー美術館は駅の建築空間をそのまま利用した美術館です。もともと1900年のパリ万博のためのオルレアン鉄道の終着駅兼ホテルとして設計、建築されましたが、わずか39年で幕を引き、その後壊される運命のところ美術館として復活されたものだそうです。
そういえば外部は駅の雰囲気が残っており、内部も中央ホールは地下ホームの吹き抜け構造をそのまま活用します。ここには原則として2月革命のあった1848年から、第一次世界大戦が勃発した1914年までの作品を展示することになっており、それ以前の作品はルーヴル美術館、以降の作品はポンピドゥー・センターという役割分担がなされているそうです。
ドラクロワ、ミレー、マネ、モロー、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャン、ルソー、ドガ、ロートレックなどあまり美術に詳しくない私でも名前を知っている画家たちの作品が所狭しと並んでいました。日本のように柵があるわけでもなく近づき放題で鑑賞できます。
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中階から・地上階を見たところです。駅のターミナルの感じが残っています |
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地上階の中央通路・ロダンやクローデルの彫刻が展示してあります |
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エドワール・モネ「笛を吹く少年」) |
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アレクサンダー・カバネル「ヴィーナスの誕生」 |
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ドミニク・アングル「泉」 |
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クロード・モネ「睡蓮・緑のハーモニー」 |
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フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像」 |
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美術館入り口。帰るときにとったのでほとんど人がいませんが、いつもは入場する人であふれかえっています。1時間待ちもあるとか。 |
美術好きな奥さんはそれこそ一つ一つを食い入るように眺めていました。
あまり疲れたので中にあるカフェで一休みしていたら5時半でした。あわてて次のオランジェリー美術館に移動しました。ところが5時50分ごろ美術館に着いたら、もう入場できません。今日は6時閉館だそうです。
ガイドブックには7時まであいているように書いてあったのですが、最近は6時閉館に変わったようです。仕方なくオランジェリーは最終日に見に行こうということになりました。この辺は個人旅行ですから何とかなりますね。ただそのおかげで最終日にとってあったショッピングの時間が少なくなってしまいましたがね。
コンコルド広場
この広場はまさにパリの要、美の中心です。広場に立つと、西にシャンゼリゼ通りと凱旋門、東にはルーブル・オルセー・オランジェリーの美術館とカルーゼルの凱旋門(小凱旋門)、南はブルボン宮、北にはマドレーヌ教会を見ることができます。
もともとここはルイ15世広場でしたが、フランス革命時は血塗られた処刑場になり、ルイ16世やマリー・アントワネットなどが断頭台の露と消えたところです。現在はエジプトから贈られたオベリスクが建ち、周りを取り囲むように噴水と、8体の女神像が配置されています。現在は「調和・コンコルド」と名づけられています。
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コンコルド広場は回りがロータリーになっていて、交通の中心でもあります。私たちもこのロータリーを4〜5回通りました。 |
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広場から見たシャンゼリゼ通り。後ろのエトワールの凱旋門が見えますね。 |
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観光途中現れた結婚式の一団。こんな人中でも照れずにしっかり撮影してましたよ。 | |
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コンコルド広場の高さ23m、ルクソール神殿から贈られたオベリスク |
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広場から見えるエッフェル塔 |
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シャンゼリゼ通りをバックにしました。すぐ後ろまでが広場の部分ですから、ロータリー部分の大きさがわかりますね。 |
チュイルリー公園
ここはルーブルの西側にあって、かっては宮殿の庭となっていたところです。
典型的なフランス式庭園で、広い散歩道を中央に配し、左右対称に作られています。この公園からは3つの凱旋門が一直線に見られます。
東にカルーゼルの凱旋門(小凱旋門)、西にエトワールの凱旋門(大凱旋門・日本人が思っている凱旋門)、そしてその向こうにはラ・デファンスの新凱旋門・グランド・アルシュ(現代建築の凱旋門)が並んでいます。公園内にはギリシャ・ローマの神々をかたどった石像やマイヨール作のブロンズ像などが置かれ、野外美術館のようでした。
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噴水で休憩する人達。私たちも空いていた椅子を持ってきてしばらくまったりとしていました。今日はいっぱい歩いていましたから。 |
ルーブル宮
ルーブルは美術館である前に、まず要塞、そして宮殿としての歴史があります。
当初は12世紀宿敵ノルマンディ公に対抗してセーヌ川西岸にパリ防衛の要塞として建設されました。14世紀になって新たなパリの都市壁が右岸に築かれたためルーブルはパリの町に組み込まれ、このころから「要塞から国王の居城」という役割に変わったそうです。
そして17世紀太陽王ルイ14世の時代にヴェルサイユに宮殿を移し、ここルーブルは宮殿としての地位をなくしました。その後18世紀共和国となったフランスでここルーブルは美術館として再生されました。
今日はもう美術館は閉館していますので、ガラスのピラミッド下のショップ等の見学だけです。
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美術館の広さがわかりますね。 |
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カルーゼル凱旋門。8本のバラ色の大理石で支えられた、華やかな凱旋門で、1805年のナポレオンの勝利を記念して建設、1808年完成。 だが、ナポレオンはこの凱旋門の小ささに不満で、さらに大きな凱旋門の建設を命じた。それが、エトワール凱旋門です。 |
ヴァンドーム広場
ルイ14世時代に作られた広場で、パリでも有数の美しさを誇る広場だといわれています。
現在周りは昔のままの外観で、ブランドショップや、有名ホテルが並んでいます。この中のホテルリッツは世界最高級のホテルで、あのダイアナ元皇太子妃が最後の食事を取ったホテルとして有名です。でもあまり美しいとは感じなかったのは日本人と、フランス人の感覚の違いでしょうか。
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右側の青銅の柱は、ナポレオンのアウステルリッツの戦勝を記念して建てられたコラム(円柱)で、ナポレオンの像が一番上にあります |
夕食
初めてのパリでの食事です。いろいろ事前に調べてあるうちの1軒に入りました。カフェ形式のお店で英語のメニュもあり心配無用でしたよ。
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オニオングラタンスープ |
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前菜のチキンサラダ |
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メイン料理・白身魚 |
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なかなか雰囲気のあるお店でした |
イルミネーションツアー
夜のパリ・イルミネーションされている観光名所を自分たちで巡ることは防犯上も危ないと思われるのでツアーにしました。大型バス1台にフルの日本人です。みな考えることは一緒ですね。
天候にも恵まれて最後のエッフェル塔のシャンパンフラッシュまで見ることができました。エッフェル塔では通常のイルミネーションのほかに夜11時、12時、午前1時の3回光がフラッシュのように点滅します。この名前は点滅の様子がシャンパンの泡が下から沸いてくる様なところから名づけられたようです。
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パリの公衆トイレ。現在は無料でしたが、壊れていて使えない所も多かったですね |
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エトワールの大凱旋門 |
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エッフェル塔・左が通常の照明・右がシャンパンフラッシュの様子 |
今日はホテルに帰り着いたのが11時半さすがに疲れましたね。明日も早いので風呂もそこそこにお休みです。