大残雪の西銀座ダイアモンドコース黒部五郎岳 2ページ目
7月21日 晴れのち曇のち霧、夕方は晴れ
6:21 カールへ向け出発(2280m, 16.3℃)
五郎のテント場から早朝の笠が岳
テント場からは笠が岳の姿が美しい。空身で、昨日見られなかったカールからの景色を見に行く。見上げると、稜線コースを歩いている人が見える。
7:09 五郎カール最下部、雷岩近く(2480m, 26.8℃)
雄大な眺め。のんびりと時間は過ぎて行く。誰も来ない。聞こえるのは雪解けの水音だけ。
7:47 帰路に着く(2485m, 30.1℃)
至福の時を過ごし、テント場に向けてカールを後にする。
8:39 五郎平テント場着(2315m, 24.7℃)
予想通りテントのフライはすでに乾いていた。
9:41 出発(2330m, 27.6℃)
テントを撤収して、出発。急斜面からは眺めがよい。先ほどまでいた五郎のカールもよく見える。
11:35 黒部乗越着(2610m, 20.5℃)
雪が多い。三俣山荘への巻き道は急な斜面の雪渓トラバース。昨日すれ違った人が怪我をしたところだ。徐々に雲が多くなってきて、ついに視界がなくなってしまった。
花畑
三俣蓮華岳山頂直下の花
三俣蓮華岳への登り、周囲の花畑は今までの行程中最も美しい。相棒Kがシャリバテ状態におちいるが、なかなか適当な休憩スポットがない。
12:32 三俣蓮華岳着(2805m, 27.0℃)
三俣蓮華岳より北の眺め
南側は雲、北は薬師・雲の平・水晶、そして明日登頂予定の鷲羽が見える。裏銀座を縦走する人達で山頂は賑わっている。双六小屋からピストンでくる人もいるようだ。
13:02 三俣蓮華岳発(2815m, 30.9℃)
双六への巻道の分岐までザレ&雪の急斜面を一気にくだる。グリセードですいすい下るおじさんがいて、周囲の若い女性登山者の黄色い声が黒部の谷にこだましていた。槍が穂先をちょっとだけ見せる。
13:56 三俣テント場到着(2540m, 28.5℃)
鷲羽岳に雲が湧く
今夏は、本来の幕営スペースが雪で埋もれているため、設営可能数はかなり少ないようだ。また、トイレは小屋のものを使うのだが、充分な数がなく、翌朝のラッシュが心配になる。
三俣山荘で名物のケーキセットをいただく。美味。
夕方になると雲が消え、周囲の山々が見渡せた。明日登ることになっている鷲羽岳は圧倒的な大きさでその両翼を広げ聳えたっている。
その夜
槍ヶ岳と北鎌尾根
夕食前、小屋に行ってみると槍ヶ岳がきれいに見えた。小屋前は大フィーバーだ。
本日の夕食は函館五島軒のレトルトカレー。夜中にトイレに行ったら小屋の玄関まで人が寝ていた。翌日聞いた話では、この夜は257人が泊ったそうだ。
7月22日 4:30まで晴れのち曇のち霧さらに風ついには雨
4:06 空身で意気揚々と出発(2510m, 15.8℃)
風は強いが、すばらしい天気だ。
ったのだが・・・登り始めて20分もするとガスが出て視界は10mほどになってしまう。気温はますます下がる。ザレた稜線の急斜面で、風は強くなる一方である。しかも、カメラの電池が切れてしまった。いったいどうなる・・・
5:12 撤退(2770m, 12.3℃)
山頂まであと30分というところ、西からの風を避けられる地点に到達。天候回復の見込みはなく、山頂に行っても記念写真すら撮れない。ここで鷲羽登頂を断念。我々は単なるピークハンターではないのだ。楽しくない山登りはしない。ああ、昨日のうちに登っておけばよかった・・・
2002年7月24日に再訪し、この撤退地点は鷲羽池への分岐点で、山頂まであと10数分だったことが判明しました。
5:50 三俣小屋着(2515m, 16.6℃)
カメラの電池を買う。テントでコーヒーを飲んだりしてのんびりとする。
7:53 テント撤収、出発(2530m, 18.2℃)
8:45 双六巻道と蓮華岳との分岐(2715m, 15.3℃)
双六巻道の花畑
三俣山荘は、巻道は雪が多く濃霧時は危険というが、人が次々とやってくる。聞けば、何人も通って踏み跡もしっかりしているから大丈夫とのこと。花もきれいだという。巻道を選択する。
実際、巻道はハクサンイチゲやチングルマなどの大群落が見られてすばらしかった。ガスで視界があまり利かないのが残念だ。
11:02 双六小屋着(2515m, 17.6℃)
悪天のため、今日はここでおしまい。強風の中、苦労してテント設営。ラーメンを食べたりしてのんびりと過ごす。
その夜
夕食はテントの中でとった。風はますます強くなるばかり。雨がないのが救いだと思っていたら、19:00ころからフライシートに雨音が。3年前、暴風でテントが破壊された涸沢の苦い想い出が脳裏をよぎる。しかも今回、予備の張り綱を忘れてきてしまったことに気付いたのだ。もし張り綱が切れてしまったらと考えると発狂しそうになったが、前回の経験を生かしてテントの方向やペグの固め方を工夫したため、大事にはいたらなかった。あーよかった。
7月23日 曇のち晴れ
5:46 出発(2545m, 19.3℃)
弓折岳稜線のクロユリ
一時は停滞も考えたが、晴れ間も見えるので下山決定。強風の中、苦労してテントを撤収し、出発。
コース上はテント場での風がウソのように静かだ。花も多くてきれい。今回歩いた中では三俣蓮華岳周辺が一番美しかったが、この一帯はちょっと違った花が見られた。クロユリ、ハクサンフウロなど。
6:46 弓折分岐(2545m, 19.2℃)
はるか下方に鏡平が見える。ほんとうなら目の前に槍穂高があるのだろう。
7:34 鏡平山荘着(2315m, 25.4℃)
鏡池
名物かき氷をいただく。日が照りつけて気温も高くなっており、サイコー。
この辺りは日が出ているが、槍は相変わらず雲の中。鏡池に映るのは雲と太陽だけであった。
8:06 シシウドが原に到着(2115m, 23.0℃)
シシウドが原の眺め
焼岳が遠くに望める。
8:57 秩父沢着(1805m, 28.6℃)
秩父沢
冷たい雪解け水をいただく。テルモスにいっぱい詰めて、この水で帰宅後にコーヒーを淹れよう。
10:03 ワサビ平小屋着(1500m, 28.5℃)
名物ひやむぎをいただく。炎天下、疲れた体には最高の食材だ。合戦小屋でスイカを食したときに匹敵する美味さであった。
11:12 新穂高到着
今日は日曜日、アルペン浴場は凄まじい大混雑であった。