Top 『浮世絵師歌川列伝』浮世絵文献資料館
浮世絵師歌川列伝 な行
☆ にちょうさい 耳鳥斎 ◯『浮世絵師歌川列伝』「歌川国芳伝」p194 〝耳鳥斎 は安永年間の人なり。蒹葭堂雑録に、狂画師耳鳥斎は浪花の産にて、京町堀三丁目に住し、俗称松 屋平三郎という。其始酒造家なりしが、後骨董舗を業とす。狂画を得て世に名高し、就中俳優角力の姿を 画くに、あらぬさまを写せども、其情態をよく摸して、頗雅致あり。又滑稽の才ありて、戯作をもなせり。 義太夫の道外浄るりに達し、松平と称せらる。浪華一畸の人物というべしとあり〟 ☆ にんぎょうし 人形師 ◯『浮世絵師歌川列伝』「一世歌川豊国伝」p86 〝近ごろ人形師肥後の人、松本喜三郎という者あり、東京に来り浅草に住し、嘗て米人ケプロン氏の依頼に 応じ、我国の公家、官女、二体の人形を製造しておくりしことあり。予が友小林氏、この事に関して頗る 周旋する所あり、同氏の語に喜三郎の人形は精神あり、真を写して失わず、如何となれば同人が製造は、 其注意至らざる所なし。今其一端をいわんに、官女の頭髪などは、皆其年齢に相当する婦人の、生髪を用 いてこれをうえ、陰部の毛に至るまで、皆生毛を用いてあり。然らざれば真を写すこと能わずとて、自ら 語れる由いえり。豊国の俳優似貌画におけるも、その注意は蓋し喜三郎と同一にして、一毫といえども残 す所なきがごとし〟☆ 歌川国信門人 のぶきよ 歌川信清 のぶかず 歌川信一 のぶふさ 歌川信房 のぶよき 歌川信与喜 ◯『浮世絵師歌川列伝』「一世歌川豊国伝」p101 (文政十一年八月、初代歌川豊国追悼の筆塚を建立。表に狂歌堂真顔の撰文、背面に当時の門人名あり) 〝碑の背面に、地本問屋仲間中、団扇屋仲間中、歌川総社中、碑営連名とありて、国政、国長、国満、国貞、 国安、国丸、国次、国照、国直、国芳、国信、国忠、国種、国勝、国虎、国兼、国武、国宗、国彦、国幸、 国綱、国花、国為、国宅、国英、国景、国近。 二代目豊国社中、国富、国朝、国久女、国春、国弘、国重、国盛、国鶴、国道、国一、国興。 国貞社中、貞虎、貞房、貞景、貞秀、貞綱、貞幸、貞考、貞歌女、貞久、貞信、貞広。 国安社中、安信、安秀、安重、安春、安常、安清、安峰。 国丸社中、重丸、年丸、輝人。国信社中、信清、信一、信房、信与喜 。 国芳社中、芳春、芳信、芳房、芳清、芳影、芳勝、芳忠、芳富(以下略す)等の名を刻してあり〟