Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
見世編大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔見世編〕大田南畝関係
(遊郭・芝居・商家・料亭等)
【さ】※◯は欠字、◎は表示不能文字
店名(屋号)詞書・詩歌出典巻・頁年月日
さいらいあん
西来庵
「西来庵にて酒のみけるに、ふさといへるうたひめによみてつかはしける
 さみせんの川をへだてゝきくもよしむさしとしもつふさの一曲
 せいといへるうたひめにおくる【瀬戸物町おのぶが妹なり】
 何にせいかにせいとては酒をのむ寿命をのぶりいもととは猶
 同じく二人のいらつめの歌うたふをきくに、醒め井の/\水の垂水の水ざかり、といふうたなり
 花見酒酔ふてはいづる醒が井の雨のたる井に風の手おどり」
放歌集
書簡187
②181
⑲249
文化9年
1812/03/04
「春日、西来庵に壁上の小幅の詩句の韻を和す。瓶に山茶と柳枝を挿す
 墨水消残雪 桜花憶昨年 宝珠兼翠柳 春在一缾辺」
南畝集19
漢詩番号3991
⑤346文化12年
1815/02/
「九月望の夜、西来庵に過る 墨水秋風度荻芦 一行群雁塔標孤 春遊昨日花安在 曲岸巑岏古木株」
「又 沙村相送出柴扉 酔裏飄々興欲飛 秋水一条寒月白 軽舟独載素娥帰」
南畝集19
漢詩番号4220-1
⑤407文化13年
1816/09/
さかや
酒屋 (酒楼)
「(十五夜)塩岸の酒楼に飲す
 欲飲黄公壚上酒 酔郷逃席無何有 莫将少婦三絃歌 不及詞人八叉手」
〈「黄公壚」は竹林の七賢が通った居酒屋。「無何有」は無為自然〉
南畝集18
漢詩番号3810
⑤292文化10年
1813/08/15
「羊日、諸酒伴と同じく城東塩岸の酒楼に飲す
 不逢羊日吮羊毫 酒伴歌児発興豪 書庫寧誇千巻富 旗亭須倚五重高」
〈「黄公壚」は竹林の七賢が通った居酒屋。「無何有」は無為自然〉
南畝集18
漢詩番号3852
⑤303文化11年
1814/01/04
「三日、城東の酒楼に飲す。五首
 麗日将臨曲水流 還遭悪客枉勾留 飄然辜負群賢約 飛上春風一酒楼」
「其の二 裙屐相逢狭路間 携来黄髪伴朱顔 不知柳市南頭館 疑入桃源上巳山」
「其の三 紅粧翠黛共成輪 看我含毫溌墨新 健筆一揮酬満坐 深盃百罰為佳人」
「其の四 寛延初年是誕辰 惟上惟巳暮之春 昨游如夢諸名士 何限蘭亭洛水浜」
「其の五 炙鰻調羹更勧盃 一簾疎雨送軽雷 光陰百代如過客 伝馬街頭尽酔回」
南畝集19
漢詩番号4000-4
⑤348文化12年
1815/03/03
さくらい
桜井
「芳町桜井といふ酒楼にて 正つらのやうにむす子に酒のめと教のこさん桜井の宿」放歌集
②195文化9年
1812/05/
さんけんや
三間屋 (品川)
「品川の三間屋に宴す 三間茅屋俯煙波 少婦鳴筝一酔歌 日日相迎来応客 不知嬌態為誰多」
〈石州に還る葆東生との送別か〉
南畝集5
漢詩番号0976
③334天明1年
1781/06/
「春日、品川三間屋に宴す 茅屋三間大海浜 千帆風色入看新 春涛忽瀉盃中物 応為吾曹洗世塵」南畝集6
漢詩番号1066
③368天明2年
1782/02/15
「土山沾之及び流霞夫人と同に、海に遵(ソヒ)て品川に遊び、三間亭に宴す。嘉十・菅江・田阿も亦た焉(コレ)に与(シタガ)ふ」三春行楽記⑧42
「二月十五日、品川三間屋に宴す
 二月の涅槃大仏の前 三間の茶屋品川の辺 安房と上総と看々相ひ近し 吹き送る春風帆掛船」
壇那山人藝舎集①472