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   名物編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔名物編〕   大田南畝関係
     (動物・植物・食物・器物・鉱物等)
  【す】※◯は欠字、◎は表示不能文字
名物詞書・詩歌出典巻・頁年月日
すいか
西瓜
「西瓜立売【六月十四日、馬喰町会】
 あんどうのあけを奪へるなまなれの西瓜にだれも腹をたちうり」
巴人集②411天明3年
1783/06/14
「真桑瓜と西瓜とひちつさらにもりたるを見侍りて
 砂村のゑにしの瓜と鳴子瓜ともにもらさぬ水くはしの中」
巴人集②412天明3年
1783/06/
「西瓜 いつはりのなき世なりせばもとなりの西瓜の皮に穴はあけまじ」
〈『蜀山百首』①309『清好帖』⑳361にも所収〉
細推物理
六々集
万紫千紅
⑧375
②228
①280
享和3年
1803/06/19
すいせん
水仙
「二月の水仙花 伏櫪雄心泣暮年 春光不至小陽泉 峭寒殊為貧家甚 二月中旬見水仙」南畝集16
漢詩番号3021
⑤58文化4年
1807/02/
すがわらでんじゅ
てならいかがみ
菅原伝授手習鑑
「菅丞相太宰の帥に左遷すと聞いて遙かに此の寄有り
 桜花落ち尽くして女房啼く 聞道(キクナラ)く松王忠義斉し
 我菅原を読んで伝授を受く 風に随つて直ちに梅花の西に到らん

 桜花落尽とは桜丸はらきりの事。松王いはく、女房よろこべせがれはおやくにたつたはやいと云々。これ忠義のしるしなり。梅花は梅王が事。くはしくは「菅原伝授手習鑑」にみへたり」
通詩選諺解①486天明7年刊
1787/01/
「菅原伝授の狂言大あたりなりときゝて 中村座
 人の目はくもらぬ天下一面の菅原伝授手ならゐかゞみ」
「観戯場 本院時平車上乗 梅桜忠義向松凝 讒言一入筏沈浪 斎世親王菅相丞」
放歌集
千紅万紫
②160
②162
①241
文化8年
1811/07/
すごろく
双六(道中双六)
「双六を振る  重井
 大津一望禁庭の秋 日(ヒビ)に見る子供簺上に遊ぶことを
 聞道(キクナラク)島田渡るべからず 心洪水に随つて共に悠悠」
通詩選諺解①482天明7年刊
1787/01/
すすき
「薄 花すすきほゝゑみたてる秋の野にめでたい事をまねくとぞみる」めでた百首夷歌①77天明3年刊
1783/01/
「薄 一もとの薄を秋はほにあげて十分にいるむさしのゝうみ」巴人集②460未詳
寛政10年?
すずみだい
涼み台
「涼棚
 一双香閣一孤城 独上涼棚四望明 雨歇紫煙凝黛色 雲飛素月変陰晴 已無北海開樽客 徒有西山拄笏情
 近市人家如櫛比 遥々街鼓報初更」
南畝集12
漢詩番号2019
④179享和1年
1801/06/
「涼棚の晩眺  (詩なし)
 其の二  (詩なし)
南畝集12
漢詩番号2040-1
④184享和1年
1801/07/
すずむし
鈴虫
「秋部 虫 秋の野の千くさはやんもしら露のふつて出たる鈴虫のこえ」巴人集
徳和歌後万載集
②425
①9
天明3年
1783/
すずめ
「雀どのおやどはどこかしらねどもちよつちよと御坐れささの相手に」
〈『千紅万紫』①232『あやめ草』②65は画賛「竹に雀の画に」〉
蜀山百首
清好帖
①313
⑳384
文化15年
1818/01/
すばしり
鯔魚(いな・ぼら)
「鯔魚 みな人のいなとはいはぬすばしりの名よしの名こそめでたかりけれ」あやめ草②75文化7年
1810/06/
すみだがわ
なかくみ
墨田川中汲
「老のめざめに埋火をかきおこせしに、炭はくろうなりぬ。 かたへにあるすみだ川中汲といふ酒をくみて暁の寒をふせぐ
 あかつきにきえしすびつのすみだ川いざかたぶけん腹の中汲」
「夜ふけてみればすみだ川中くみの酒と思ひしは、山川白酒のおどみてうすくなりたるなり
 山川のをどみて底にすみだ川中くみならぬ色の白酒」
紅梅集②323文化15年
1818/01/
「炭竈 朝夕の烟はかくと角大のしるしもしるき熊野炭がま」狂歌才蔵集①43天明7年刊
1787/01/
すみび
炭火
「寄火入恋 きゆるまで思ひ入てもあふ事は猶かた炭のいけるかひなし」をみなへし
万載狂歌集
②7
①14
未詳
天明3年刊
1783/01/
すみれ
「菫 いつまでもめでたき御代にすみれ草色よき花の江戸の紫」めでた百首夷歌①74天明3年刊
1783/01/
すやま「この比鴻の池の酒屋より、すやまといへる印の酒を贈れるが、此ほどの病に酒をいましめけるに、十五夜なれば
 一樽のす山の酒はありながらよん所なくもちの月影
 面白くなき秋なれや雨雲の空に月なく腹に酒なし」
紅梅集②350文政1年
1818/08/15
すりこぎ
摺り子木
「すり小木のことば
 もろこし杭州の人は、日ごとに三十丈の擂槌(スリコギ)をくふといへり、いはんや万国の都にすぐれたる大江戸の百万戸、二百六十余の公侯、八万騎の士大夫、二千余町の市町、寺社倡優の数をしらず。一日に何万丈のすり小木をくはんとおもふも、令の江戸自慢にして、豆腐を秤にかけてくふ、祇園守の紋つけたる上方者などは、駄味噌を上るとわらふなるべし
 すり小木のれん木も同じ山椒みそ伊勢すり鉢に備前摺鉢」
放歌集
千紅万紫
①248文化8年
1811/10/