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   名物編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔名物編〕   大田南畝関係
     (動物・植物・食物・器物・鉱物等)
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名物詞書・詩歌出典巻・頁年月日

「即事 炎暉逐影府中回 雲欲成奇雨不来 晩向涼風纔展箪 耳辺髣髴衆蚊雷」南畝集16
漢詩番号2908
⑤23文化3年
1806/06/

「飛蛾 豈是食名利 亦非耽食色 求明不得明 払燭死何逼」南畝集15
漢詩番号2722
④398文化2年
1805/08/
かいざいく
貝細工
「貝細工 浅草今年貝細工 今年却勝去年篭 石舟井上与看造 三子揚名山郭公」巴人集拾遺②497文政3年
1820/
かいどう
海棠
「海棠
 蓬莱宮裏幾回春 海外名花入夢新 応是真妃眠未覚 朱顔悩殺酔中人」
牛門四友集⑥11明和4年刊
1767/
「海棠 雲霧簇々聚瓊英 満臉通紅睡不軽 百罰盃深金谷酒 千花名擅錦官城」南畝集18
漢詩番号3643
⑤244文化9年
1812/06/
かえで
「楓 暁霜初下満林紅 不復青々昨日楓 逢此秋冬緒風変 臨淵頻羨一漁翁」南畝集18
漢詩番号3819
⑤295文化10年
1813/10/
かおみせ
顔見世
 顔見世 (別資料)
かがかさ
加賀笠
「題しらず 加賀笠の浮世小路になれなれてきぬる人とはたれかわかなや」あやめ草②78文化7年
1810/07/
かがみ
「新たに古鏡を磨く
 鏡面浮塵已委牀 新将払拭試清光 風前一洗楊妃垢 月底重聞桂子香 百錬鋳来如白水 善銅生処似丹陽
 左竜右虎開雲霧 依旧宛然満四房」
南畝集13
漢詩番号2146
④220享和2年
1802/06/
かがみだる
鏡樽
「食肴飲酒曲肱而枕之。楽亦在其中矣 てる月の鏡をぬいて樽枕雪もこんこん花もさけさけ」をみなへし②18天明6年
1786/02/
かきつばた
杜若
「杜若 かきつばたむかしはいせの物語今はめでたくひらく三河記」めでた百首夷歌①74天明3年刊
1783/01/
「杜若 あやめ草にたるようでもかきつばたかほよき花の江戸の紫」あやめ草②102文政5年
1822/04/
かくべいじし
角兵獅子
「坊様(ボウサン)  真元気
 北越山中角兵を列す 饅頭煎餅羊羮に対す
 庭中七尺(シツセキ)蜻蛉返(トンバウカヘリ) 門外唯(タダ)聞く太鼓の声」
通詩選諺解①481天明7年刊
1787/01/
かぐら
神楽
「神楽 神楽笛ひうやらやんやらめでたいこうつたてんしやう太神の前」めでた百首夷歌①80天明3年
1783/01/
「神楽 姉様の岩戸這入に親類の惣より合てあかす夜神楽」巴人集②461寛政10年?
1798?
かございく
籠細工(見世物)
「浅草寺に籠細工のみせものあり。浪花より来るといふ
 観音のかごめかごめのかございく朝もつるつるはいる見物
 二十間茶屋藤わらの留成のもとより駕籠にて大川はしの舟までゆくとて
 これも又篭細工也浪花からあづまばしまで二十軒茶屋」
「浅草の籠細工のみせものにぎはしときゝて
 灯篭も俄をもみん浅草の籠の細工を籠ぬけにして
 〔欄外。屋代弘賢 鳥けもの竹にてくみし花がたみめならふ人のほめざるはなし」「此ほど浅草にて浪華の匠がつくれる籠細工の見せ物の大に利を得るときゝて、江戸のまけじだましゐに、大きなる酒顛童子の形を籠に造り両国橋のこなたにてみするとて、江戸の花といへる挑灯など出しときゝて
 なには津のあしかるべきを江戸のはな高しときくは木戸の札銭
 なには津のあしかるべきを江戸のはな高しときくは木戸の札銭」

「籠細工 聞道浪華篭細工 開場浅草本堂東 鳳凰孔雀麒麟出 牛馬山家猪鹿同
      関羽周倉横偃月 豊干猛虎嘯長風 直過矢大臣門前 不拝観音多素通」

〈浪華の籠細工師は一田正太郎。両国は江戸亀井町笊かご師の細工の由。『武江年表』文政2年の項参照。『巴人集拾遺』は狂詩のみ〉
紅梅集
巴人集拾遺
②372~5
②496
文政2年
1819/07~09/
かさ
「寄傘恋 からかさのゑにしはあれな年月をふるほねかひの手にわたるとも」巴人集②395天明3年
1783/03/
「傘古骨買の声をきゝて 此頃の天気のよきにからかさのふるほねかひて雨やまつらん」七々集②283文化12年
1815/11/
かしせき
華子石
「華子石に題す
 聞説一拳石 出於芳野山 霞明陰壑外 苔厚緑渓間 天劃何為爾 人工不更刪 半辺如玉白 応是瀉潺湲」
南畝集7
漢詩番号1408
③487天明8年
1788/01/
かすがやま
春日山(古盃)
「春日山の古盃を詠ず【純父の贈る所。云ふ、是れ不識院謙信君の時の旧製なりと】
 英雄桴鼓老軍門 春日山高古塁存 旧物長伝一朱椀 曾傾北海瀉中原」
〔欄外。余家亦得此盃、今転贈大窪天民〕〈余とは南畝か。今とは何時か不明だが大窪天民に贈ったという〉
南畝集16
漢詩番号3020
⑤58文化4年
1807/02/
かすみ
「夕霞
 誰飄綺一端 天半雨余看 嶺帯煙光紫 林含露気丹 凝標孤立閣 散送猟帰鞍 独有仙家客 収来当夕餐」
南畝集13
漢詩番号2127
④215享和2年
1802/05/
かたな
「寄刀恋 あふ事はかたひねりなるつかの間も心ほそ身に思ひきられじ」をみなへし②6明和?
かつお
  (別資料)
かつおぶし
鰹節
「若狭の産の大かつをぶしを 若狭には小鯛ばかりと覚しがはじめてみたる大松のふし」紅梅集②372文政2年
1819/07/
かっし
甲子
「文化紀元甲子とし甲子日 大なむち神のあれにしみかしよりいくたびめぐり甲子の年」巴人集②440文化1年
1804/06/07/
かっしぎょ
葛子魚
「葛子魚 蓴鱸何足美 葛子好為軒 薑擦々蘿蔔 和醤勧緑樽」南畝集18
漢詩番号3788
⑤286文化10年
1813/05/
「三月念三初喫葛子魚 瑪瑙盤中下箸初 金齏玉膾勝江鱸 不図三月桃花水 乍送千頭葛子魚」紅梅集
南畝集20
漢詩番号4354
⑤449文化15年
1818/03/23
かとうぶし
河東節
「鯉屋藤左衛門が宿にて河東ぶし松の内を聞く
 末の代に沅湘日夜ながれてもむかしにかへれ花の江戸節」
紅梅集②372文政2年
1819/07/
「河東ぶし灸すえをかたるをきゝて 上るりのもとは江戸ぶし居ねぶりの京大坂にすえてやれ」紅梅集②313文化14年
1817/09/14
かとりしま
香とり島
「香とり島といへるきぬを贈し人に さく花の香とりの島のなつ衣春にもはるかたちまさりけり”」紅梅集②340文政1年
1818/05/
かね
「暁の鐘 湯にもなる物とは聞けどぼん悩のよごれを洗ふあきつきのかね」巴人集拾遺②474未詳
かぼちゃ
南瓜
「番南瓜 誰道邵平五色存 綿々瓜瓞自西番 黄花翠蔓南瓜種 不種青門種篳門」
〈秦の邵平が秦滅亡後長安城の青門に瓜を植えて暮らしたという故事。篳門は貧しい住居〉
南畝集20
漢詩番号4308
⑤435文化14年
1817/09/
かまど
「炭竃 くもりなき世にすみがまの夕烟めでたくのぼる位山ひと」めでた百首夷歌①80天明3年
1783/01/
がまのほ
蒲の穂
「蒲の穂の画きたるかた槍のごとくみえければ
 その時代あるかしらぬがもたせたる蒲の冠者の鎗二三本」
六々集②249文化12年
1815/08/
かみなり
「加茂のあふひのはを地紙の中にすきいれたる扇に
 此神のわけいかづちぞ有がたきあふいでも猶あふいでも猶」
〈『蜀山百首』①308『清好帖』⑳359所収。但し詞書きはなし〉
徳和歌後万載集①35天明3年刊
1783/01/
かめ
「亀 よろづ代もくむ酒亀の尾をひかん酔ては泥のごくとなるとも」
〈天明5年刊『狂言鴬蛙集』所収〉
巴人集②466天明4年
1784/
「亀 万代の池の玉藻の光をも汀の亀の甲にいたゞく」狂歌才蔵集①45天明7年
1787/01/
「亀万年友 万年とかぎれる魚も尾の長きともにひかれて億兆やへん」
〈文化9年刊『万代狂歌集』所収〉
巴人集拾遺
蜀山百首
清好帖
②478
①312
⑳386
未詳
かもめ
「かもめをみて すみだ川沖のかもめをよくみればむかしのたぼのなりにことなり」をみなへし②23文化4年?
1807/?
かや
蚊帳
「蚊屋別 かぞふればひとふたみつの秋ふけて四六のかやも七のわかれ路」巴人集②415天明3年
1783/08/
「蚊屋 世の中に置くまじ物は蚊屋の質外で利がくふ内で蚊が喰ふ」巴人集拾遺②472未詳
かやりび
蚊遣り火
「放屁百首歌の中に蚊遣火
 しづが屋のかやりをふすべこく時はぶぶとなくかのよりもつかれす」
万載狂歌集①8天明3年刊
1783/01/
「蚊遣火 にぎはへる民のかまどの蚊やり火はめでたき事のためしかやの木」めでた百首夷歌①76天明3年刊
1783/01/
からかみ
唐紙
「色唐紙をみてよめる 藤色にそめたる唐の紙みればいもが小袖のすそかとぞ思ふ」玉川余波②142文化6年
1809/03/
「和唐紙に物かけといふ人に 和唐紙にものかくことは御免酒にこはだのすしや豆腐つみいれ」放歌集
千紅万紫
②160
①245
文化8年
1811/07/
からくり
機関
「雑司谷大行院の会式に近江八景のからくりをみてけるに
 水うみの瀬田の長はし長房の珠の時さんあふみ八景」
をみなへし②51文政5年
1822/10/
からつやき
唐津焼
「ある人炭俵の中より出し茶碗を炭俵と名づく、茶碗は唐津なり
 もろこしのけものゝ炭のたはらより出し茶碗や唐津なるらん」
あやめ草②84文政4年
1821/05/
からもも
杏(あんず)
「去年のさつきかれたる杏〈からもも〉のかたはらに、その種の生たちし若木を植そゆるとて【種は新楽氏に植給し也】
 かるゝともそのの杏そのたねの若木の花や植そへて見ん」
六々集②250文化12年
1815/02/
「からもゝの花おそければ 寒けさのあまるものからからもゝのふゝみながらに十日へにけり」紅梅集②327文化15年
1818/02/
かり
 雁っk (別資料)
がりょうばい
臥竜梅
 臥竜梅 (別資料)
かるかや
刈萱
「刈萱 千日にかるともつきぬかるかやはめでたかるかや/\」めでた百首夷歌①77天明3年刊
1783/01/
かわうそ
獺祭魚
「獺祭魚 心あらば魚をもまつれはつがつを河豚汁をくふ獺のたはれお」紅梅集②352文政1年
1818/08/
かわず
  (別資料)
かわよし
川吉
「川吉といふ船やかたにて大川に出しに、此比の雨に水たかうして船すくなく花火もなし
 屋根船と思ひしものをやかた舟花火なくともままの川よし」
あやめ草
千紅万紫
②78
①237
文化7年
1810/07/
かんかんおどり
かん/\踊り
「かんかん踊
 かんかんの舳のみなとのさはぎ歌もろこし船の舟玉まつり
 かんかんの踊のしるしあらはれて五月雨もなく夕立もなし」
あやめ草②86文政4年
1821/06/
かんだいち
神田市
「神田の市 徹夜囂塵自日中 迎春節物満衚衕 請看相馬新皇廟 不譲金竜古仏宮」南畝集19
漢詩番号4117
⑤379文化12年
1815/12/
「神田市 千早振神田の市にたつか弓やたけの心の杖をこそひけ」紅梅集②357文政1年
1818/12/21
かんぶろ
燗風呂
「居風呂(スエブロ)の形したる燗風呂に
 嘉肴冷燗無極  此ちろり外へはやらじ湯加減もあるじの側に居ふろの燗」
六々集
万紫千紅
②214
①330
文化11年
1814/10/