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   名物編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌〔名物編〕   大田南畝関係
     (動物・植物・食物・器物・鉱物等)
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名物詞書・詩歌出典巻・頁年月日
いがかま
伊賀鎌(伊勢)
「追分といふ所に鎌うるものゝ家に伊賀鎌とあり。きのふ近江にては越前鎌とありしもおかしくて狂歌
 焼かまの所によりてかはる也近江に越前伊勢に伊賀かま」
小春紀行附録⑨96文化2年
1805/11/08
いけす
生け簀(永代橋)
「永代橋のもとなる生すにしたる鯔(ボラ)船にて
 お江戸にいけるかひありて永代の名よしの船のはしをとるかも」
放歌集②194文化9年
1812/05/
いご
囲碁
「碁を善するの人に贈る 時随幽澗竹 或作橘中人 不解手談趣 寧知坐隠真」南畝集8
漢詩番号1532
④14寛政1年
1789/03/
「街卒の碁を囲むを観る 撃柝抱関知阿誰 六番街上路多岐 手談不答傍人問 坐隠唯囲一局碁」
〈坐隠は囲碁と同義〉
南畝集17
漢詩番号3320
⑤147文化7年
1810/01/
いざよい
十六夜月
「十六夜月 夕霧のまよひもいまだ晴やらでいでし藤屋のいざよひの月」
〈8月13日~17日まで、高田馬場の信濃屋にて観月の宴〉
四方のあか
万載狂歌集
①129
①10
安永8年
1779/08/16/
天明3年刊
「文月十六日の月をみて ふみ月の空にいさよふ月みれば東つゝみの舟をしぞ思ふ」紅梅集②347文政1年
1818/07/16
いし
「華子石に題す
 聞説一拳石 出於芳野山 霞明陰壑外 苔厚緑渓間 天劃何為爾 人工不更刪 半辺如玉白 応是瀉潺湲」
南畝集7
漢詩番号1408
③487天明8年
1788/01/
「二月八日小集 不二石の引【石、東奥の熊子彦の贈る所】
 北方美人東奥客 贈我名山一拳石 名山何処出此奇 信夫山獄霊仙宅 三峰宛似小芙蓉 居然万里為咫尺
 茫茫宇宙一瞬中 誰代天工此開闢 峰巒奇巧自清幽 縹渺煙雲接空碧 天劃神鏤因自然 最愛日光透罅隙
 維昔北山行幸時 士峰一石侍瑶席 至今天下説盆山 千載一日伝藉藉 此石亦称不二石 未逢良時真可借
 春去秋来閑窓前 長使幽人独自適」
南畝集7
漢詩番号1410
遊娯詩草
③488
⑥488
天明8年
1788/02/08
いしょうえ
衣装絵
「衣装絵を詠ず
 模様の雛方当世の粧い 板元は住して堺町の傍(ソバ)に在り
 細工の仕上流々の事  応に人形の傀儡(デク)の坊に著せるなるべし」

〈着せ替え人形用の絵か〉
寝惚先生文集①353明和4年
1767/08/
いずみ
「泉 金銀はいづみのごとくわき出てめでたく人にくれてやり水」めでた百首夷歌①76天明3年刊
1783/01/
「竹を接いで泉を引く
 竹竿何裊々 一脈引涓々 水自雲間迸 筒臨岸下連 塵襟思洗耳 苔壁欲摩肩 夜坐兼任朝起 能令盥漱便」
南畝集18
漢詩番号3638
⑤243文化9年
1812/05/
「寄泉祝
 新川のながれを樽の口あけはくめどもつきぬ泉なるべし
 白水をながすといへる言のはの文字はすなはち泉なりけり」
七々集②258文化12年
1815/09/
いちはつ
一八の花
「一八(イチハツ)の花 うつくしき二八あまりのすがたよりこの一八の花ぞゑならぬ」をみなへし②9明和?
いちまいえ
一枚絵
「題古一枚絵 北廓大門肩上開 奥村筆力鳥居才 風流紅彩色姿絵 五町遊君各一枚」放歌集②174文化8年
1811/12/
いちまつこもん
市松小紋
「苗代【市松小紋はやりける、本名あられ、石だゝみなどゝいふかた也】
 時は今苗代の流行に田も市松の小紋とぞなる」
六々集②238文化12年
1815/05/
いぬ
「狗相乳するの詩 幷びに引 狗有り。五子を生ず。母狗乳無し。母狗生ずる所の牝にして長ぜる者、来りて乳し、各々生育するを得たり。予、柳柳州の「猫相乳するの説」に感じて、狗相乳する詩を作る
 知母不知父 素知禽獣疎 誰言無仏性 即見及豚魚 長者来相乳 飢時食不虚 五児田帖地 睡穏臥堦除」
南畝集13
漢詩番号2340
④276享和3年
1803/09/
「文月九日、去年よりかへるゑのこのうせにしかば
 ゑのこ草しぼめる根をやおほいなんやれたるかさもすてぬなさけに」
紅梅集②349文政1年
1818/07/09
いまちづき
居待ち月
十八夜
「小石川水道ばたなる佐藤氏【源之進】の池亭にて、酒くみつゝ、居まち月を賞す。園の村竹、池の水島に映じて、清光はなやかなり。橋あり。水はしる音など、上水のめいぼくなるべし
 池水の心もひろく住なして居まちの月の影ぞさやけき」
馬蘭亭・名和氏・琴成・八重川勾当などなり。何がしの氏の小女琴ひく。あるじ新そば麦調じてすゝむ
細推物理⑧389享和3年
1803/08/18
「臥待月の夜、松風ばかりやのこるらん、と声たからかにうたふをきゝて
 竹川のそのふしまちの月の夜に松風ばかりのこるらん」
紅梅集②351文政1年
1818/08/18
いまどやき
今戸焼
「猫といへる火桶を抱きて 此猫はしろがねにてはあらがねの土一升の江戸今戸焼」あやめ草②92文政4年
1821/11/
いりあいのかね
入相の鐘
「折から入相のかねをつきければ 山寺にちりしく花の小紋形注文の通入相のかね」あやめ草②68文化7年
1810/03/
いわとこう
岩戸香
「住吉町松本のもとに酒のみけるに、岩戸香といへる髪の油をひさぐ家なれば
 神代よりひらけし天の岩戸町つたへてこゝにすみよしの松」
放歌集②203文化9年
1812/10/