Top          浮世絵文献資料館    浮世絵師総覧
 
   寺社編  大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔寺社編〕    大田南畝関係
  【す】
寺社名詞書・詩歌出典巻・頁年月日
すいげつあん
水月庵
 水月庵 (別資料) (元石師)
ずいこうじ
瑞光寺 (京都)
「瑞光寺に元政上人の墓に謁す 詩なし」 〈『改元紀行』記事⑧130〉
〝細き道をたどりゆきて見れば、木立ものふりたるかげにかこひして、竹三竿たてり。前に香炉をおく。不断の香は霧なるべし。これ上人の墓也とみるに、涙もとゞまらず。あまたたびぬかづきて、たちいでながら、ふところにものせししろがね一つぶとうでゝ、庫裏なる僧にたのみ、上人の牌前に手向よといひすてゝいそぎ出れば〟
南畝集12
漢詩番号1958
④162享和1年
1801/03/10
ずいこうじ
瑞光寺 (大坂)
「余、夙に草山集・扶桑隠逸伝諸書を読み、元政上人之風を欽ふこと久し。去歳、浪華に祇役し、便道もて京師深草の里に過り、瑞光寺に入りて上人の墓に謁す。今春、浪華天満郷の瑞光寺の訓堂禅師、元政上人書する所の詩一幅を贈る。因りて其の韻を歩し、併せて以て謝し奉る。之を均しく瑞光寺なり。一は京師に在り、一は浪華に在り。教禅異なりと雖も、其の名一なり。亦奇ならずや
 曾尋妙子墓 馬鬛無為封 唯有三竿竹 空余一径蹤 黄庭誰喚鳥 彩筆自如竜 新拝禅師賜 欲酬慙不恭
 附けたり元政上人の詩「孟冬十三日、飯高の雪の朝
 陋巷人来少 柴門雪自封 庭無雀飛下 砌有犬行蹤 積素松栖鶴 圧梢竹臥竜 読書深窓坐 何必羨王恭」
「沢庵の書幅の背に題して訓堂師に寄せ、元政の詩幅を恵むを謝す
 草山詩律知元政 東海書禅記沢庵 若学黄庭白鷲事 草山東海互相参」
南畝集12
漢詩番号2100-1
④201享和2年
1802/02/
ずいしょうじ
瑞聖寺 (白金)
「臥雲禅師肩輿を以て迎へらる。途中の口号 
 銀台籃轝早相邀 先度牛門礫水橋 霧向蝦蟇原上散 塵経麹米市中消 一抹遺跡松新種 四面廻谿画可描
 莫是麻源第三谷 臥雲深処到僧寮」
【臥雲師、麻布銀台瑞聖寺の子院慈光院に居る】
「慈光院の萩花 何物衆芳宜九秋 鶏冠列立鳳仙儔 花如彩縷如瓔珞 始信和歌詠紫萩」
 【本邦、古へ萩を称して芳宜花と曰ふ】
南畝集17
漢詩番号3393・4
⑤170文化7年
1810/08/
「雲林庵【白金の紫雲山瑞祥寺、慈光院の後に在り】
 投老紛々簿領間 逃塵半日入禅関 吏情不識雲林事 又有人生若此閑」
南畝集18
漢詩番号3754
⑤276文化10年
1813/02/
すぎのもりいなり
杉森稲荷
(新材木町)
「下町稲荷社三十三番御詠歌 五番 新材木町 杉森いなり
 寄進する新材木は神垣にいのるしるしの杉の森かな」
 六番  同所
 一つならず又ふたもとの杉の森いなりにみるは初瀬川かな
序跋等拾遺⑱574安永3年
1774/02/11
すさきべんてん
洲崎弁天
「洲崎天女宮
 神女洲頭廟 何年此寄蹤 淼茫天似水 髣髴玉為容 積翠山光澹 千帆海気重 中川晴且近 歴歴両三松」
南畝集6
漢詩番号1277
③439天明5年
1785/05/
すくなびこな
少彦神祠
「少彦神祠に題す 少彦遺霊鎮古祠 始為医薬洪荒時 由来此地多奇草 解道神農竟不知」南畝集2
漢詩番号0318
③109安永3年
1774/11/
すけいなり
祐稲荷 (新場)
「下町稲荷社三十三番御詠歌 十六番 新場 祐いなり
 新しい新場の肴さゝぐるもけふこのしろの幸いなり」
序跋等拾遺⑱576安永3年
1774/02/11
すみよし
住吉大社 (大坂)
「墨江
 四社神祠倚一丘 蒹葭出水々悠々 青葱玉樹通幽処 宛転虹橋度浅流 畳嶂斜連兵庫走 千帆直向墨江浮
 吟眸更入煙波裏 黛色遥分淡路洲
 瑞がきのひさしくきゝし住吉の浦の見るめもわすらればこそ
 けふぞみるすみよしの郡すみよしの里の名におふ住吉の浜」
南畝集12
漢詩番号1991
蘆の若葉
④171
⑧191
享和1年
1801/04/26
「春の日の長井の浦に長ゐして、契し人をまちわびて、尾生が信にはたがへども、たちかへるとて苫やの柱に、すみの江の岸によるから来る人をまつは久しきものとしれ。これは蕪坊が歌也。享和二のとし元日すみよしに詣でけるに、蕪坊とくきて帰りけるよしをきゝて、苫屋の柱に書つけるうた
 すみよしのまつべきものをうら波の立かへりしぞしづこゝろなき」
「住吉の茶屋にて 住吉のまつべきものを浦波の立帰りしぞしづこゝろなき」
万紫千紅
巴人集
①301
②448
享和2年
1802/01/01/
「すみよしの新田ふえてとしどしにあとじさりする岸の姫松」蜀山百首
清好帖
①313
⑳384
文化15年
1818/01/
すみよし
住吉神社 (佃島)
「古謡を紀す 墨江四社前 散歩拾遺扇 愛此聚頭名 聚頭占会面」〈深川〉南畝集19
漢詩番号4305
⑤430文化14年
1817/07/16
すわみょうじん
諏訪明神社
(柴崎村)
「諏訪大明神社は弘仁二年にしづもりますときゝて
 ひろまれるひとのすめらぎ二とせにすは此神のやどり給ふか」
玉川余波②131文化6年
1809/02/21
すわじんじゃ
諏訪神社 (長崎)
「諏訪の神会
 九月神輿出閟宮 紛々百戯市西東 絳嚢誰佩茱萸女 彩服新裁総角童 重屋看棚臨曲巷 繁絃急管列歌工
 若狂終日人皆酔 応与周時八蜡同」
南畝集15
漢詩番号2746
④405文化2年
1805/09/15