◯『浮世絵の諸派』上下(原栄 弘学館書店 大正五年(1916)刊
(国立国会図書館デジタルコレクション)(上23/110コマ)
〝流派
浮世絵の源は菱川に起り、流れて鳥居・宮川の二大流となり、鳥居は西村・奥村の二流に分れ、それよ
り更に石川・鈴木・磯田の小支流と変じ、これらの支流又合して、歌川の一大流派となつたのである。
宮川も亦勝川・葛飾の二流と分れて、浮世絵界に一新流派を形つくつた。この外諸流を合してなつたは
北尾・喜多川・菊川・細田一派と京摂地方に西川・月岡の流の蜿蜒たるものがあるのを見るばかりであ
る〟