◯『無名翁随筆』〔燕石〕③311（池田義信(渓斎英泉)著・天保四年成立）
（「葛飾為一」の項）
〝于時寛政戊午の末年、爰に至り、一派の画風を立て、北斎辰政雷斗と改む【一説、北辰妙見ヲ信ズ、故
ニ北斎ト改シト云、（中略、葛飾北斎の項参照）雷斗の画名は重信ニユズル】〟
〈「寛政戊午」は十年〉
◯『増補浮世絵類考』（斎藤月岑編・天保十五年序）
（「葛飾為一」の項）
〝于時寛政戊午年一派の画風を立て北斎辰政雷斗と改む。（一説北辰妙見を信ず故に北斎と云）〔頭書
雷斗の画名は重信にゆづる〕〟
〈「寛政戊午」は十年〉
◯『浮世絵師便覧』ｐ219 飯島半十郎(虚心)著・明治二十六年(1893)刊）
〝雷斗（ﾗｲﾄ）北斎の前名〟
〈岩波文庫『葛飾北斎伝』(飯島虚心著)の校注者・鈴木重三氏は、北斎に「雷斗」の使用例はないとする〉
◯『近世文雅伝』三村竹清著（『三村竹清集六』日本書誌学大系23-(6)・青裳堂・昭和59年刊）
◇「夷曲同好筆者小伝」ｐ444（昭和六年九月十六日記）
〝雷斗 鈴木重兵衛、住本所柳川町 号柳川重信、娵北斎女、襲号雷斗、天保三年壬辰十一月廿八日没、
年四十六、葬下谷坂本宗慶寺〟