☆ 安永七年(1778)
◯『吉原細見年表』(八木敬一、丹羽謙治共編・平成八年(1996)刊)
◇吉原細見
『人来鳥』安永七年春 縦中本 蔦屋重三郎板
序「改まりました吉原細見の絵図と告初る艸帋売は則鴬のはつ声なるべし(中略)
つちのへいぬのはつ春 朋誠述」
署名「けいし画」
〈「けいし」は未詳。吉原細見を売る草双紙売の売り声を鴬の初音になぞらえた朋誠堂喜三二の序である。喜三二はこ
のあと翌安永八年春、同九年春・秋、同十年(天明元年)春・秋、天明二年春・秋、同三年秋、同四年春・五月、同
五年秋、同六年春・秋、同七年春・秋、同八年春・秋、寛政元年秋、都合八年間序を書いている。全て蔦屋重三郎板
である。なお、寛政二年の序は山東京伝に変わっている。喜三二は黄表紙も天明八年を最後に断筆している。寛政改
革の余波である〉