◯『近古浮世絵師小伝便覧』(谷口正太郎著・明治二十二年(1889)刊)
〝文化 葛飾北一
工形斎と号す、北斎に学んで、俗画を能くす、然れども彩色等は甚だ拙なし〟
◯『葛飾北斎伝』p328(飯島半十郞(虚心)著・蓬枢閣・明治二十六年(1893)刊)
(葛飾北斎の門人)
〝葛飾北一 江戸の人。工形斎と号す〟
◯『浮世絵師便覧』p206(飯島虚心著・明治二十六年刊)
〝北一(ホクイツ) 葛飾を称す、北斎門人、工形斎と号す〟
◯『浮世絵備考』(梅本塵山編 東陽堂 明治三十一年(1898)六月刊)
(国立国会図書館デジタルコレクション)(65/103コマ)
〝葛飾北一【文政元~十二年 1818-1829】工形亭と号す、為一の門弟〟
◯「集古会」第十九回 明治卅二年一月 於青柳亭(『集古会誌』明治32年6月刊)
村田幸吉出品 北一筆 布袋 森羅亭讃 一幅
◯『浮世絵師伝』p169(井上和雄著・昭和六年(1931)刊)
〝北一
【生】 【歿】 【画系】北斎門人 【作画期】文化~文政
葛飾を称す、紫光斎と号す、戴斗風の肉筆美人画あり。一に別号を工形斎ともいひしか〟
△『増訂浮世絵』p241(藤懸静也著・雄山閣・昭和二十一年(1946)刊)
〝北一
江戸の人、工形斎又は紫光斎と号し、画名として葛飾の名乗る。北斎晩年の画風を享け、美人の襦袢の
縮緬などに皺の寄りたるを殊に誇張してかいてゐる。絹本著色の遊女三幅対があるが、北一の伎倆を見
るに足るものである。その内の美人対鏡図は北斎の構図に依つたものであり、相貌も北斎風で、よくそ
の晩年の法を得たものといふべきである。又紫光斎北一筆と署名した雨乞小町図がある。雲龍を以てし
た書き表装の面白い作である。版画を作らず、肉筆画に優れたのであらう〟
◯『今西コレクション名品展Ⅲ 肉筆浮世絵』熊本県立美術館 平成三年刊
53「雨乞小町図」絹本著色 落款「紫光斎 北一筆」方印〔参星共止〕