2012年4月25日 スウェーデン環境省
化学物質の適切な管理のための
2020年目標に向けた宣言


情報源:Swedish Ministry of Environment, 25 April 2012
Declaration of Intent - Towards the 2020 goal for Sound Management of Chemicals
http://www.regeringen.se/content/1/c6/19/16/32/02a84dc4.pdf

訳:安間 武/化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年4月28日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/sweden/120425_Sweden_Declaration_of_Intent.html


持続可能な開発のためのストックホルム+40に歩調を合わせて、2012年4月24日に環境大臣レナ・エク氏により宣言された。

 化学物質は今日の世界経済の中で我々の日常生活にとって重要な部分であり、持続可能な開発の3つの柱(訳注1:環境・経済・社会)全ての中で極めて重要な要素である。持続可能な開発は、化学物質がもたらす課題を管理し、機会を利用することなしに実現することはできない。従って、化学物質の適切な管理は、人間と環境に及ぼす著しい有害影響を最小にするために持続可能な開発のための解決に向けたどのようなアプローチにおいても必須である。

 2012年4月24日にストックホルムで開催された世界利害関係者会談の成果である適切な化学物質管理のための2020年目標に向けたひとつの取り組み”8年8行動”を正当に考慮しつつ、スウェーデン環境大臣である私、レナ・エクは、次の措置がとられるよう宣言する。

 2020年までに化学物質は人の健康と環境に及ぼす著しい有害影響を最小にするような方法で製造され使用されるよう、今後8年の間に下記に概要が述べられている8つの領域でさらなる取り組みを強化すること。革新はこれらの取り組みの中で重要な推進力であり、その上、さらなる行動は予防原則によって決定されるべきである。

 社会の全てのレベルで意思決定者に届ける重要な手段として、目標とされる適切な化学物質管理に関する意識向上を強化すること。その実施に当り、行動することの便益はもちろん、行動しないことにより発生するコストも理解される必要がある。

 8つの領域の実施を強化する方向に向けて取り組みを前進させること。そのようなアプローチは効率的で、首尾一貫し、調整されており、新規に出現している課題に対応する準備を含むこと。

 2020年目標に向けた実施のひとつの手段として民間分野の役割と責任を考慮しつつ、新たな戦略的パートナーシップを支援すること。しかし、国も民間分野も自分たちだけでは適切な化学物質管理の課題に取り組むことはできない。戦略的パートナーとして一緒に活動することは、課題に取り組み、化学物質が持続可能な開発の中で提供することができ、役割を果たすに違いない機会を利用するための重要なカギである。

 上記を考慮して、私は、下記の8つの領域で全ての利害関係者に更なる行動を求める。

  1. 意識向上;持続可能な開発の中でのひとつの重要な要素として、適切な化学物質管理に関する意識向上の促進に注力すること。

  2. 情報へのアクセス:社会の全てのレベルで、意思決定者に対する明確で時宜を得た適切な情報にアクセスできるよう改善する行動に注力すること。

  3. 健康面:適切な化学物質管理の健康面をさらに強化し、健康の議題に化学物質の側面を統合すること。

  4. 代替:人の健康と環境に管理できないリスクをもたらす化学物質を革新的に代替する行動に注力すること。

  5. 資源効率:廃棄物による化学物質のリスク防止を含んで、改善された廃棄物防止と廃棄物管理に向けた行動に注力すること。

  6. 開発アジェンダ(訳注2)における化学物質:適切な化学物質管理と開発アジェンダとの間の関係を強化する方向に寄与する行動に注力すること。

  7. 能力構築:課題に対応するための能力と適切な化学物質管理のための機会との相違にあるギャップを埋める方向への一貫した行動に注力すること。

  8. 国際的な環境ガバナンス:更なる協力と調整、及び化学物質と廃棄物のための資金調達への統合されたアプローチのさらなる強化に注力すること。

環境大臣 レナ・エク



訳注1:持続可能な開発の3つの柱:環境・経済・社会
訳注2:開発アジェンダ
訳注:関連情報


化学物質問題市民研究会
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