EurActiv 2010年6月3日
再生可能エネルギー機器 RoHS 対象から除外 情報源:EurActiv, 3 June 2010 Renewables win exclusion from EU toxic law http://www.euractiv.com/en/climate-environment/Renewables-win-exclusion-from-EU-toxic-law-news-494817 訳:安間 武/化学物質問題市民研究会 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2010年7月8日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/euractiv/100604_Renewables_win_RoHS.html 再生可能エネルギー分野は昨日(6月2日)、欧州議会が家電製品や電子機器中の有害化学物質の使用を抑制することを目指すEUの法律(RoHS)から風車や太陽光パネルを除外することを決定したので、上機嫌であった。 欧州議会環境委員会は、電気電子機器における特定有害物質使用制限指令(RoHS指令)に関する修正提案を採択した。 この指令は現在、家庭用電気製品に適用され、テレビからトースターやコンピュータまで全てが対象である。 この修正提案は、この指令の適用範囲を、特に除外が明記されていなければ、家電製品から全ての電子・電気機器にまで広げることを意図していた。 しかし、化石燃料産業は規制対象とならず競争力の点で有利となるこの法(RoHS)に再生エネルギー産業が対象となることについて懸念していたので、再生エネルギー装置製造者は適用範囲が広がることを心配していた。 救済 欧州議会は、再生エネルギー産業の懸念を理解し、太陽光パネルや風車のような再生可能エネルギー製品の製造に使用される化学物質はRoHS指令から除外すべきであると明確に述べた。 同指令からの除外を認められた他の製品には、大規模建設機械及び産業用ツール、及び軍事用車両と機器に使用される物質が含まれる。 同環境委員会は全ての除外対象は2014年12月までに条項見直しの対象となると述べたが、これは欧州委員会が更なる除外を提案する機会を提供するものであるとつけ加えた。 同環境委員会の投票は、もともとは家庭用製品の廃棄のために設計されていた有害物質の禁止は再生可能エネルギー分野に適用されるべきではないと主張して戦っていた太陽光発電産業への救済として行なわれた(EurActiv 22/04/10)。 将来の評価のためにリストされた物質 欧州議会はまた、現在は優先物質として制限されていないが将来、禁止の可能性あるとする前提の下に更なるレビューを行なうための多くの物質をリストした。それらにはハロゲン系難燃剤及び塩化ビニル(PVC)が含まれる。 欧州委員会は、検証のための物質を提案することができる欧州議会及びEU加盟国の支援を受けて、将来の制限のための物質評価を実施するであろうと同委員会は述べた。 環境委員会の報告書は7月の欧州議会の総会で採決にかけられる。 訳注:背景 1.当初のRoHS(DIRECTIVE 2002/95/EC)が対処とした機器 電気電子機器における特定有害物質使用制限指令(RoHS指令)2002/95/ECの紹介(抄訳) WEEE指令の付属書 IA 下記のうち、カテゴリー1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 10の電気電子機器、及び電子電球と家庭用照明器具に適用する。(8. 医療器具、9. 監視・制御装置 には適用されない)
欧州委員会はWEEEとRoHSの実施改善と官僚的形式主義の排除を目指して、WEEEとRoHSの調和を図る修正を提案したが(EurActiv 04/12/08)、多くの加盟国が反対した(EurActiv 23/10/09)。 3.スウェーデンの個別修正提案 2009年後半期のEU議長国スウェーデンがWEEEとRoHSの範囲を個別に修正し、RoHS は特に除外が規定されない限り全ての電気・電子機器に適用することを提案した。 訳注:ナノ銀とカーボンナノチューブの規制 英国王立化学会 2010年6月14日 欧州議会委員会 RoHS指令修正案を採択 ナノ銀と多層カーボンチューブを禁止 全てのナノ物質の表示義務 2020年6月2日、欧州議会(EP)環境・公衆健康・食品安全委員会は、提案された電気・電子機器中の有害物質の規制に関する指令(RoHS)の修正案を、賛成55、反対1、棄権2で承認した。同委員会は、ナノ銀と多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を Annex IV に加えることを採択したが、当初の提案にはナノ物質は含まれていなかった。事実上、ナノ銀又は多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を検出可能なレベルで含んでいるなら、上市禁止に関する閾値はない。同委員会はまた、ナノ物質を含む機器にはラベル表示を求めており、製造者は欧州委員会(EC)にナノ物質に関する安全データを提供することが求められる。同委員会は、特に除外規定がなければ、RoHSは全ての電気機器に適用することを意味する”オープンスコープ”を採択した。修正提案に関する欧州議会の採決は2010年7月に予定されている。 |