2008年G8サミットNGOフォーラム
環境ユニット【3Rイニシアティブ】

国内処理原則を実現しつつ、資源の国際循環を可能とする
新たな3Rイニシアティブを求める

化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
更新日:2009年2月27日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/G8_Summit/G8_Summit_NGO_Forum.html


2008年G8サミットNGOフォーラムについて
 2008年G8サミット NGOフォーラムは、2008年7月7日〜9日に洞爺湖で開催されるG8サミットに向けて結成されたNGOのネットワークです。環境ユニット、貧困・開発ユニット、人権・平和ユニットからなります。

 環境ユニットは、【気候変動】、【生物多様性】、【3Rイニシアティブ】の3つのイシューに取り組んでいます。当研究会は環境ユニットのサポート・グループであり、【3Rイニシアティブ】を担当しています。5月24〜26日に神戸で開催される環境大臣会合では、海外のNGOを含めてこれらのイシューに関わってきたNGOに発言の場が与えられると考えています。

 NGOフォーラム及び各ユニットの活動についてはNGOフォーラムのウェブサイトをごらんください。
 http://www.g8ngoforum.org/


当研究会の立場

 当研究会は、▼バーゼル条約関連問題▼先進国から途上国へ送り込まれる有害廃棄物や電子廃棄物の問題▼南アジアでの船舶(廃船)解体問題▼2004年8月の米シーアイランドG8サミット(米議長国)で小泉首相(当時)とブッシュ大統領が共同提案し、2005年4月の3Rイニシアティブ閣僚会合(東京)で立ち上げられ、日本政府が推進している3Rイニシアティブの問題▼日本政府が推進するアジア諸国との二国間経済連携協定の問題▼日本国内の廃棄物問題▼日本政府が推進する使用済み電子電気機器政策の分析、批判、提言、監視、等に取り組んできました。
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/basel_master.html

 これらの取り組みを通じてわかったことは、アジア諸国の市民とNGOは、日本政府をはじめとする先進国が経済的理由及び自国の廃棄物問題回避のために、廃棄物や廃棄物寸前の中古品を途上国に送り込むことに道を開く政策をとっているという強い懸念と不信を持っているということです。彼らの懸念が現実であることは、途上国に送り込まれる電子廃棄物のリサイクル現場や船舶解体現場の惨状が示しています。

 そこで、当研究会は、G8サミット NGOフォーラム/環境ユニットの中から、この ”アジア諸国の市民とNGOの懸念と不信、そして、それを裏付ける現実” を世界に伝え、先進国に対し、市場原理ではなく、環境正義 (環境と人権への配慮) に基づいた、新たな3Rイニシアティブ(廃棄物政策)を構築するパラダイム・シフトを求めていくことにしました。


発表資料
■G8神戸3R行動計画に対するNGOコメント (2008年7月17日)
 バーゼ・ルアクション・ネットワークと化学物質問題市民研究会は環境大臣会合で発表されたG8環境大臣会合2008 神戸3R行動計画に対し、下記のコメントを発表しました。行動計画については環境省のウェブにリンクを張りました。
参考資料

NGOs Urge G8 Rethink the 3R Initiative
 神戸G8環境大臣会合の直後(2008年6月26日)にバーゼ・ルアクション・ネットワークと化学物質問題市民研究会が発表した英文の声明です。

■【3Rイニシアティブ】ポジションペーパー

日本語版
【3Rイニシアティブ】ポジションペーパー:
国内処理原則を実現しつつ、資源の国際循環を可能とする新たな3Rイニシアティブを求める
英語版
Position Paper for 3R Initiative Issue
 このポジションペーパーでは、まず、アジアの途上国の市民やNGO の懸念と不信の背景、及びその現実を把握し、経済的要求よりも環境的要求を優先させるようパラダイム・シフトし、新たな3Rイニシアティブを構築すべきことを強調しました。

途上国の市民やNGO の懸念と不信の背景:

  1. 先進国から様々な有害物質を含んだ中古品や廃棄物、例えば鉛、水銀、カドミウム、臭素化難燃剤などを含んだ使用済み電子・電気機器が途上国に輸出され、途上国で危険なリサイクル作業が行われ、人の健康と環境が損なわれていること
  2. アスベスト、PCBなどを船内に大量に残したまま先進国の廃船がインド、バングラデシュ、パキスタンなどの南アジアに輸出され、劣悪な作業環境の下に最も貧しい人々が命と引き換えに船舶の解体作業を行っていること
  3. 先進国は、増大する廃棄物、最終処分場の逼迫、廃棄物が及ぼす環境問題という廃棄物問題を抱えているので、廃棄物寸前の中古品や廃棄物が途上国に流出することを厳格に規制せず、むしろ容認しているように見えること
  4. 特に日本政府が推進する3Rイニシアティブは市場経済の観点から、"物品等の国際流通に対する障壁の低減"を掲げ、"資源の国際循環"という名の下に、中古品/有害廃棄物の途上国への輸出を推進していること
  5. 日本を含む一部の先進国が、有害廃棄物の先進国から途上国への輸出を完全に禁止するバーゼル禁止修正条項に反対し、その発効阻止を図っていること
  6. さらに日本政府が推進しているアジア諸国との二国間経済連携協定の関税削減リストの中には具体的な有害廃棄物が数多く列挙されていること
洞爺湖サミット/環境大臣会合に求めること:

  1. 国内処理原則を実現しつつ、資源の国際循環を可能とする新たな3Rイニシアティブを求める。

  2. 国際条約交渉、貿易交渉、国際会議などでの議論や政策の策定について、最大限の透明性と市民やNGO の建設的な参画の機会を求める

  3. 新たなパラダイムを構築するために、先進国に次の10項目を求める。

    1. 新たな3R イニシアティブ政策には環境正義(環境及び人権への配慮)を最優先させること
    2. 廃棄物処理においては国内処理原則を実現し、途上国に廃棄物処理を肩代わりさせないこと
    3. 使用済み製品や廃船を循環資源として輸出する場合には、全ての有害物質を除去し、クリーン な資源として輸出すること
    4. バーゼル禁止修正条項を直ちに批准し、発効させること
    5. 途上国との貿易協定において、有害廃棄物は輸出しないことを明示すること
    6. 途上国が国内で発生する廃棄物を人の健康と環境を脅かさない方法で処理できるよう、リサイクル技術及びリサイクル・システムを向上させるための人的、資金的及び技術的支援をすること
    7. 先進国内のリサイクル・システムにおいて中古品と廃棄物の定義を明確にし、中古品と廃棄物の動きと量を把握できるようにすること
    8. 輸出品のHS コードは、新品、中古品、廃棄物の識別ができるようにし、中古品には輸出前性能検査を義務付けること。
    9. 廃棄物削減量の目標値を設定するなど様々な方法を通じて、廃棄物の発生を抑制し最小にすることを最優先事項とし、その実現のための方策を早急に確立すること
    10. 国民が合意する廃棄物の安全な処分技術を確立し、国内最終処分場の逼迫に対応すること

■ポジションペーパー説明資料 (パワーポイント)
■2007年2月11日 市民団体共同声明(参考資料)

 イベント
■2008年G8サミットNGOフォーラム報告会

主催:2008年G8サミットNGOフォーラム
日時:2008年7月29日(火) 18時30分?20時30分 (2時間)
場所:早稲田奉仕園 スコットホール 講堂

洞爺湖サミット報告会・NGOはG8をどう見たのか(NGOフォーラムウェブ)(2008年9月4日)
報告会議事録 (2008年9月4日)
当研究会は「G8洞爺湖サミットにおける “3R”についての評価」を発表しました。(パワーポイントPDF版


■環境大臣会合/各界代表との対話
(ラウンドテーブル)
日時:2008年5月24日(土)14:00-15:40
場所:神戸ポートピアホテル
主催:環境省
プログラム
NGO、経済界、労働組合の代表が意見発表を行いました。
NGO代表の1人リチャード・グティエレス氏(BAN-AP)は下記発表を行いました。
発表資料
・パワーポイント
 Rationalizing the 3Rs: Upholding Social and Economic Rights Towards Resource Efficient Economies
 By Richard Gutierrez, JD, Ll.M.
・発表概要
 Summary of Richard’s Presentation at the G8 Environmental Minister's Roundtable

■NGO・NPO国際シンポジウム
日時:2008年5月23日(金)10:00-18:00
場所:神戸国際会議場301会議室
主催:「NGO・NPO国際シンポジウム・交流の広場」実行委員会
構成団体:2008 年G8 サミットNGO フォーラム環境ユニット、(特)環境エネルギー政策研究所、(特)気候ネットワーク、(特)地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)、(財) ひょうご環境創造協会


チラシ/プログラム
発表資料(パワーポイント)
「NGO・NPO 国際シンポジウム」環境NGO 兵庫宣言
ピコ通信118号(2008年6月23日発行)記事

JanJan News による紹介
全体セッション3: G8 と環境
左からマニー・カロンゾ(GAIA)、ジェフリー・マックニーリー(IUCN)
サンジャイ・バシスト(TERI)、浅岡美恵(気候ネットワーク)
■Civil G8対話
日時:2008年4月23−24日
会場:京都国際交流会館
主催:2008年 G8 サミット NGOフォーラム
後援:外務省、環境省
プログラム
NGOフォーラム ウェブ:Civil G8対話の報告書が仕上がりました(2008年9月4日)
Civil G8対話報告書(日本語) PDF形式 (2008年9月4日)
Civil G8対話報告書(英語) PDF形式 (2008年9月4日)

全体セッションとワークショップ
ワークショップT- 3Rイニシアティブ発表資料
(パワーポイント)
3Rイニシアティブに関するポジションペーパーの紹介(安間武/化学物質問題市民研究会)
3Rイニシアティブ批判と有害廃棄物貿易マニー C. カロンゾ/脱焼却グローバル連合(GAIA)
ピコ通信117号(2008年5月21日発行)記事

■学習会「G8洞爺湖サミット・神戸環境大臣会合に向けて」
日時  2008年3月16日(日)17:00〜20:00
場所  兵庫県私学会館
     神戸市中央区北長狭通4丁目3-13
     地下鉄西神山手線「県庁前」、JR・阪神電車「元町」
     http://www.hyogo-shigaku.or.jp/map.html
資料代 会員:300円  一般:500円
報告1 バリ会議の結果とG8の課題
      浅岡美恵さん(気候ネットワーク代表)
報告2 有害廃棄物の輸出問題〜アジアのNGOの懸念と不信
      安間武さん(化学物質問題市民研究会)
質疑・意見交換
主催 気候ネットワーク
    Climate Action Network Japan
    2008年G8サミットNGOフォーラム環境ユニット
    環境エネルギー政策研究所(ISEP)
    地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)

■2008年G8サミットNGOフォーラム 環境ユニット 連続勉強会
日時  2月14日(木) 19:00-21:00
場所:環境パートナーシップオフィス(EPO)会議室(渋谷)
プログラム
 『途上国に行く廃棄物-今求められる3Rイニシアティブ-』
 スピーカー:安間武氏 化学物質問題市民研究会
1.プレゼンテーション
  『有害廃棄物の輸出問題 アジアのNGO の懸念と不信』
2.ビデオ上映
  『危害の輸出:アジアで処分されるハイテクごみ』
3.質疑応答


 リンク


化学物質問題市民研究会
トップページに戻る