欧州委員会プレスリリース 2008年11月19日
欧州委員会 より安全な船舶解体のための戦略 情報源:EC Press Release IP/08/1733 Brussels, 19 November 2008 Commission presents EU strategy for safer ship dismantling http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1733&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2007年12月11日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/EU/EC_081119_Press_Ship_Dismantling.html 欧州委員会は本日、古い船舶を労働者と環境にとって安全に解体するためのEU戦略を発表した(訳注1)。毎年200から600隻の大きな商船が貴重なスクラップ金属とするために解体されている。ヨーロッパで役目を終えた多くの船は南アジアの海岸で解体されている。環境保護と安全措置の欠如が、高い事故率、健康リスク、海岸地帯の広範な汚染をもたらしている。よりよい船舶解体に関する戦略の提案は、2009年5月に結論が出る予定の安全な船舶リサイクルに関する国際条約の主要部分の実施のための対策を含んでいる。それはまた船舶産業による自主的な行動と現在のEU廃船法のよりよい実施を促進するための措置を提案している。 欧州委員会環境委員スタブロス・ディマスは次のように述べた。”近年、産業側の実施方法には改善が見られるが、船舶解体の問題は深刻である。南アジアの労働者らは搾取されており、ひどい状況で働く彼らの命はリスクにさらされ、海岸地帯は汚染され、生態系は脅威にさらされている。船舶解体危機を解決する最善の策はEUと国際レベルが協力することである。我々は世界的な法的拘束力のある条約の結論が来年出ると予測しており、EUはすでにその新たな規則を支援するために動いている。本日発表された戦略は、EUと強い関係のある船舶は安全で環境的に健全な施設でのみ解体されることを確実にしなければならない”。 船舶解体問題 欧州連合内にあった船舶解体場の数はこの20年の間に大きく落ち込み、EU船籍又はEU内の会社が保有する一連の大きな商船を処理する十分な能力はEUには最早ない。 今日、船舶解体は多くがに南アジア、主にインド、バングラデシュ、パキスタンで行われている。この産業は数千の職を提供するが、健康と安全条件は劣悪である。古い船舶は、アスベスト、PCB類、大量の油など多くの危険な物質を含んでいる。 船舶解体の問題は、もっと悪くなることが予測される。より安全な二重殻(ダブルハルの)船舶への移行のため、一重殻(シングルハル)石油タンカーの解体は今後数年でピークを迎えることが予測される。約800隻のそのようなタンカーが運用廃止となることが予測される。 欧州委員会は、2006年4月に船舶解体に関するEU全域の戦略展開を開始した。2007年に、広い範囲の実行可能な措置を規定する緑書(訳注2)を発表し、パブリック・コンサルテーションにかけた。もっと最近では、欧州議会は欧州委員会及び加盟国に対し船舶解体に関して緊急の行動を起こすよう求める決議を採択した。 国際規則 国際海事機関(International Maritime Organisation (IMO)は、安全な船舶リサイクルに関する国際条約を準備中であり、それは世界的に法的強制力を持つものである。この条約は、揺りかごから墓場まで”管理と施行の包括的なシステムを提供するもので、特に船舶の調査と検定及び船舶リサイクル施設の認可に依存するものである。最終的な交渉は2009年5月に完了することになっているが、IMO条約は2015年以前に発効することは期待されていない。 提案されたEU戦略の主要な事項 EU戦略は、IMO条約が発効する前の暫定期間を含んで、可能な限り速やかに船舶解体の状況を改善するための多くの措置を提案している。それらの提案には下記を含む。
さらなる詳細: http://ec.europa.eu/environment/waste/ships/index.htm 訳注1
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