ワビン日記R
vol.13
文/飯田和敏
いいだ・かずとし
ゲーム作家。代表作だったはずの「巨人のドシン1」がランドネットDDの撤退に伴い、早くも廃盤に!でも、ゲームキューブで「復活」しましたよ!
マスターアップ直前の
ゲームキューブ版
『巨人のドシン』の制作現場から


ゲームキューブ版『巨人のドシン』のマスターアップいよいよ近しということでとても大変!! 集落に住む住民たちが作るモニュメントがこんなことを言い出します。
「X型ドルメン」
僕はふたつの巨岩を使って人間たちによって作られたモニュメントだ。もともとこの巨石は建造物の材料に使われてるみたい。材料が余ったのかなぁ? ところで、僕のこのカタチってなんだかかっこいいよね。バッテンだもん。なんかキョーレツ! 
「門型ドルメン」
俺、ドルメン。ドルメンとは巨岩を積み上げて作られた原始的な建築物のことだ。人間たちは俺をどんなつもりでこんなカタチにしたのかわからない。俺の考えを申し上げよう。2本の柱の上に乗っている巨石が、天空を表現してるのではないか。つまり、人間は自然を模倣しながら、人工的な生活環境を作り始めているんじゃないだろうか? だとすると、俺は文化的に重要な存在だ。自然からの自立の記念的な第一歩ってことだもんな。
「穴あきドルメン」
アタシ、ドルメンなんですけど〜。特徴としては、ど真ん中に穴が空いていることなのよー! 女性信仰の現われ? なんてね。それじゃ、直球過ぎか。でも、アタシの穴をくぐると、子宝に恵まれるっていうのが島中の噂になってるみたいよ。島のあちらこちらから、アタシの穴をくぐりにくる人たちが大勢いるんだもん。アタシ自身にはそんな力はまったく無いのにね〜。迷信よ! め・い・し・ん。人間って面白いわ〜。
「柱型ドルメン」
ワタシは球体の岩とそれを支える土台からなるドルメンなのです。時々、土台がぐらぐらと揺れて球体が落っこちそうになるけど、それは大変にマズいと思うので、一生懸命ふんばっているのです。いつもです。人間たちが下敷きになってしまっては申し訳ありませんからね。
モニュメントは全部で32種類。いろんなことを言います。以上、マスターアップ直前のテレビゲーム制作現場から中継でした。もう言葉も出ないほど慌しいって!
●『ゲーム批評』の連載を引っ越してきてもらいました。ゲーム作家の日常はいろんな発見に満ちてます。
戻る

次へ