オオタカ

那須野が原一帯に君臨するオオタカは、他を寄せつけない孤高の風格を備えています。精悍で美しいオオタカの雄姿は、見る者を圧倒し魅了します。那須野が原の様々な林での生きる姿を追ってみました。

松林 雑木林 更新(2023年5月21日)

オオタカ(♂) 2010.04.18
林の中ではオオタカが繁殖の準備にとりかかっているようです。メスは巣にこもり、産卵の準備を始めました。こちらのオスも日向ぼっこしながら、近くで見張り番です。目が合うと、鋭く睨まれました。
 那須野が原には数多くのオオタカ(全長約50〜60p、翼長約105〜125p)が生息・繁殖しています。オオタカは深山幽谷の鳥ではなく、平地林(主に松林や雑木林)の鳥なので、案外私達の身近に息づいています。
 この番(つがい)も、人家から100mほどしか離れていないモミの木に巣を作っていました。那須野が原のオオタカは、2月に巣作りを始め、4月初旬に卵を産み、5月から6月にかけて子育てをします。7月にはヒナは巣立ちますが、秋口まで親と一緒にいるようです。写真は4月下旬、抱卵しているメスにオスが餌となるムクドリを差し出した場面です。抱卵中のメスは狩りをせず、もっぱらオスが運んでくる餌に頼ります。オスは直接巣に運び込まず、近くの木の枝にとまり、鳴いてメスを呼び出し、餌を渡すのです。
 この写真を撮った時、ムクドリは血だらけでしたが、まだ生きていて、嘴が動いていました。容赦なくオオタカが爪を立て嘴を突き刺すのを目にすると、生きていくことの非情さを感じてしまいます。

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