30.432MHz 15eleエレメント位相式クロス八木の製作例     de JA1CPA/中村   2015/1/25
     まだ、変更が有るかも!  さらなる改善、改悪?をしています!        目次に戻る       工事中
 作る場合は、下記↓を参考にしてください。
 
435MHz 14エレ・エレメント位相式クロスアンテナの製作例(ロングブーム)


ここから下に記載のアンテナは、再現性が有るかどうか不明です。

このアンテナは、再現性が少し不安定なので、他のアンテナを検討しています。  2015/1/29
特に、ラジエーター部の半田付け、組み付け、調整、ハイパワー等に問題が有ります。再検討中です。

一応、このタイプのエレメント位相式クロス・アンテナを電測でゲインを測りました。ほぼシミュレーション値に近い値が得
られましたが!、もう少しアップしたい。詳細はここに・・・(ただし、電波暗室ではないので正確では有りません)


 
☆ このエレメント位相式クロスアンテナの考察 2015/2/12
このアンテナは、マッチングケーブル、円偏波のための位相ケーブル等を使わずに円偏波アンテナにして、50Ω同軸ケーブ
ルを直接接続できる欲張ったアンテナです。
そのためも有って、各部の寸法誤差が特性に大きく影響します。
特にラジエーター回りの製作精度が影響して『調整』をしないと必要なSWR等を得ることができません。
その調整も八木アンテナと比べると難しく、シミュレーションでラジエーターの長さを算出して可変しないと、必要な特性を得る
事は難しいと思います。
MMANAとAA-1000を、ある程度使いこなせることが必要です。
従って、『誰でも、作れば、性能が出る』アンテナではありません。

難しく困難に挑戦したい人は、作ってみて下さい。

☆アンテナの作製ストーリー
MMANAでシミュレーション
アンテナを作るAA-1000で測定シミュレーションと実際の違いを修正するシミュレーション
アンテナを修正(調整)AA-1000で測定完成
特に『シミュレーションと実際の違いを修正するシミュレーション』が重要で、シミュレーションで何処をどの様に修正するかを、
あらかじめ算出しておかないと、屋外で「試行錯誤して調整」するのは困難です。



検討中の概要・・・・・・・・↓   2015/1/29  
電測結果を追加しました。   
2015/2/4            

435MHz 14エレメントの検討(ロングブーム)シミュレーション  ゲイン16.32dBi  2015/2/6 
           ★ 作 り ま し た   2015/2/8
           ★ 調 整 し ま し た 2015/2/11
            ☆ 電 測 し ま し た 2015/2/12


432MHz 15eleエレメント位相式クロス八木の製作例
このアンテナは、クロスするラジエーターの水平と垂直エレメントの長さを変えて、水平エレメントを共振周波数より長くして
誘導性にし、垂直エレメントを共振周波数より短くして容量性にして、90°近い位相を作り、誘導性と容量性をほぼ同じに
して目的の周波数で共振させて円偏波にし、クロスする部分のインピーダンスを50Ωにするアンテナです。
この事によって、マッチングケーブル、円偏波のための位相ケーブル等を使わずに円偏波アンテナにして、50Ω同軸ケー
ブルを直接接続できる欲張ったアンテナです。
なお、作ったアンテナの特性は、SWR、インピーダンスぐらいしか測定していません。(別途電測をしています)
特に、このエレメント位相式は未知のアンテナで、シミュレーション通りのゲインや円偏波になっているかが確認出来ていま
せん。 また、この種のアンテナは数本しか作って居ないので再現性についても未知の部分が有ります。
シミュレーションは、MMANAを使いましたが、製作したらインピーダンスがシミュレーション通りでは有りませんでした。
そのために、調整によって修正しています。
このアンテナを追試して頂いて性能等(使用実績等)で確認して頂き、結果についてご連絡頂けるとありがたいと思います。
なお、この作製例は耐久性については十分に考慮していません。(1~5年ぐらいは使えると思いますが)
このエレメント位相式アンテナの最初の案と2バンドダイポールに応用した例を、ここに掲載しています。
(エレメント位相式は、当局が勝手に付けたもので正式名称ではありません)

φ4エレメントがA5052Bで硬いので、ぶつかっても曲がること
は無い。






1.シミュレーションによるデータ(MMANAによる)

 MMANA使用

                                           ↑ 上グラフ:R(Ω)、下グラフ:jX(Ω)

                         垂直偏波と水平偏波   軸比:5dB    ↑ アンテナを垂直にして80°の断面

2.アンテナの各部寸法(シミュレーションによる寸法、調整前)

 Ref の後ろ側は、20mm程度で良いのですが、さらに150~200mm程度長くしておくと、測定時に塩ビパイプを差し込ん
 で上向きにできます。必要がなくなったら切ってもよい。上に向けると周囲の影響を軽減できます。
 同軸ケーブル(5D-FB)は、アンテナを調整する必要が有るので、1/2λ整数倍長(N-Pコネクター付き)にして、ラジエー
 ターに半田付けする。(現物は、5D-FBを1360mm、半田付け先端からN-P先端)


 エレメント間隔、エレメント長は、垂直、水平で異なっている部分が有ります。↑ ↑
 また、途中でエレメントが長くなったり短くなったりしています。 ↑ ↑

3.調整後の特性等

 ①シミュレーション通りの寸法で作った時のSWR1.22。(使えない事は無いが1.1以下にしたい)
 ②R44.1(Ω)、jX-0.8(Ω)だった。

 ③共振しているが、Rが低い。
 ④再度シミュレーションの結果、Rav(垂直ラジエーター)161mmを159mmに、各2mmずつ短くすると、432.0MHzで
   R64.3(Ω)、jX2.21(Ω)となり、jXは余り変わらないがRが大きく上がった。
 ⑤この159mmで測定した結果が下図(AA-1000による測定)


4.製 作
 
①材料の概要  
2015/1/28⇒検討中
  ・ラジエーター:
φ2⇒φ3検討中真ちゅう棒又は 銅棒に限る、 ・Ref,D1~D13:φ4アルミ棒(A5052B)通販、岩崎商店
  ・□15角パイプ、・□12角パイプ           
 φ3✕1m✕20本@200.-送1,000-(A5052B、1.7年前) 切賃?が高い?
                                
  φ4✕2m✕50本@200.-送1,000-(A5052B、1.5年前) 大量?だから?
  ・アクリル板⇒材料検討中(通販):5~7t✕25~30✕110 4枚
・スペーサー:廣杉計器(株) (C-420-6⇒検討中(通販)
  ・
同軸ケーブル:5D-FB-約2m、N-Pコネクター⇒検討中、 ・M3ネジ、M3タッピングネジ、φ3大W/SW⇒検討中
  ・接着剤等:アクリルラッカースプレー(クリヤー、ニッペ)、KE45W(信越シリコ-ン)amazon、セメダイン・スーパーX 等々、
   通販以外は、主にホームセンターで購入した。

 ②工具、測定器等
  ・金ノコ、平ヤスリ、半丸ヤスリ、φ4丸ヤスリ、ペーパーヤスリ、ニッパー、ラジペン、+ドライバー、ボール盤、電動ドリル、
   ドリル(φ2.1,φ2.6,φ4.0,φ6.0,等、φ8バリ取用)、 M3タップとハンドル、ポンチ、万力、鉄ハンマー、等々
  ・測定器:アンテナ・アナライザー(AA-1000)、テスター、ノギス(150mm)、(600mm)、スケール 等々、
 ③加工手順の概要
  ・・・素材の加工
  ・ラジエーター(Ra)の切断、寸法だし、半田付け面磨き、90°折り曲げ、先端面仕上げ、曲げ点を半田上げ。Rahの先
   端にマジックインクで印を付ける。(長いRaの印)
  ・φ4アルミ棒(A5052B)の油取り洗浄、
  ・Ref、D1~D13の切断、寸法だし、先端面仕上げ、スペーサー位置印付け。
  ・アクリル板の加工(切断、穴開け)
  ・同軸ケーブルにN-Pコネクターを付けて、半田付け部先端仕上げと
1/2λ✕整数倍長(作り方は下方に書きました)
  ・ブーム切断、加工、寸法けがき、φ2.6下穴空け、φ6.0穴空け、バリ取り、スペーサー通し確認及び通し加工、φ6で同
   軸ケーブル穴加工。
  ・・・組 立
  ・Refの付く□15に同軸ケーブルを通し、先端を7mm程度出す。ラジエーターを半田付けする。(印を付けたRaが一直線)
  ・同軸ケーブルとRah/Ravの半田付けが確実で、特に編組が芯線にショートして居ないことを確認する。
  ・半田付けした部分及びその下の同軸ケーブルにアクリルラッカースプレーを吹き付けて塗布する。乾燥してから2回。
  ・ラジエーターの平衡を確認してラジエーター部分を空間にさらして、芯線と編組がショートしていないか確認するために、
アナライザーでSWRを測定する。                          
SWR最低点が400MHz付近で?、SWR1.5以下になっているか確認する。
編組のヒゲが芯線にショートしていると、SWRは5以上。





  ・次に、ブームにスペーサーを通し、ブームの中心にして接着材を付ける。
  ・ブームに水平、垂直の別(H1~H4面、V1~V4面)等、D1~D13等の印(文字)を書き込んで間違いの無いようにする。
  ・特にラジエーター(Ra)の垂直、水平エレメントと他の垂直、水平エレメントを間違わないように確認する。
  ・ブームを垂直に立てて固定して、スペーサーにエレメントを通しスペーサー位置印を目安に中心を出して接着する。
   位置と水平、垂直エレメントと長さの確認をする。
  ・Refの付く□15ブームを垂直に固定して、アクリル板をラジエーターを通しながらφ4穴にM3ネジを通してブームに取り付
   ける。
  ・エレメントの付いたブームを接続して、ネジ止めしてアンテナとして仕上げる。
  ・詳細は、下記の8.製作する時の注意事項を参照してください。  
 
     
ラジエーター周辺、加工組立図 ↓↓                              2015/1/27

φ4エレメントは全てφ6スペーサーでブームから絶縁する。
注意:クロス部分でラジエーターは、垂直エレメントが短い方、水平エレメントが長い方です。
これを逆にすると共振周波数が424MHz、SWR1.5、R45(Ω)ぐらいになり調整不可能になります。
注意 2015/1/26
ラジエーターを固定するのに、アクリル板を使っていますが、加工するのに寸法精度が出ないのと強度、耐候性が弱いの
でもっと良い方法がないか検討しています。

                    削 除 2015/1/31

5.調 整(AA-1000で測定した)
 ①アンテナを上に向けて、432.0MHz±5MHzで測定しする。
 ②SWRが1.2~1.6で、R43(Ω)より低い場合は、RaV161を1mm短くし、SWRを測定する。
 ③SWRが下がって、R46(Ω)以下の場合は、RaV160をさらに0.5~1mm短くし、SWRを測定する。
 ④これでSWR1.1以下になるはず。
 ⑤なお、調整前のSWR状態が2.0以上の場合は、何処かの寸法が違っている可能性が有り、点検すること。
 ⑥Ravを最初から159mmで行っても良いが、他の条件の変動によって、Rが高い場合も有り、その場合はRavを長くする
   必要が有る。
 ⑦調整が全て終了したら、最後にラジエーターのクロス部分のアクリル板を1枚取って、EK45Wを充填し、取り外したア
   クリル板を取り付ける。EK45Wは乾燥するのに7~10日かかり、それまではSWRが多少変化する場合が有る。
 ⑧ブームから同軸ケーブルが出る所は、KE45Wを塗布して雨水が入らないようにする。
 ⑨ブームの両端に融着テープを巻いて、雨水等が入らないようにする。
 ⑩アクリル板の周囲及びブームから同軸ケーブルが出る所は、アクリルラッカースプレーを十分に吹き付けて雨水が入
  らないようにする。ブームの中に雨水が入っても問題無いと思うが。

6.測定状況


 2階のベランダから約45°ぐらい付きだして測定しました。(チョット、アクリル板部分で、たわんでいる?)
 真上に向ければ問題ないが約45°は厳しい。(ここまで耐えた!)

 風に吹かれると、アクリル板の部分が「ギシギシ」ときしむ。(限界か!。外は風が強く・・・て)2015/1/23

               削 除  2015/1/31

8.製作する時の注意事項(思いつくままに!)
1/2λ✕整数倍長の同軸ケーブルの作り方です。
 この周波数とこのアンテナの場合について記述します。目標は、1/2λ✕N倍が432MHz±1%とする。
 ①同軸ケーブルとして、5D-FBを使う。(短縮率は、関西通信は0.79程度、フジクラの-LITEは0.8程度)
 ②このアンテナをシングル又はスタックとして使う場合は、分配器及び/又はプリアンプまでの長さが有れば良い。
 ③必要長さを1.5mぐらいとします。(関西通信の5D-FB)
 ④432MHz帯の波長は、λ=300/432=0.6944m、1/2λは、0.347mとなり、短縮率0.8を掛けると0.2776mとなり、1.5mでは
   5倍(1.34m)又は6倍(1.67m) になる。ここでは6倍の 1.67mにする。1.635mが有ったのでこれを使うことにしました。
 ⑤5D-FBの1.635mの片側にN-Pコネクターを付ける。(チョット、短いかな?)
 ⑥アナライザー(AA-1000等)をRXグラフ(5)にし、freq(2)周波数を432.0MHzにレンジ(3)周波数を800MHzにします。
 ⑦同軸ケーブルの
先端をオープンのまま、(OK)を押して測定します。  
   
  ・抵抗成分(R)とリアクタンス(X)の両方ピークが1/2λ周波数です。
  ・左から6つ目のピークが1/2λの6倍です。(ほぼ中心と一致)
  ・目的の432.0MHzとほとんど一致しています。 なお画面が小さいので(R)(X)は正しくピークが表示されていません。
  ・(R)が最大で(X)が上から下の0を通過するところが、1/2λ点です。(「F」+「1」)を押すとカーソル位置を数字データで表
   示します。
  ・レンジを小さくして、その毎に中心を0通過に合わせて測定します。ほぼ431.80MHzが1/2λ6倍です。
  ・同軸ケーブル先端を10mm切って芯線を出します。(下左図)
 
                  1/2λ6倍は432.0MHzより高く 
                          433.87MHzと
      両側の(R)(X) 0クロス点は1/4λ奇数倍 ↑            ↑                       なった
・先端を10mmカットして芯線を出したら、約2MHz高くなった。(芯線を出してから10MHzぐらい低い点から切り刻む)
・432MHz±1%を目標にしたので、これで十分です。偶然1発で決まった。通常はもう少し長くして切り刻むのですが。
・短縮率を逆算すると、1.635m/6=0.2725m この時の周波数は300/433.87/2=0.3457  ∴0.2725/0.3427=0.788 となる。

                         
削 除   2015/1/31 

10.1/2λ整数倍長について       2015/1/25
このアンテナに付けた同軸ケーブルは、調整にも使う前提で、1/2λ整数倍長にしました。
ものの本によると、①「1/4λ奇数倍電気長にならなければ良い」と書いて有るものも有ります。
また、②「1/2λ整数倍電気長を使う」と書いて有るものも有ります。
何れも、その精度(たとえば1/2λ整数倍電気長±何%)とは書いて有りません。
①の場合は、1/2λに対して、かなりラフ(±50%ぐらい)に考えても良いように感じます。
では、どの程度の1/2λで良いのでしょうか?
当局の感じは?
①アンテナが、共振していて、50Ωの場合は、任意の長さ。
②アンテナが、ほぼ共振していて、ほぼ50Ωの場合は、ほぼ1/4λ奇数倍電気長
以外の長さ。
③アンテナが、かなり共振点からズレていて、かなり50Ωからズレている場合は、1/2λ整数倍電気長の長さ。
④アンテナの特性が不明な場合は、1/2λ整数倍電気長の長さ。
です。
「ほぼ」とは±10~15%以内。「かなり」は±15~20%以上
「1/2λ」は±1~2%以内。かな~と思っています。
☆要約すると、
①50Ωで共振したアンテナは任意長の同軸ケーブルで良い。
②50Ω及び共振から外れるほど、1/4λ奇数倍電気長以外から1/2λ整数倍電気長に近づけた同軸ケーブルを使う

☆従って、調整をする必要があるアンテナは、1/2λ整数倍電気長の長さの同軸ケーブルを使う。
 原則としてメーカー製アンテナは任意長。
 なお、AA-1000は、「校正」機能を使って事前に校正すれば任意長の同軸ケーブルで良いが、1本しか登録ではない。
 別の周波数や別の同軸ケーブルで校正すると、前の校正値が上書きされる。
☆アナログ式アナライザーの場合は?
ここでは、デジタル式のアンテナ・アナライザーを使いました。
これは、アンテナのSWR、インピーダンス、抵抗成分(R)及びリアクタンス(X)を誘導性(+jX)と容量性(-jX)に分けて表示
されます。
一方、アナログ式アナライザーの場合は、SWRの他はインピーダンスしか表示されません。
この場合は、同軸ケーブルを先端を開放した場合は、インピーダンス最大値が1/2λ、インピーダンス最小値が1/4λに
なります。
倍数については、最小周波数から高い周波数へ可変して順番に最大値(1/2λ)又は最小値(1/4λ)の数を数える必要
が有ります。

☆ 1/2λ、1/4λの測定値比較 
2015/2/13

①同軸ケーブル先端オープンでR,Xを測定すると、
・432.0MHzでR最大になって1/2λとなった。
・RとXがゼロクロス(376.0MHz)しているところが
 1/4λとなった。










②同軸ケーブルの先端に51Ωカーボン抵抗器
 をリードを長くして、誘導性リアクタンスにして
 測定すると。
・1/2λの432.0MHzでは、R52.1Ω、X21.0Ωとな
 った。(ほぼ真値)
・1/4λの376.0MHzでは、R42.3Ω、X-13.5Ωと
 なった。Rは低く、Xは-(容量性)になる。
③1/2λと1/4λの間は、左のグラフの様に変化
 するのが分かる。

                             

★★検討中の概要・・・・・・・
・ 2015/1/29
1.ラジエーターのクロス部分の機械的強度が弱いので、アクリル板部分を3t✕15mmのアルミフラットバーにして、ラジエー
 ターの通る部分をスペーサーで絶縁したのですが、共振周波数、SWR等が全く飛んでしまい、特性が出ませんでした。
 ・機械的強度については、リフレクターの部分を持って全重量を支えないようにする必要が有るかも知れません。
 ・クロス部周辺が金属で覆われてしまうと特性が変化して性能が出ないものと思います。

     
Ra周囲はKE-45Wを充填                左写真の状態        Ra周辺のアルミバーを取り外した 
                                        
 このグラフは Ra+Ref の特性です。 ↑
 ・
ラジエーターのクロス部分の周囲は少なくとも半径10~20mmできれば50mm以上の空間が必要なようです。
 ・その様に意味では、ラジエーター以外のエレメントを中心部分を絶縁して、□パイプに通すことが良いのか疑問が出て来
 ました。
 最近のメーカー製は、比較的大きな絶縁物でエレメントをブームから空かしています。
 昔の自作アンテナは金属ブームの中を通してエレメントとブームを一体化していましたが、この方法だと、エレメントが中心
 付近でブーム径でショートされた格好になり、エレメントが短くなります。
 経験的には、ブーム径の約70%ぐらい短縮されますが、計算の根拠が有りません。
.ラジエーターの材質について、
 今までのアンテナは、銅と真ちゅうを意識しないで使って居ましたが、真ちゅうの比抵抗が銅に比べて4倍も有り、430MHz
 帯でも影響が出そうです。
 ・従って、ラジエーターの太さ、材質を考慮したシミュレーションが必要です。(材質についてはシミュレーションできない)
     
真ちゅうが思っていたより高く認識不足でした。
これからは、ラジエーターに銅を使うようにしたいと思います。
ただし430MHz帯でどのくらい影響するかは不明。
(「作るUHFアンテナ」著:飯島進JA1NVBより)


3.アンテナゲインは、一般的にブームの長さに比例すると言われています。
 10エレメント以上になると、エレメントの増加よりもブームを長くする事が効果的かも知れません。
4.なお、EME等で使う場合は、ハイパワーに耐える必要が有ります。国内のメーカー製は50W程度が限度です。
 2本、4本なら分散されますが、マッチング不良等を考えると1本で500W以上に耐える必要が有りそうです。
 ラジエーターは、φ10ぐらいの銅パイプで同軸ケーブルも最低も8D-FBあたりが必要かも知れません。
 N型コネクターの耐電力はどの程度でしょうか?
 EMEでは接触不良などでアンテナが燃えたと聞くことが有ります。

★その後の検討状況   2015/1/31
1.前回の簡易測定でシミュレーション値が、そこそこ出ている事が確認できたので、さらに検討を加えます。
2.ブーム長を少しだけ長くして、14エレメントで検討しています。
 計算によっては、15エレよりゲインが有り円偏波も作りやすい感じです。
3.ラジエーターをφ2からφ6で検討しています。従ってクロス部の間隔と同軸ケーブルの接続寸法を計算に入れて寸
 法精度を上げることを検討中です。さらにラジエーターについては太さと材質についても考慮する必要が有りそうです。
 (ロス低減とシミュレーション精度向上、シミュレーションではφ2とφ3の差は有るが、それ以上は飽和する感じ)
4.通常の八木アンテナの場合は、同軸ケーブルの接続寸法はリアクタンスをjX=-10程度にすると良かったが、このア
 ンテナはもっと厳密にシミュレーションする必要が有るようです。
5.全てのエレメントをブームパイプを通過させずに、外側に付ける検討をしています。(少しでもロス低減、ブーム内の
 エレメントは電気的に浮いていても、ブームで囲われてシールド(電波遮蔽?)された感じかも?)
6.ラジエーター及び他のエレメントをブームから浮かすためにアクリル板以外を検討しています。(強度と特性向上)


誘電率を見ると、アクリル樹脂が以外に
高く、ABS、ポリカーボネイト等の数字は
同等以下です。(数字が小さい方が良い)
メーカー製のアンテナにはABSが使われ
ています。(第一電波、430MHz帯用10エ
レメント)
ポリカーボネイトは、粘り、強度も有り今
回の使い方で使える感じです。

材料を入手しました。


7.上記の5.についてシミュレーションしました。
 
 
左図のように垂直、水平エレメントの中心か
ら20mmずらしてブームを設定しシミュレーシ
ョンしました。
残念というか当然と言うか、インピーダンス、
リアクタンス、ゲイン、F/B比等々がかなり影響します。特にF/B比が24.5dBから16dBと激減します。
ラジエーターの長さを少し変えたら、インピーダンス、リアクタンス、ゲイン、F/B比等々が前の
状態になりましたが、円偏波軸比が4dBから約18dBとなってしまってダメでした。

又、クロスエレメント中心にブームを設定してシミュレーションしましたが、ブームの太さを変化させても特性は変わりませ
んでした。この状態はソフトが対応していない感じでした。
従って、エレメント中心がブームの中を貫通したロス等は計算できないようです。
ブームをエレメント間隔毎に区切って設定してシミュレーションすればロス計算ができるかも知れませんが!
8.ポリカーボネイト板(5t)でやって見ました。 2015/2/2

 3D-2Vを約70mmにしてN-Rを付けました。
 かなり透明に近いくアクリルより少し曇っている感じです。 
 Refの後ろから45°ぐらいで付きだしても強度は十分です。
給電部は、ほぼこれで決まりか!

 インピーダンスが低いので、エレメントを短くすれば、SWR1.2以下に出来るはずです。
 このインピーダンスは、同軸ケーブルの接続部の長さによって変化します。
 同軸ケーブルの接続部の長さが長いほどインピーダンスが低下します。(ここが長くなるほどエレメントを短くする感じ)
 あとはゲインが低下していないか、円偏波はどうかをチェックしたいと思いますが、外は寒風です。
 なお、3D-2Vが短いとは言え数百W以上に耐えるか(50Ωなら問題無いが)不安が有ります。
・電測結果  2015/2/4

測定は、0,45,90,135°を
測定して対象角度に展開
した。
実際は、いびつになってる
かも知れない。
送受アンテナ:約10m、25°



15eleXSは、ここに掲載のブーム2.044m、Ga=14.90dBi のアンテナです。(ピーク=+2.2dB=15.3dBi)軸比=2.0dB
15eleXLは、このページ掲載のブーム2.474m、Ga=15.60dBiのアンテナです。(ピーク=+3.4dB=16.5dBi)軸比=2.0dB
10eleYagiは、比較に使った第一電波の10ele、13.1dBiのアンテナです。(ピーク=0dB=13.1dBi カタログ値、基準)
シミュレーションと測定結果はほぼ一致しているが、チョット良すぎる?。 再測定します。

   つづく・・・・・・・                                目次に戻る


435MHz 14エレメントの検討(ロングブーム)シミュレーション  2015/2/6
435MHz 14エレ・エレメント位相式クロスアンテナの製作例(ロングブーム)
以下の内容は↑↑↑上に移転しました。

ブームを長くして、エレメントを1本少なくして14エレで検討しました。ラジエーターもφ4としました。





これから作りたいと思います。

クロス部分に同軸ケーブルの接続長さをシミュレーションに
入れて行った。

この分部の太さ長さはエレメント長に敏感に影響します。
0.1mm単位で影響するので、製作誤差でインピーダンス等が
大きく変わります。通常の八木アンテナ等に比べて寸法差に
対する特性の変化が大きく現れます。
Rahは、5.0~160.0なので実長は160-5=155mmとなる。
 エレメントは全てブームから絶縁すること。
ラジエーターはポリカーボネイト板で絶縁し、その他のエレメントはスペーサー:廣杉計器(株)(C-420-6)で絶縁すること。

 ☆ 作 り ま し た   2015/2/8~9                    目次に戻る
・クロス部の加工

155mmに切り込みを入れて、90°に曲げた。網線を曲げたパイプの中に入れφ3圧着端子を半田付けした。右写真下
から同軸ケーブルを差し込んで半田付けしたが、この部分が13mmぐらいと、10mm以上になってしまった。
半田付けは確り出来たが改善の余地有り。


・なかり忠実に作りましたが!       ・重量は1.2kg

   ↑ ↑ SWRシミュレーション


 N-Rコネクターで中継しました。


  ↓ 加工組立参考図


・SWR特性

 作ったままの状態です。全体にインピーダンスがやや高めです。Rah(水平ラジエーター)を少し長くすると、インピーダンス
が低くなるかと思います。
この測定は1/2λで無かった!(アンテナ給電点からN-Rコネクター部分が入っていなかった)

水平ラジエーター(Rah)を可変した時のインピーダンス等のデーター 
2015/2/9



←シミュレーション値





 ☆ 調 整 し ま し た !    2015/2/11
・準備 
アンテナは、給電点からN-Rコネクターまで5D-FBでつないでいます。

下記は、それぞれA、B、C長さの違う3種類ケーブルに給電点からN-Rコネクターまでの5D-FBで繫いでい測定したもの
です。(上左写真、Aケーブル測定中、先端はオープン、AA-1000による測定)


           ↑↑ Aケーブル            ↑↑ Bケーブル                 ↑↑ Cケーブル
Aケーブルは、ほぼ1/2λです。(435MHzに対して1.6%短い)
Bケーブルは1/2λより長く1/4λよりも短いケーブル、
Cケーブルは1/2λより短く1/4λよりも少し長いケーブルです。


・アンテナを室内に置いて、周囲環境によってインピーダンスが変わった状態で、A、B、C、のケーブルで測定した値です。
アンテナの状態は同じですが、ケーブルによって
測定値は大きく変わります。特にリアクタンスは!
ただし、SWR値はほとんど同じです。

ここでは、Aケーブルを真値とします。

・アンテナを屋外に出して、上向きにしてAケーブルで測定しました。

インピーダンスは50(Ω)になっていますが、jXが14.9(Ω)になっていて共振点か
らかなりズレています。





・アンテナ製作で最も寸法が出しにくい部分は、ラジエーターに同軸ケーブルを接続する部分で、この同軸ケーブルの芯
線と編組の長さをシミュレーションでは、長さ10mm、幅10mmとしたのですが、まだ不足していた感じです。
この長さが大きくなるとインダクタンスを挿入した状態となります。(その他の誤差も集積している模様)
このインダクタンスを想定してシミュレーションしました。
短ラジエーター(Rah)の長さを可変すると、主に抵抗成分(R)が大きく変化します。
長ラジエーター(Rav)の長さを可変すると、主にリアクタンス(Ω)が大きく変化します。

ラジエーターは160⇒160.2
インダクタンス0.00545μH
にした時に、
R50.397、jX14.877とほぼ測
定値になりました。

(これも重要)




 MMANA使用



次に、このR50.397、jX14.877をR50のままで、jX≒0にするラジエーター長を探します。(最重要)

ラジエーターを160⇒158.5
183.0⇒190.0にすれば、
R50.855、jX0.008になりまし
た。

円偏波軸比4.5dB





 MMANA使用
Ga16.31dBi、F/B23.76dB
あまり変化しない。

・ラジエーターの長さを、160⇒158.5、183.0⇒190.0にします。
160⇒158.5は、1.5mmをヤスリで削りました。(両端)
183.0⇒190.0は、7mmを左図の様に継ぎ足しました。(両端)

実長は、7mmより長く10mmにしました。

・最終的な測定結果は、下表の通りです。
193mmをもう少し長くすれば0に近くなると思います
が、160を削り過ぎて+する事になるので、これで
『良し』とします。
BケーブルはSWR最低点が低い方に移動していて
最低点のSWR1.13(433.0MHz)

測定の時は、1/2λ及び少し低い方が測定誤差が少ないかも?
R50Ω、jX0に近くなるほど、ケーブル長による測定値差は無くなります。


・測定グラフ(Aケーブルによる測定、AA-1000による測定)

            430~440MHzはSWR1.5以下                            425~445MHz


       上に向けて測定(南側の日だまりで測定)            ラジエーター部分、ポリカーボネイト板5t
                                          半田付け部分はアクリルラッカースプレーのみ


 ☆ 電 測 し ま し た   2015/2/12
この電測は、大地反射が有るので、それなりの誤差を含んでいます。



 6eleYagiからロープを引き、測定アンテナをロープの上に置いて、上下左右に動かして一番大きな電圧を得て、アッテ
ネーターを増減して読んだ。(冬は樹木に葉が無いので影響は少ないと思われる)



このアンテナのゲインは、10エレ八木アンテナ(第
一電波A430S10R)との比較で、16.3dBiとなりシミ
ュレーションと一致しました。(ホントかな~)
軸比も4dBとなりシミュレーションとほぼ同じになり
ました。(シミュレーションは4.5dB)








☆ 考 察
・電測の送受信間の傾斜が緩い(約15°)ので大地反射がかなり有ると思います。出来れば45°にしたいのですが。
シミュレーションでは、15°だと10eleが+4dB、14eleが+2.6dB、従って10eleが1.4dB多く測定されているはずです
ゲインの低いアンテナほどビームがブロードなので、下から来る大地反射を受けやすくなります。
この場合は、14eleより10eleの方がゲインが有るように測定される可能性が有ります
このアンテナは、マッチングケーブル、円偏波のための位相ケーブル等を使わずに円偏波アンテナにして、50Ω同軸ケーブ
ルを直接接続できる欲張ったアンテナです。
そのためも有ってか、各部の寸法誤差が特性に大きく影響します。
特にラジエーター回りの製作精度が影響して『調整』をしないと必要なSWR等を得ることができません。
その調整も八木アンテナと比べると難しく、シミュレーションでラジエーターの長さを算出して可変しないと、必要な特性を得る
事は難しいと思います。
MMANAとAA-1000を、ある程度使いこなせることが必要です。
従って、『誰でも、作れば、性能が出る』アンテナではありません。
難しく困難に挑戦したい人は、作ってみて下さい。

☆アンテナの作製ストーリー
MMANAでシミュレーション②アンテナを作る③AA-1000で測定④シミュレーションと実際の違いを修正するシミュレ
ーション
⑤アンテナを修正(調整)⑥AA-1000で測定⑦完成 となります。必要によっては④⑤⑥を繰り返す。 
特に『シミュレーションと実際の違いを修正するシミュレーション』が重要で、シミュレーションで何処をどの様に修正するかを、
あらかじめ算出しておかないと、屋外で「試行錯誤して調整」するのは困難です。

その様な意味では、MMANA と AA-1000 に感謝感謝です。
                  『完』                         目次に戻る