2012/4/16
アンテナ・アナライザー AA-1000 (0.1〜1000MHz) を手に入れました。
使い始めてまもなく1年です。使いすぎてN型コネクターが時々接触不良になります。 何年使えるのかな?
その機能、性能は? 画期的! 目次に戻る de JA1CPA/中村
M型コネクターは435MHz帯で使えるか?検証した。
2013/3/1
検証:アンテナのインピーダンスを測るときは同軸ケーブルを1/2λ×整数倍にする。は本当か!
SWRを測るときは同軸ケーブルの長さの条件は無いのか?
3D-2V(N型コネクター)×1.2m(83MHzで1/2λ)
先端に、1/6Wカーボン抵抗器100Ω+47pFセラミックコンデン
サーを付けてインピーダンス、リアクタンス、SWRを測定した。
周波数は、同軸ケーブル1/2λの83MHz、1/4λの41MHz、
3/4λの120MHzで測定した。さらに、AA-1000の特徴の「校正」をした場合としない場合を比較した。
表1
考察
AA-1000の校正に使った51Ωカーボン抵抗器の性能を調べて表1の右端に示した。
同軸ケーブル先端のN-Rコネクターに直接51Ωをハンダ付けして、83MHzで測定した。
Z=51.5, R=51.3, X=4.3, SWR=1.09であった。
次にN-Rコネクターに直接100Ωと47μFを直列にして、ハンダ付けして測定した。
測定周波数は、83.000MHz±60MHzで行った。ただし校正なしは中心周波数を83.001MHzとした。
1.表1の真ん中の83MHz:1/2λ欄を見ると、計算値に対して、校正有り、無し共に±15%の範囲になっていた。
2.校正有り、無しの差はほとんど無く、1/2λで測定したインピーダンス、リアクタンス、純抵抗成分、SWRはほ
ぼ正しく表示されていた。
ただし一般のアナライザーはインピーダンス表示はあるが、リアクタンスとその極性(誘導性と容量性)の識別が
出来ないものが多い。(AA-1000,AA-600等は出来る)
3.次に41MHz:1/4λ欄を見ると、計算値に対して、校正有りはすべてほぼ±15%以内であった。
校正無しのSWR以外は赤数字のように全く違った数字となって意味の無い測定結果となった。
1/4λでもSWRは大きな誤差は無かった。
4.次に120.5MHz:3/4λ欄を見ると、計算値に対して、校正有りはすべてほぼ±15%以内であった。
ただし、リアクタンスは+27%であった。
校正無しのSWR以外は赤数字のように全く違った数字となって意味の無い測定結果となった。
3/4λでもSWRは大きな誤差は無かった。
まとめ
1.アンテナのインピーダンスを測るときは同軸ケーブルを1/2λ×整数倍にするは、本当であった。
2.AA-1000の校正の機能は有効に働いていた。ただしインピーダンス関係はかなり誤差±10〜30%が有る。
3.SWRは1/2λに関係無く±10%以内であった。ただしケーブルが長くなるとその誤差は大きくなることが経験
上から感じているので別途検証する必要がある。
おまけ
AA-1000の校正機能について
我々が手に入れることができるアナライザーでは初めての機能ではないかと思います。
これは、上記のようにアンテナのインピーダンスを測るときに同軸ケーブルを1/2λ×整数倍にする必要が無く、
任意の長さの同軸ケーブルを校正機能を使えば1/2λ×整数倍で測ったのと同じ結果が得られると言う物です。
具体的な操作方法は、このホームページの取扱説明書に出ています。興味のある人は見てください。
つづく。かな?
検証:M 型コネクターは435MHzで使えるか! その2(Qマッチ) 2012/4/16
Windows7からWindows8にバージョンアップした場合は、すべてのソフトを再インストールする必要があります。
なお、パソコンを使わずにAA-1000本体だけを使う場合は関係ありません。
AA-1000外観(AA-520とほぼ同じ)
☆今まで使っていた AA-520 との比較でプラスになった主な機能は、
1.周波数範囲が 1,000MHz まで拡大した。(パソコン表示で2.6GHzまで使えるらしい)
2.リアクタンスが誘導性/容量性を区別して表示される。
3.接続はN型コネクターで変わらないが、「較正」モードで、N-M変換コネクター、同軸ケー
ブル等を経由しても修正(較正)が出来る。(N-M変換コネクターは付属品)
たとえば、435MHzなどではN-M変換コネクター経由してM型コネクターのダミーを接続す
るとSWRが0.2〜0.4悪く表示されてしまうのが「較正」して測定すれば修正される。
また、遠くにあるアンテナを同軸ケーブルを経由して測定する場合は、同軸ケーブルは必
ず電気長1/2λの整数倍の長さにしなければならなかったが、「較正」して測定すればそ
の必要が無い。
この機能は、アンテナを自作したり調整したりするのには画期的な機能で格段に楽にな
る。
4.スミスチャートの表示ができる。
5.画面がカラー及び漢字表示になった。
6.大きさは、AA-520と同じだが、重量が650gから450gに軽くなった。(落下頻度が少なくな
る?)
まだまだ有ると思いますが、全部は見ていませんので。(関心の有る所から・・・)
☆基本性能 2012/5/1
N型コネクターのダミーを「較正なし」でそのまま測定した。(ダミーは付属していない)
0.1〜1000MHz、SWR 1.0〜1.07 1GHzでSWR 1.07
M型コネクターのダミーをN-M変換コネクターを付けて測定した。 「較正」して測定した。↓
435MHz SWR 1.28(較正なし)↓ 435MHz SWR 1.00↓
「較正」はN-M変換コネクター尖端を、「開放」「短絡」「ダミー」でスキャンするだけ。
☆クロスダイポールアンテナのSWRを測定した。
周波数435MHz±25MHz N-M変換コネクター+MP-5+5D-FB
「較正」前 SWR 1.37 「較正」後 SWR 1.02
これは、N-M変換コネクターだけを付けて「較正」した。(N-M変換コネクターの誤差を修正した)
同軸ケーブルは電気長1/2λ×4、同軸ケーブルの尖端で「較正」すれは、同軸ケーブルは任意長で良いが、
この場合は同軸ケーブルはアンテナに半田付けしているので、同軸ケーブルを電気長1/2λ×4として、その
先のMP-5を、「較正」したN-M変換コネクターに差して測定した。
これでアンテナ端子にアナライザーのNコネクターを接続して測定したのと同じ状態で測定したことになり、
ほぼアンテナ直接のSWRとなる。(右上写真)(SWRの悪いアンテナが良くなるわけでは無い hi)
☆クロスダイポール+同軸ケーブル任意長+M 型中継コネクター尖端で「較正」した。
アンテナは測定時には上に上げた。 「較正」前はメッタメタ!!!
基準にした「ダミー」
BR-510(クラニシ) の
アナライザー付属品
「較正」後はN-M変換コネクター直接とほぼ同じ!(少し狭くなったかな?)
ただし、アンテナが悪ければ悪いまま表示されます。とうぜんhihi
この「較正」は、無線機ではやってくれないので435MHzではM型中継コネクターは使えない。と思う
まだ触って1日なのでこれくらいです。期待通りですね! すごい
☆日本語対応もバッチリです。 2012/4/17
取説も日本語でバッチリ 液晶画面も完全な日本語です
製品はウクライナ製のようですが、取説、画面表示は完全に日本語になっています。
この種の器機は、取り扱いが難しいところが有り、説明が完全な日本語でないと理解できないところが有りますが、
その点では、このアンテナ・アナライザーは日本製かと思わせる雰囲気があります。
ここに取扱説明書がアップして有りましたので関心の有る人は事前に見ておくと良いと思います。
☆N型コネクターの場合 2012/4/23
5D-FB/任意長(1.365m=2.5λ)にN型コネクターの場合「較正してない」
同軸ケーブルは、アンテナ(負荷)が50Ωの場合は、任意長でも良い
5D-FB+N型中継コネクター+10D-FB/任意長(6m)+N型コネクターの場合「較正してない」
ただし、10D-FB+N型コネクターは古く、ピンなどが酸化していたものをアルコールで清掃したが完全ではない物。
これでも、SWR1.2以下なので何とか使える。
☆M 型コネクターは435MHzで使えるか!(ダミー負荷) 2012/4/24
NM変換コネクター「較正済み」+MP-5 NM変換コネクター「較正済み」+MP-5+5D-FB
+5D-FB+MP-5+MN変換コネクター+ダミー。 +MP-5+M型中継コネクター+MP-5+5D-FB
435MHzでSWR 1.25 なので使える +MP-5+MN変換コネクター+ダミー。SWR2.0
435MHzでは、両端がM型コネクター各1個まではSWR 1.25以下なので使える。
途中でM型中継コネクター等で延長するとSWR 2.0以上になって使えない。
・・・・435MHzのSWR計(M型コネクター)を繋ぐと!・・・・・(ダミー負荷)
NM変換コネクター「較正済み」+MP-5+435MHz用SWR計+MP-5+5D-FB SWR計のM型コネクター↑
+MP-5+MN変換コネクター+ダミー。SWR1.25 静電容量を少なくしている↑
435MHz用SWR計を入れてもSWRは悪くならない。(当然)
メーカー製のアンテナや器機にM型コネクターを使っている場合はSWRが悪くならないように対策をしている。
らしい。
☆M 型コネクターは145MHzで使えるか
NM変換コネクター「較正してない」+MP-5+5D-FB+MP-5+M型中継コネクター+MP-5+5D-FB
+MP-5+ダミー。 SWR1.35
145MHzでは、両端がM型コネクター各1個、M型中継コネクター1個(両端M型コネクター)まで、
ま〜使えるかな。
☆M 型コネクターは50MHz(以下)では!
M型中継コネクターを2個繋いだ50MHzは、SWR 1.17
M型コネクターは、50MHz以下は問題無く使える。
☆ お ま け 1.
FT-847/435MHz受信機の受信状態のSWR。(アンテナの負荷?)
435MHzでSWR1.75(内蔵プリアンプON)
445MHzでSWR1.02(内蔵プリアンプON)
なお、測定時は約10dBmが受信機に入力されるので受信機が飽和
して正しいSWRとならないのかな?。
間違って一瞬でも送信すると、アナライザーは燃えます。(自己責任で)
受信時もSWRが悪いと信号は下がります。
受信機の外側から測ったのでアンテナの負荷になると思いますが。
(送信時は逆なので測定できない)
☆M 型コネクターは435MHzで使えるか! その2.(Qマッチ) 2012/6/2
同軸ケーブルを使ったQマッチについてチェックしました。
↑180MHz1/4λQマッチ、左端にカーボン抵抗器1/6W 50Ωが M-Rを付けた状態
付いています。
↑アナライザーN コネクターに直接付け ↑QマッチをN コネクターに直接付けた特性
たカーボン抵抗器1/6W 50Ωの特性 抵抗の特性を引くと180MHzの奇数倍でほぼSWR1.1
↑M-R コネクター(2.4pF/テフロン)を付 ↑M-R コネクター(5.6pF/茶樹脂) を付けた時の特性
けた時の特性 共振周波数も低くなる
435MHzでは、一般のM-R コネクター(茶樹脂)は使えない。M-R コネクター(テフロン)は使える。
M-R コネクター(テフロン)は、マルツパーツ館で、「V-7511K-T、M型レセプタクル」として買った。(ミリネジです)
☆「較正」の失敗で異常表示!(壊れたか!) 操作失敗例 2012/6/22
突然、「較正」した値の表示がおかしくなりました。
現象
1.N-M変換コネクターを付けて「較正」して、アンテナ等を使うと、較正した帯域全体でSWR1.0となってしまう。
一般にアンテナは周波数帯域が有るので、その帯域外はSWRが高くなります。
左は正常に「較正」された状態
右は「較正」に失敗した異常表示
左、右共に同じ負荷(アンテナ)です。
どの様な失敗をするとこのようになるのでしょう?。
2.結論は「較正」の設定の失敗でした。
較正の設定は、SWR表示で、その周波数と帯域を設定し、尖端を開放、短絡、50Ω負荷、それぞれでスキャン
するものです。
この時に、短絡したつもりが開放になっていました。従って、尖端を開放、短絡、50Ω負荷とするところを、尖端を
開放、開放、50Ω負荷、でスキャンしていました。
3.短絡が開放になった原因は?
通常は、尖端を短絡するために左写真のようにφ3圧着端子
を使っています。
左写真のときは、圧着端子のφ3尖端をコネクター穴の金属
の周囲に当てて指で押さえて短絡しています。(下写真)
←右側は中心の金属が周囲の絶縁物より高く出
ています。(添付品)
左側は中心の金属が周囲の絶縁物より低くへっこ
んでいます。
この違いで、接触しているつもりが、接触していなか
ったのです。
スキャンの表示は、開放と短絡共に無限大で同じで
区別は出来ません。
作業は確実にやりましょう。hihi(反省) 一晩寝たら原因が分かりました!
つづく 目次に戻る