2015/11/16 ↓
1. 特性の比較測定

考 察
JAMSAT 8エレ八木を水平偏波で、5m高さから斜め下の8.5m先(約30°)に送信し
て、上記の各アンテナで受信した。
ダイヤモンド製10エレ八木(カタログ値13.1dBi)を基準にして受信電圧が同一に
なるようにアッテネータを増減して、その値を記録した。
・ゲイン測定
JAMSAT 10エレ、6エレ共にほぼシミュレーション通りのゲインとなった。
6エレ、エレメント位相式 AL(円偏波)はブームがアルミパイプ、ラジエーター
絶縁がポリカーボネイト、KE45T充填品は円偏波なので直線偏波を受けると
JANSAT 6エレ比で-3dBとなるはずで有るが、-2dBとなった。
また、6エレ、エレメント位相式 VP(円偏波)はブーム及びラジエーター絶縁
が塩ビパイプであるがAL品と全く同等の-2dBとなった。
軸比が理論値-3dBより1dB良い結果となったのは、軸比が1.2dBで有り真円で無い
ことに起因しているものと推定している。(ゲインは最大点で測定している)
軸比の最小点で測定すると、ゲインは(-2)+(-1.2)=-3.2dBとなる。(理論値の-3dB
に近くなる)
ラジエーター周辺の絶縁に塩ビパイプ(フランジ)やKE45Tを使ったロスは、他の
特にアンテナと比較してほとんど無視できると思われる。
アマチュアが屋外で測定しているので±1dB以上の誤差は十分に有ると思うと
十分すぎるデータとなった。 このデータほんとかな〜!。次は大地に平行で測定したい!
・軸比測定
6エレ、エレメント位相式 AL、VP(円偏波)共に1.2dBとなった。(コメントは上記)

軸比イメージ 左はVP品 右はAL品
ダイヤモンド製10エレ八木、JAMSAT 6エレ八木は、軸比とは言わないが、水平偏
波を水平偏波と垂直偏波で測定しその差を出した。
JAMSAT 6エレ八木のシミュレーションでは、垂直偏波成分が約-33dBになってい
るが実測では-21.2dBなった。
ダイヤモンド製10エレ八木は、シミュレーション値は不明であるが実測では
-25.4dBとなった。
ダイヤモンド製10エレ八木、JAMSAT 6エレ八木共に垂直偏波成分が小さくて、
これ以上は周囲の反射等が含まれて測定誤差となっているのではないかと推定し
ている。
・なお、この測定方法は送、受信アンテナがビームアンテナの場合は、比較的周
囲(大地を含む)の影響が少なくなるようである。(さすがに-20dB以上は周囲の影
響やアンテナ位置等で誤差が大きくなると思われる)
ちなみに送信側をダイポールにすると周囲(大地を含む)の影響で、受信アンテナ
を少し動かしてもレベルが大きく変動して測定出来なくなるが、上記の場合は比
較的安定して測定できた。(アンテナ工学ハンドブックにも反射波の影響を低減
する方法として紹介されている)
・アッテネータ(自作品)

多摩川電子製アッテネータ(中古品
〜1000MHz)
URA-0110(1dB×10ステップ)を
5個、URA-002(0.2dB×5ステップ)
を1個、クラニシのアナライザー
(500MHz)添付品のダミー抵抗器
(50Ω)とマルチメーター(300円、
絶対値精度不問)の物。
内部はダイオード検波。

2011/7/1 ↓
今まで作ってきた主なアンテナのゲインを測定しました。 (随時追加変更します)
・測定条件
メーカー製アンテナ(A430S10R/ダイヤモンド)の測定値に対して、アッテネーター値を記録しました。
dBi +0.5dBi
12.55 13.1(A430S10R値のまま)
7.95 8.45
8.05 8.55
8.35 8.85
9.15 9.65
9.45 9.95
9.55 10.05
10.95 11.45
10.95 11.45
12.05 12.55
12.25 12.75
SQ:スイスクワッド CJU:CJUアンテナ(下記参照) X-Yagi:クロス八木(右旋) CQ:キュビカルクワッド 2011/7/1
21:20
・全体の考察 densokusaito
ダイヤモンド製(A430S10R) 10eleYagi (430MHz) を基準にして比較しました。
メーカー公称値 10.95dB に対して、各部の寸法を測って、MMPCで計算したら 10.61dB となりました。
10eleYagiにアッテネーターを11dB入れた電圧を基準にして、各アンテナでアッテネーターを減少し
た値をカタログ値10.95dBを−0.55dBして10.40dBから引いて測定値(赤数字)としました。アンテナ
・シミュレーション(MMPC、青数字)とほぼ一致した値となりました。(2eleHBのみ多くなった)
これによるとCJUアンテナのゲインは 6.2dB となります。基準アンテナ以外は自作品。
測状況(下図左は測定する受信側、右は送信側)
受信アンテナには直接波と大地反射波が来ます。
送信と受信アンテナが地上1.5m程度で対向している場合は、大地反射波はほぼフロント方向から
入ってきます。
そこで送信側を高くし下に向けると反射波は受信側では、かなりサイドから受信し反
射波の影響を軽減されるようです。(アンテナ工学ハンドブックにスラントレンジと) さ
らに送信アンテナにビームを使うことによって直接波が多く反射波は少なくなると思
っています。
実際の測定では、10eleや6eleのビームがシャープな受信アンテナの場合は対向した所より少し
下に向けたところでレベル最大になり、3ele以下のアンテナではビームがブロードなので対向と
少し下に向けた時の違いはありません。
基準にした10eleYagi も比較したアンテナも大地反射を受けていますので、基本的にはその差は
影響が無いことになりますが、ビームがシャープな方が大地反射の影響が少ないはずなので、
基準アンテナゲインをメーカー表示より−0.55dBしたのはその影響はブロード(低ゲイン)なアン
テナほど-0.55の影響が大きいので、この程度が妥当かなと思います。
データは、受信アンテナの仰角を上下して最大の所を記録したものです。送信側を高くしてビーム
にしたら比較的安定して受信できます。(大地反射が少ない) 送信側をダイポールでやった時は
受信アンテナを少し動かしただけでも大きくレベルが変動して(大地反射が多いから)測定しにくい
状態でした。
・電測サイト模式図


測定(受信)アンテナ部 アッテネーター部 送信アンテナ
アッテネーターは多摩川電子のURAタイプ(max:4GHz)
冬は木の葉が無いので電測に最適
CJUアンテナ

詳細は下記に
http://personales.ya.com/ea4cax/paginaea4cyq/cju/cjuingles.pdf
http://www.youtube.com/watch?v=R8R6brtvIV8
・各アンテナの考察 2011/7/2

SQ:スイスクワッド CJU:CJUアンテナ(下記参照) X-Yagi:クロス八木(右旋) CQ:キュビカルクワッド
HB9CV:位相給電を同軸ケーブルで行った modokiタイプ ブーム長は、先端ディレクターとリフレクターの距離(mm)
1.2eleは、HBが計算値より高くなってますが計算値がチョット低すぎか?。CJUは2.5eleの感じ。
2.3eleは、ゲインはほぼ同じで、ブーム長がYagiよりHBが14%短くてHFではメリットがある。
X-Yagi は、右旋円偏波ですが、送信が水平偏波なので低く出ている模様。
3.4eleは、アンテナのインピーダンスを25Ωと50Ωを作って比較しましたが差は無いようです。
4.6eleは、メーカー製の10eleに近いゲインでブームもかなり短い。
メーカー製は特にSWRを430〜440MHzまで平坦にするためにゲインを犠牲にしている模様。
5.サテライトで使う場合は、ブームを長くして帯域を狭くし、その分をゲイン最大にする計算をし
ている。
ただし、雨に濡れたときに共振点が低い方にずれて、あまり帯域が狭いとSWRが悪くなる。
・ 参 考 2011/7/4

4eleが一番効率が良い(ゲイン/ブーム長)感じです。
おわり
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