03.  自作した各種アンテナのゲイン、軸比等の実測データ   目次に戻る   

                              2011/7/1 2015/11/16  de JA1CPA/中村

下記の測定は、電波暗室等で正式に測定したわけでは無いので1〜2dB程度の誤差が含まれていると考えています。

2015/11/16 

1. 特性の比較測定

   考 察
  JAMSAT 8エレ八木を水平偏波で、5m高さから斜め下の8.5m先(約30°)に送信し
  て、上記の各アンテ
ナで受信した。
  ダイヤモンド製10エレ八木(カタログ値13.1dBi)を基準にして受信電圧が同一に
  なるようにアッテネー
タを増減して、その値を記録した。
  ・ゲイン測定
  JAMSAT 10エレ、6エレ共にほぼシミュレーション通りのゲインとなった。
  6エレ、エレメント位相式 AL(円偏波)はブームがアルミパイプ、ラジエーター
  絶縁がポリカーボネイト、
KE45T充填品は円偏波なので直線偏波を受けると
   JANSAT 6
エレ比で-3dBとなるはずで有るが、-2dBとなった。
  また、6エレ、エレメント位相式 VP(円偏波)はブーム及びラジエーター絶縁
  が塩ビパイプであるが
AL品と全く同等の-2dBとなった。
  軸比が理論値-3dBより1dB良い結果となったのは、軸比が1.2dBで有り真円で無い
  ことに起因しているものと推定している。(ゲインは最大点で測定
している)
  軸比の最小点で測定すると、ゲインは(-2)+(-1.2)=-3.2dBとなる。(理論値の-3dB
  に近くなる)

  ラジエーター周辺の絶縁に塩ビパイプ(フランジ)やKE45Tを使ったロスは、他の
  特にアンテナと比較してほとんど無視できると思われる。

  アマチュアが屋外で測定しているので±1dB以上の誤差は十分に有ると思うと
  十分すぎるデータとなった。 このデータほんとかな〜!。次は大地に平行で測定したい!
  ・軸比測定
   6エレ、エレメント位相式 ALVP(円偏波)共に1.2dBとなった。(コメントは上記)

   
          軸比イメージ         左は
VP品  右はAL品
  ダイヤモンド製10エレ八木、JAMSAT 6エレ八木は、軸比とは言わないが、水平偏
  波を水平偏波と垂直偏
波で測定しその差を出した。
  JAMSAT 6エレ八木のシミュレーションでは、垂直偏波成分が約-33dBになってい
  るが実測では
-21.2dBなった。
  ダイヤモンド製10エレ八木は、シミュレーション値は不明であるが実測では
  
-25.4dBとなった。
  ダイヤモンド製10エレ八木、JAMSAT 6エレ八木共に垂直偏波成分が小さくて、
  これ以上は周囲の反射等
が含まれて測定誤差となっているのではないかと推定し
  ている。

  ・なお、この測定方法は送、受信アンテナがビームアンテナの場合は、比較的周
  囲(大地を含む)の影響が
少なくなるようである。(さすがに-20dB以上は周囲の影
  響やアンテナ位置等で誤差が大きくなると思われる)

  ちなみに送信側をダイポールにすると周囲(大地を含む)の影響で、受信アンテナ
  を少し動かしてもレベル
が大きく変動して測定出来なくなるが、上記の場合は比
  較的安定して測定できた。(アンテナ工学ハンドブックにも
反射波の影響を低減
  する方法として紹介されている)

  ・アッテネータ(自作品)      
   
多摩川電子製アッテネータ(中古品
1000MHz
URA-0110
1dB×10ステップ)を
5
個、URA-0020.2dB×5ステップ)
1個、クラニシのアナライザー
500MHz)添付品のダミー抵抗器
50Ω)とマルチメーター(300円、
絶対値精度不問)の物。

内部はダイオード検波。






2011/7/1 ↓

 今まで作ってきた主なアンテナのゲインを測定しました。   (随時追加変更します)
・測定条件
メーカー製アンテナ(A430S10R/ダイヤモンド)の測定値に対して、アッテネーター値を記録しました。
    dBi  +0.5dBi
12.55     13.1
(A430S10R値のまま)

 7.95     8.45
 8.05    8.55
 8.35    8.85
 9.15    9.65
 9.45    9.95
 9.55    10.05
10.95     11.45
10.95    11.45
12.05    12.55
12.25    12.75

 SQ:スイスクワッド  CJU:CJUアンテナ(下記参照)  X-Yagi:クロス八木(右旋)  CQ:キュビカルクワッド   2011/7/1 21:20

・全体の考察  densokusaito
ダイヤモンド製(A430S10R) 10eleYagi (430MHz) を基準にして比較しました。
メーカー公称値 10.95dB に対して、各部の寸法を測って、MMPCで計算したら 10.61dB となりました。

10eleYagiにアッテネーターを11dB入れた電圧を基準にして、各アンテナでアッテネーターを減少し
た値をカタログ値10.95dBを−0.55dBして10.40dBから引いて測定値(赤数字)としました。アンテナ
・シミュレーション(MMPC、青数字)とほぼ一致した値となりました。(2eleHBのみ多くなった)
これによるとCJUアンテナのゲインは 6.2dB となります。
基準アンテナ以外は自作品。

測状況(下図左は測定する受信側、右は送信側)
受信アンテナには直接波と大地反射波が来ます。
送信と受信アンテナが地上1.5m程度で対向している場合は、大地反射波はほぼフロント方向から
入ってきます。
そこで送信側を高くし下に向けると反射波は受信側では、かなりサイドから受信し反
射波の影響を軽減されるようです。(アンテナ工学ハンドブックにスラントレンジと) さ
らに送信アンテナにビームを使うことによって直接波が多く反射波は少なくなると思
っています。

実際の測定では、10eleや6eleのビームがシャープな受信アンテナの場合は対向した所より少し
下に向けたところでレベル最大になり、3ele以下のアンテナではビームがブロードなので対向と
少し下に向けた時の違いはありません。
基準にした10eleYagi も比較したアンテナも大地反射を受けていますので、基本的にはその差は
影響が無いことになりますが、ビームがシャープな方が大地反射の影響が少ないはずなので、
基準アンテナゲインをメーカー表示より−0.55dBしたのはその影響はブロード(低ゲイン)なアン
テナほど-0.55の影響が大きいので、この程度が妥当かなと思います。

データは、受信アンテナの仰角を上下して最大の所を記録したものです。送信側を高くしてビーム
にしたら比較的安定して受信できます。(大地反射が少ない) 送信側をダイポールでやった時は
受信アンテナを少し動かしただけでも大きくレベルが変動して(大地反射が多いから)測定しにくい
状態でした。

・電測サイト模式図

   
 測定(受信)アンテナ部    アッテネーター部        送信アンテナ
        アッテネーターは多摩川電子のURAタイプ(max:4GHz)
 
冬は木の葉が無いので電測に最適

 CJUアンテナ

詳細は下記に

http://personales.ya.com/ea4cax/paginaea4cyq/cju/cjuingles.pdf

http://www.youtube.com/watch?v=R8R6brtvIV8


 ・各アンテナの考察                                         2011/7/2

 SQ:スイスクワッド  CJU:CJUアンテナ(下記参照)  X-Yagi:クロス八木(右旋)  CQ:キュビカルクワッド   
 HB9CV:位相給電を同軸ケーブルで行った modokiタイプ    ブーム長は、先端ディレクターとリフレクターの距離(mm)

 1.2eleは、HBが計算値より高くなってますが計算値がチョット低すぎか?。CJUは2.5eleの感じ。
 2.3eleは、ゲインはほぼ同じで、ブーム長がYagiよりHBが14%短くてHFではメリットがある。
   X-Yagi は、右旋円偏波ですが、送信が水平偏波なので低く出ている模様。
 
3.4eleは、アンテナのインピーダンスを25Ωと50Ωを作って比較しましたが差は無いようです。
 4.6eleは、メーカー製の10eleに近いゲインでブームもかなり短い。
   メーカー製は特にSWRを430〜440MHzまで平坦にするためにゲインを犠牲にしている模様。

 5.サテライトで使う場合は、ブームを長くして帯域を狭くし、その分をゲイン最大にする計算をし
   ている。
   ただし、雨に濡れたときに
共振点が低い方にずれて、あまり帯域が狭いとSWRが悪くなる。

 ・ 参 考                                           
2011/7/4

 
4eleが一番効率が良い(ゲイン/ブーム長)感じです。
       
                            
おわり  
                                                               目次に戻る 


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