建築現場


建築現場 2000年9月9日(北寝室天井羽目板貼り完了)

 

壁と天井の下地が出来上がりましたので床の工事に入ります。居間には薪ストーブを置くのでストーブ周辺の床と壁は「薪ストーブ大全」にしたがってレンガ積みによるファイヤープレイスを作りました。続いて床下地には三洋工業のホームベースを採用しましたので壁際にきわ根太を作成し、さらにセトリングを防止するためその束下にはモルタルを詰め込みました。さらに、床スラブのメイントと納戸の床下地を製作しました。ホームベースによる床下地を作る前に暖房部材等の埋め込みが必要ですので床貼りはまだ出来ません。ということで天井の羽目板貼りを先行しています。上図は北寝室の天井に檜羽目板12oを貼りウォールウォッシャーのダウンライトを埋めこん「だところです。やはり檜は良いものです。



ファイヤープレイスレンガ積み


冬、雪に閉じこめられた部屋の中で薪ストーブで暖を取るというのはなかなかロマンティックです。ファイヤープレイスは山小屋風にレンガで作ることにして、使い古したレンガを探していたのですが古レンガの方が高額で一個800円以上もします。これは残念ですがあきらめて函館のDIYショップで売っていた一個148円(300個で46,620円)のキュリオスレンガを使いました。角が削られていますので一見すると古レンガのように見えます。砂は近くの尾白内川の河川敷から掬ってきましたのでただ、セメントは25s2袋1360円でした。

2000年8月14〜22日

土台

土台はモルタル2pを敷き、水に浸したレンガをレベルを調整しながら並べる。こう書くと簡単だが実際にはかなりの重労働である。

まず、レンガを半分にカットしてはんなまを作る。ディスクグラインダーにレンガカット用の砥石を付けてなまレンガの真ん中に切り込みをいれ、ケレンで割る。この作業はほこりだらけにはなるが比較的容易だった。ついでカットしたところをハンマーでつぶし、角を取る。みゆきと共同作業で午前中一杯かかった。ついでモルタル作り。ネコ車にセメント、砂、水を入れ混ぜる作業だが人力ではかなりきつい。レンガとモルタルを1Fまで運び込み水に浸したレンガをモルタルへ押し込むようにして貼っていく。結局、同上のレンガを敷き終わるのに丸一日かかってしまった。




2000年8月14〜22日

レンガ積み途中

薪ストーブ大全によるとレンガによる壁とレンガとの間に25o以上の空間があることが炭化壁を防ぎ、熱を蓄積させないのでコンパクトなファイヤープレイスを作ることが出来るということである。なんと云っても火事は怖いので薪ストーブ大全の炉台設計条件通りに設計した。

一般にレンガを積む場合は水糸と下げ振りを基準に積んでいくのだが、小生のやり方はWBS壁との間に25oの空間を作ると云うこと考え、25o巾の角材と一段積み上げたときの仕上がり高さ巾のベニヤ板をゲージとした。すなわち、一段積み上がる毎に水平レベルを出し、コースレッドでその水平レベルをWBS壁に打ち込む。そのコースレッドに25o巾角材とベニヤを載せ、ベニヤに押しつけながらレンガを積み上げる。こうすると余分なモルタルが裏側へあふれ出すのを防ぐことも出来るし、基準として使ったコースレッドは最終的にはレンガ目地の中に埋め込まれることになり、WBS壁とレンガ壁を固定する役目も果たすことができる。

2000年8月14〜22日

ファイヤープレイスの完成

土台部分が出来上がってから2日間はモルタルの養生期間を取ったり、と、この間別な作業をしていたので実質的なレンガ積み作業はは6日間の作業であった。左の写真が赤ぽっく見えるのは水で濡れているためで乾くとすこし白っぽくなった。

最上段は壁の羽目板を貼ったあとで積み上げるのでまだ固定していない。出来上がったファイヤープレイスはかなり大きく居間の1/6を占めている。












きわ根太

床下地にはフリーフロアーとかホームベースという商品名で発売されているナイロンボルトとパーティクルボードの組み合わせで床レベルが調整可能な方式を採用することにしました。各メーカの製品を調査したところ似たり寄ったりです。結局、三洋工業のホームベースが一番安く手に入りましたので、これを採用しました。きわ根太はパーティクルボードを載せるための基準となる構造です。WBSの土台を決めるときにレベル出しをしているのですが合板を貼ってしまったので分かりません。ということでレーザーを使った水準器をお隣の高橋さん(函館で建築設計をやっています)から拝借し、もう一度取り直しました。きわ根太を支える束の下にはセトリング防止のためモルタルを入れました。

8月23〜8月29日

きわ根太の基準レベル

高橋さんから借りた水準器は写真の本体でレーザー光が回転する鏡から発射され、それをバカ棒に取り付けた受信機で受信し、レベルを出す優れものだ。バカ棒をレベル出しのポイントへ運び、上下させて基準レベルを出すのだが...まず、当然の事として可視範囲でしか機能しない。もう部屋壁が出来上がっているので一番見通しのよいところで各部屋の基準をおさえ、本体を移動させて各部屋のレベルを出しす。ドアのところで二つの部屋の基準が合えば良いのだが、なかなか難しい。受信機の音量がものすごく大きく、しかも調整不能だ。誤差が出るたびにやり直しを繰り返し、丸一日かけて一応すべての部屋のレベル出しを終了したときは、いつになく精神的疲労困憊の状態だった。

8月23〜8月29日

きわ根太と床下遮断パネル

きわ根太は30x45角の松材で、それを支える束も同材で作った。フロアーレベルがWBS土台基準から132o高である。フローリング、下貼り合板、パーティクルボードの厚さをマイナスしてきわ根太のレベルは91o、束高は60oとした。

この家では床下も各部屋毎に独立した空間としている。床下に導入する暖房新鮮空気を各部屋毎にコントロールするためである。このため入り口のきわ根太下に合板をはり床下空気遮断を図った。




8月23〜8月29日

束下モルタル詰め

束下と遮断パネル下にはモルタルを詰めセトリング防止と空気の遮断を図った。














床スラブメイント&納戸床下地

昨年11月9日に基礎コンクリートの1Fスラブを打ったのですが、その時期はもう零下になるころでした。一応コンクリートは固まりWBSの組立は完了したのですが、スラブ表面に俗に云う「ふける」状態、専門用語ではレイタンスが発生してしまいました。いくら掃いてもコンクリートの粉が出てくる状態です。普通の家の床下であればこの程度のほこりはそのまま蓋をしてしまうのでしょうが、この家では床下に空気調整した新鮮空気を流し入れ、各部屋に導入しますのでスラブ面のほこりをおさえる必要があります。調べたところコンクリートの表面処理剤にはいろいろありましたが、現地調達可能なABC商会のハードナーSを使いました。2液性の浸透性エポキシ樹脂です。有機溶剤が含まれていると云うことで毒性ゼロではないのですが十分乾燥すれば揮発性物質は出ないとの説明を信じ採用しました。塗った結果は顕著で今まで悩まされていたほこりがきれいに無くなりました。

納戸は壁を貼らずにWBSの構造をそのまま残すことにしています。この方がWBSの横枠分(100o)だけ広く使えます。縦枠が910o毎にありますので規格品であるパネルボードを工作するのが面倒です。また、きわ根太を作る手間と同じくらいで通常工法の床根太が作れそうなので、2x4材で普通の根太を作りました。

8月30日

床スラブメイント

ファイヤープレイスのモルタル処理ときわ根太の束下モルタル充填が終了したので床スラブ全体にハードナーSを塗った。一回目はじょうろで撒き、ローラーで均す。塗料があまったので2回目はローラーで塗り上げた。99u全体を塗るのに約一時間の作業だった。結果は上々で以後ほこりに悩まされることは無くなった。



8月31〜9月2日

納戸の床根太

センターに根太受けを土台風にグリップアンカーで固定し、2x4材で床根太とした。本格的な床根太は2x6程度を使うのだが、この部屋は常時人がいるところでもないので手持ちの材で仕上げた。





8月31〜9月2日

納戸床下地の完成

捨て貼りも余っていた9oの3x9板構造用合板をそのまま貼り付けた。この部屋は天井にも構造用合板が貼ってあるので、あとはフローリングをはれば完成である。

捨て貼りの穴は床下から新鮮空気を導入するためのレジスター口である。





天井羽目板貼り


きわ根太まで完成したのですから床工事を続けたいのですが、暖房空調設備の調達が遅れたためホームベースの施工に入れません。天井の羽目板貼りは電気設備の埋め込み器具を取り付けるためにも早めに施工したかったので、天井の羽目板貼りをはじめました。

羽目板貼りには接着剤と釘を併用します。羽目板はフローリング材と同じように「さね」が切ってあり、頭が小さく、螺旋が切ってある特殊な釘をさねの外側に打ち込み固定します。ということで羽目板用の釘を探しはじめたところ、意外にも、羽目板用の釘はなかなか見つかりません。フローリング用の釘は簡単に入手できるのですが、38oと50oの2種類がほとんどで9oや12oの羽目板を留めるのには太すぎます。形状をフローリング釘と同じくして、25oと32oを探すこと一ヶ月、専門の工具屋に当たってみたところ、かつてはあったのですが機械打ちが主流になるにしたがって見られなくなったとのことでした、が、ようやっと手に入れることが出来ました。25oは建材屋の倉庫の片隅で埋もれていた物を、32oは大阪の業者から、さらに接着剤は木工用速乾性ボンドで貼り付ける条件が整いました。素人が建築工事をする場合、経験がないのでこのような部材調達に意外な精力を取られます。

9月3日

トイレ天井の羽目板貼り

羽目板は今年2月に札幌で開催された展示会で特売の12o檜羽目板300u分と9oのパイン羽目板を50u分購入し、すでに納入されていた。羽目板貼りは初めての経験なのでまずはトイレの天井に9oのパイン羽目板貼りからはじめた。上の写真は赤く見えるが実際は真っ白である。

羽目板のさねの♀は釘が打ちやすいように段違いに作られていると思っていたが、この羽目板は並行である。このため釘を打ち込もうとするとさねの下側(見える側)に傷を付けてしまう。しかも木が柔らかく、すぐに割れてしまう。同上の天井の場合では短く軽いので釘でとめなくても接着剤だけで十分に貼ることが出来るのだが、いろいろ試した結果、ここの経験が檜の羽目板貼りでおおいに参考になった。











9月4日〜20日

北寝室の天井羽目板貼り

檜羽目板の♀さねは段違いに掘られており、パイン羽目板のそれよりは釘を打ち込みやすいが、経験が少ないので普通に打つと、打ち損じによりさね下に傷を付けてしまう危険性大である。ということで釘を打つにあたりガードを準備した。一番使い古した巻き尺を解体し、1m程度に切断する。これを♀さねの下側に当てながらインパクトに1.8oのドリルを取付、ガイドの穴を開ける。さらにガードで保護しながら釘〆を使って慎重に釘を打つ。これでほとんど失敗は無くなった。スケールの鉄板は薄く、且つ弾力性があるのでガードとして最適である。もう一つ開発した。天井に接着剤をつけた羽目板を圧着させる装置(同上写真)である。たまたま昨年の工事で使用した足場の一部をまだ借りているので、これを利用して作ったものだ。一番下と最上部にアジャスター付きの足をつけ、さらにその上に手持ちの2x6材を固定した。アジャスターを手回しで調整、上下することにより圧着するが、それで足らない部分はつっかい棒やくさびを準備している。一枚一枚慎重に貼っていくので手間はべらぼうにかかる。たぶん大工さんがこんなことをしていたらおまんまの食い上げになってしまうかもしれないが、この建築工事では妥協はあるが手抜きはない。





9月20日

天井羽目板貼りの完了

写真では壁の合板の節と天井の節付き羽目板のそれとが同じように写ってしまい違いが出てこないが、実際には勿論雲泥の差がある。檜特有の芳香をお届けできないのが残念である。いずれにしても檜羽目板は良い。























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