アソシエーションと環境行動 -野池 政宏-
「近畿の環境団体情報交流会」開催
6月19日に「近畿の環境団体情報交流会」というイベントを開催した。近畿2府4県の環境NPO/NGOを集め、「この10年で環境はよくなったか?」というテーマを設け、いくつかの分科会に分かれて議論した。活動テーマを絞らず、あらゆる分野で活動している人たちが集まったのは、近畿では初めてだと思う。私はこのイベントの実行委員長をしていたので、ここ3ヶ月ほどはこのことにかなり時間を取られた。でもその甲斐あって、80人くらいの方が参加してくれ、活発な議論が行われた。
このイベントの実質的な主催は「エコネット近畿」という団体である。このエコネット近畿は、近畿2府4県の環境NPO/NGOに対する様々な支援をしていこうとしており、ゆくゆくは政策提言なども視野に入れている。目標は“行動する提案型の環境シンクタンク”である。かなりデカイ夢だが、うまくいくとおもしろい。
このエコネット近畿が狙っているもののひとつが、前回にも書いた「市民の側からの商品提案」である。環境活動を行っている人は当然、環境に対する意識が高い。そういう人の意見を束ねて政策提言に持ち込むという狙いとともに、企業に対する商品提案もできるのではないかと考えているわけだ。うまい提案をしてもし企業が興味を示せば、その情報は“売れる”かもしれない。
もうかなり前になるが、フロンガス問題の活動をしていた団体が家電メーカーにノンフロンの冷蔵庫をつくるように働きかけ、それが実現したという例がある。きっとその団体は純粋な運動としてそういう提案をしたのだろうが、そういうのを“商売”にできないかと考えているわけだ。まあ、関西人が集まっているエコネット近畿らしい発想と言えるのかもしれない。でも誰も困らないわけだし、結構な手間もかかるはずなので、そういう提案に対価を求めるのは正当なことだと思う。いや、そういう動きに経済をくっつけていってこそ21世紀のやり方だと思う。
私のまわりの「環境ニュース」をもうひとつご紹介しよう。それは、京都府が主導し、今年の2月から実際に始まっている「ウッドマイルズによる産地認証木材制度」。ウッドマイルズというのは、フードマイルズのパクリで、家に使われている木材の輸送距離のこと。地域材の普及促進や木材の自給率の向上にもつなげていこうとするものだ(現在の自給率は約17%)。京都府で始まったのはもう少しこみいっていて、産地とともに輸送過程に生じるCO2の排出量を木材にラベリングする。トレーサビリティとCO2排出量をドッキングさせたというわけですね。私は、このウッドマイルズ運動の主体組織であるウッドマイルズ研究会の運営委員をしている。興味のある方はホームページを見てください。「ウッドマイルズ研究会」で検索すればすぐに出てくる。 まずはグローバリゼーションについての共通認識を、ということで選定した1冊目のテキスト「グローバル化とは何か」を3回で終了しました。次のテキストは「オルター・グローバリゼーション宣言」(スーザン・ジョージ著、杉村昌昭/真田満訳、作品社刊・2000円)。4回くらいの予定で、訳者の杉村昌昭さんを交えた学習討論会も検討しています。次回は8月5日(金)PM7:00〜於・研究所会議室、第1章「もし、私たちが問題の本質を理解しているのなら」・第2章「もし、私たちが地球を救えるのなら」の報告・論議。