《特集》@イラク―連日の戦闘、
依然として「五里霧中」
イラクでは連日、米軍やイラク軍・警察と「武装勢力」との戦闘が続き、死者が増え続けている。最近現地を取材したジャーナリストの話では、「武装勢力」の陣容には変化が見られ、外国人兵士が増えているという。その多くはシリア国境経由でやってくるらしい。▼「聖戦」のため、自爆や住民の犠牲を厭わない外国兵と、生活再建を願う地元民との間には、基本方針の違いが存在する。戦闘が長期化すればするほど、違いはさらに拡大せざるを得ない。▼こうした中、移行政府や米軍側は分断工作を本格化させ、地元勢の囲い込みと外国勢の「あぶり出し」に力を注いでいるようだが、移行政府内における立場の違いから、必ずしも一本化された方針とは言えない。依然として「五里霧中」の状態が続く。
◇各地で自動車爆弾事件続発、19人死亡(7日)
◇「イラク戦争は泥沼化」 米世論調査(8日)
米紙ワシントン・ポストとABCテレビによる世論調査で、イラク戦争が「泥沼化している」と答えた人は65%、イラク戦争後「米国は安全になっていない」との評価も52%。また、6割近い人が「イラクで戦争する価値はない」とし、「ベトナム戦争の二の舞いになる」との回答も45%。
◇武装勢力がイラク兵22人拉致
西部のシリア国境付近で8日、イラク兵22人が基地を出たところで武装勢力に襲撃され拉致。
◇スンニ派、憲法起草委25人を要求
スンニ派の横断的組織「スンニ国民集会」は10日、国民議会の憲法起草委員会のスンニ派委員を15人に増やすとの委員会提案を拒否し、25人への増員を要求。
◇拉致された兵士らか、21人の遺体発見(10日)
シリア国境付近の3カ所で計21人の遺体が発覚。8日に拉致されたイラク軍兵士らか。
◇首都北西部で自動車爆発、11人死亡(10日)
◇バグダッド近郊で襲撃・自爆が続発(11日)
◇米軍が西部を空爆、武装勢力40人殺害(11日)
◇人質の仏女性記者ら解放 5ヶ月ぶり(12日)
◇戦争開始後の米軍死者、1700人を突破(12日)
◇各地で自爆攻撃 10人死亡(13日)
◇各地で自爆テロ相次ぎ30人死亡(14日)
「アンサール・スンナ軍」が犯行声明。
◇治安機関狙う自爆攻撃、34人死亡(15日)
ザルカウィ派が犯行声明。
◇拉致された豪男性、無事解放(15日)
◇米国務省、クルド人の少数派弾圧疑惑に懸念
米国務省のマコーマック報道官は15日、北部キルクーク周辺でクルド人の警察・治安組織が少数派民族を組織的に違法逮捕・拘置しており、クルド当局に懸念を伝えたと公表。
◇日本政府、発電機9台供与 サマワ
陸上自衛隊が駐留するサマワで15日、日本政府が外務省の無償資金協力で、州電力局に小型発電機9台を供与する式典が開催。
◇西部で爆弾攻撃、米海兵隊員5人死亡(16日)
◇駐留米軍、ザルカウィ側近を拘束(16日)
◇イラク議長、現状での多国籍軍撤退は危険
移行国民議会のハサニ議長は17日、都内で記者会見。「撤退戦略が生きてくるのは治安を維持できる自前の治安部隊ができたとき。現状での撤退は危険」と撤退論をけん制。
◇撤退計画の明示求め決議案 米下院(16日)
年末までにイラク駐留米軍の撤退計画をまとめて公表し、来年10月1日までの撤退開始を求める決議案を超党派4議員が提出。
◇米軍、武装勢力50人殺害 シリア国境(18日)
◇各地で自爆テロ、米兵など9人死亡(18日)
◇各地で自爆テロなど、計25人死亡(19日)
◇北部と首都 警察狙い攻撃、24人死亡(20日)
◇イラク外相、米軍の段階的撤退に理解
ジバリ外相は21日、駐留米軍が来年初めから段階的撤退を始めても、イラク軍による独自の治安維持は可能との見方を示唆。
◇6割がイラク戦争に反対 米世論調査
米ギャラップ社が21日発表した世論調査によると、イラク戦争に反対する米国民の割合は59%、賛成は39%。前回3月の調査では賛否が47%。共和党支持者の間では支持が70%だが、3月の調査と比べ11ポイント下落。
◇サマワの陸自車両が破損(23日)
陸自の車列が走行中に道路脇で爆発が起き、1両のフロントガラスが破損。
◇首都で連続自動車爆弾、15人死亡(23日)
◇武装勢力の威力衰えず 米中東軍司令官
米中東軍のアビザイド司令官は23日、上院軍事委員会の公聴会で、「6カ月前より多くの外国人兵士がイラクに入り、武装勢力の戦闘能力も半年前とほぼ同じ」と証言。
◇ファルージャで米女兵士ら6人死亡(23日)
◇武装勢力との交渉に反対 シーア派政党党首
イスラム革命最高評議会の指導者ハキム師は24日、移行政府が政治参加を促すため武装勢力と接触していることに反対のを表明。スンニ派系武装勢力は意図的に宗派対立を扇動していると指摘。
◇新憲法はイスラム色「排除」 イラク首相
訪米中のジャファリ・イラク移行政府首相は24日、今後の新憲法について、イスラム法導入など極端なイスラム色を排する方針を示唆。
◇武装勢力の攻撃で警察官、米兵死亡(25日)