●総会の模様
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地域・アソシエーション研究所 第9回総会

若い参加者も増え、活発な論議に


 11月19日(金)、地域・アソシエーション研究所の第9回総会を行いました。当日の出席者は45名ほどで、前回総会まではわずかだった、関西よつ葉連絡会の各事業所で働く若い職員の皆さんにも数多く参加していただいて、活発な総会となったことを喜んでいます。

 今期のアソシ研の活動の中で、中心的なものは、研究会活動の充実でした。新しく、田畑稔さんの著書『マルクスと哲学』の読書研究会と「未来と食卓─たべもの研究会」をスタートさせました。読書研究会の方は、マルクスが哲学とどのように向き合い、どのように戦い、どのように自己の思想的ポジションを確立して来たのかという興味深いテーマを、原典に内在しつつ説き明かした田畑さんのぶ厚い著作を、担当者を決めて読み進める研究会です。参加者も老・荘・青年とバラエティーに富んでいて、毎回、脱線の連続が繰り返される楽しい研究会となっています。

 「未来と食卓─たべもの研究会」は、かつて、アソシ研の非常勤職員だった松平さんが中心となって、よつ葉で働く若手の職員に呼びかけて始まった「食」をテーマとした学習研究会です。これまで、どちらかと言えば近寄り難い存在であったアソシ研を、ぐっと身近なものに感じてもらえる一つのきっかけとなったと評価しています。7回にわたって、食のさまざまな切り口で、本を読んだり試食をしたり、それぞれの課題に精通しているスピーカーを招いたりしながら続けられて来ました。残念なことに、中心を担ってくれていた松平さんの一身上の都合で、今年で一旦区切りをつけることになっています。

 その他に、前期から続いてきた「グローバリゼーション研究会」も引き続き、テキストを選んで、講師を招いての研究会活動を継続しています。

 今期のアソシ研短期集中研究講座は「ウィルスと現代社会」をテーマに、2回にわたって、専門医療研究者による講義を聞きました。人類の誕生以来共生して来たウィルスに対して、現代社会がどう向き合っているのか。その実相の分析を通して、現代医学のゆがみや政府、行政機関の対応を批判的に検証するものでした。他の研究会や講演会では顔を見ることの少ない、また、ちがった広がりのある参加者を得て、アソシ研の活動領域の拡がりを感じさせる短期集中講座となりました。

 『地域・アソシエーション』のニュース発行については、発行のおくれもあって、2回の合弁号を出す結果となりました。内容に関しては、出来る限り、読み易く編集することを念頭に、「リレーエッセイ」「ネパール通信」「識者エッセイ」を組み込み、長文の報告だけに終始しないようこころがけて来ました。

 こうした今期の活動報告に対して、総会参加者からは、「アソシ研の活動内容が、イマイチ、よく伝わっていないのは、中心的に重点を置く活動が何なのかが、あいまいだからではないのか」という意見が出され、活発な議論となりました。「アソシ研の活動そのものが、自主的・主体的な関心を出発点としているので、参加者がそれぞれの問題意識で、アソシ研にかかわり、アソシ研を活用していくべきだ」という異論も出て、最後は、「これだけ多様な参加者が総会に参加していることが可能性を示している」という、これまた参加者からの発言で閉めくくられました。

 来期の活動方針としては、一旦休止していた「農研究会」の再建が提案され、「協同労働」をテーマとする研究会の組織化とあわせて、一層、研究会活動の充実をはかっていくことが確認されました。人事面では、松平さんにかわる非常勤事務局員の河村さんと、香港大学からの研究生、潘さんが紹介され、総会は終了。よつ葉の食材を中心とした懇親会で、久しぶりの交流を深めました。

                                   (津田道夫:研究所代表)


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