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   地域・アソシエーション研究所 第21回総会 報告

   「組織としての研究所」を目指して
          対外的連携も積極的に追
求を

 去る11月18日(金)、大阪・茨木市のよつ葉ビルで当研究所の第21回総会を開催しました。当日は、およそ30名にご参加をいただき、今期の活動報告・総括と来期の方針について提案し、論議しました。以下、総会での発言、議論を簡単に紹介し、報告とさせていただきます。



 総会の開始にあたって、ミュニシパリズム京都の共同代表、春山文枝さんからいただいたメッセージを紹介しました。ミュニシパリズムとは、地方自治体(ミュニシパル)に軸足を置いて、地域自治に基づく民主主義や合意形成を重視する考え方や運動を意味します。直接民主主義、エコロジー、ジェンダー平等、移民・難民の人権、新自由主義批判などをキーワードとして2015年あたりにスペインのバルセロナで登場し、その後欧州や南米などに広がったそうです。

 こうしたミュニシパリズムの京都における実現を目指す春山さんは現在、2024年春の京都市長選挙に向けて打ち出すべき「自分たちのビジョン」を模索するとともに、それに沿った候補者の擁立を展望しているとのことです(ちなみに、春山さんには『地域・アソシエーション』第209号、2022年5月にもご登場いただいています)。

 当研究所の活動については、「各地の状況や、様々な方の取り組みに考えるヒントをいただいています」、「具体的に社会を変えていく取り組みを進めていきたいと思っています」、「私たちの議論を深め、行動するためにご協力ください」と触れていただきました。


ロシア・ウクライナ戦争の衝撃

 総会では毎年、この1年の出来事を振り返っています。この2年ほどはコロナ禍に明け暮れたこともあり、それに関して言及してきましたが、今年はやはりロシア・ウクライナ戦争に触れないわけにはいきません。

 ロシア・ウクライナ戦争について、当研究所では機関誌上で2度にわたって取り上げました。第207号(2022年3月)では今回の事態を捉える際の視点や立場の問題、第212号では開戦に至ったロシア当局(プーチン大統領)の問題意識に焦点を当てました。

 今回の戦争をめぐっては、伝統的な対露脅威論に基づいてロシアの侵攻を捉え、中国や北朝鮮の脅威を含めて軍事的に対処できていない日本の「危機」を煽動し、さらなる米国への軍事的一体化や日本独自の軍備増強、そして憲法改定を望む意見が少なからずありました。

 こうした見解に対して批判的な視点を持つ必要性は言うまでもありません。また、今回の戦争に際して、アフガニスタンやイラクなど、これまで度重なる軍事介入によって戦乱と災厄をもたらしてきた米国が、あたかも正義の味方のように扱われていることについて、憤懣やるかたない気持ちが湧き上がる点も共有できます。

 しかし、そのあまり、今回の戦争の原因をもっぱら米国の主導によるNATO(北大西洋条約機構)の東方拡大やウクライナ民族主義による「挑発」に求めたり、NATOとロシアの代理戦争といった大国間のパワーゲームとして理解するような主張も散見され、疑問を持たざるを得ませんでした。

 また、絶対的な反戦論の立場から、ウクライナに対して武力抵抗を否定し、降伏を呼びかける主張も目にしました。どんな内容であれ戦争は戦争であり、暴力と殺戮を伴わざるを得ないがゆえに拒絶し、非武装の抵抗に徹するべきとの考えは、たしかに尊重されるべきものだと思います。しかし、それを現に侵略を受け圧倒的な暴力にさらされている人々に対して言うことができるのか、この点も疑問に感じざるを得ませんでした。

 そうした思いから、比較的問題関心が共通していると思われるウクライナの人々の見解を踏まえつつ論点を整理し、また開戦に関わるロシア・プーチン政権の「意図」について若干の考察を加えた次第です。

 もちろん、ロシア・ウクライナ戦争をめぐる論点はまだまだあります。とくに考えるべきは、侵略の当事者が国連安保理常任理事国の一角を占めるロシアであること、また開戦理由や当初の戦略目的、実際の戦闘状況などから、第二次世界大戦以前の戦争を彷彿とさせる内容であることです。言い換えれば、二度の世界大戦を経て形成され、国家主権の尊重、武力による国際紛争解決の禁止、集団的安全保障による紛争解決などを軸とする国連システムが危機に瀕している状況が改めて露呈したわけです。

 もちろん、もともと国連システムにはさまざまな欠陥があります。安保理が機能しない。大国による支配の道具に過ぎない。主権国家だけが主体になっている――等々。しかし、そうした欠陥を補うべく、各国の市民や国際的な非政府組織(NGO)などが率先して、戦争の要因となる貧困や差別・抑圧の解決に向けた提言、地雷や核兵器を禁止する条約の策定など、数多くの働きかけを行い、実現してきた歴史もあります。

 そうした歴史的営為を嘲笑するかのような蛮行が、21世紀のこの時代に行われてしまったことは深刻です。現状で国連システムを廃棄してしまえば、後に残るのは弱肉強国の戦国時代、あるいはいくつかの大国とその配下の小国群といった先祖返りでしかないように思います。

 しかし、だからこそ、これまでの歴史的営為を将来に向けて生かしていけるような取り組みを模索する必要があるといえます。戦争に限らず、パンデミックや気候変動など、今後ますますグローバルな危機は拡大・深化するものと思われます。どのように立ち向かっていくのか、改めて考える必要があるのではないか。――以上のようなことを一点目に触れました。


政治の歴史的構造変動

 国内に目を転じれば、7月には安倍元首相が白昼公然と銃撃され死亡する衝撃的な事件が生じました。その後、事件の背景として旧統一教会にまつわる諸問題が浮上し、主に自民党との密接な関係が改めて問われることになりました。その余波が現在も続いていることは、ご承知のとおりです。

 この事件をめぐって「政治と宗教」といった問題設定を少なからず目にします。しかし、そもそも宗教組織が自らの信仰に基づいて政治に働きかけること自体に問題はありません。問題となるのは政治が特定の宗教を優遇し便宜を図った場合ですが、自民党と旧統一教会の関係を見た場合、少なくとも目に見える範囲では即物的な相互利用関係しか見当たりません。それゆえ、現時点では(宗教という形式をとった)反社会的組織と政治の関係として捉えるべきだと思います。

 ただし、これとは別の次元で、政治と宗教の関係についても考える必要があります。今回と同じような現象として、数年前には日本会議と政治(主に自民党)の関係が取りざたされました。当時も、日本会議が自民党の中枢にまで浸透しているとか、甚だしくは自民党が日本会議に操られているといった見解も散見されましたが、いつの間にか低調になっていきました。両者の関係も、基本的には即物的な相互利用関係だと考えられます。

 こうした、いわゆる宗教右派による政治介入には注目すべき特徴があります。旧統一教会の政治的な別働隊である勝共連合(原理研究会)も日本会議の中枢幹部を輩出した生長の家(同学生総連合)も、いずれも60~70年代に全国各大学で左派系の学生運動と対抗する中でその運動戦術・組織戦術を吸収し、その後「足元からの陣地戦」とも言うべき動きを展開してきたことです。例えば、信者を核とした政治宣伝、署名集め、集会動員といった大衆運動を持続的に展開すると同時に、地方議会議員への協力や浸透、地方議会における各種の決議を通じて国政基盤への影響力を確保してきたと考えられます。

 これは他方で、時代の変化とともに保守政党側が伝統的な政治基盤の喪失・変容を強いられたという歴史的条件を受けた結果でもあります。すなわち、都市集中や核家族化を含む近代化の進化によって農協をはじめとする業界団体や地域の自治会などの地縁組織といった伝統的な中間諸団体の求心力が弱まった結果、宗教右派の政治への影響力が相対的に強まり、突出したものと捉えられるような状況が生まれたのでしょう。

 とはいえ、こうした状況は、いわば「散り際の輝き」でもあります。創価学会を含め、60~70年代に上り調子だった政治的志向を持つ新新宗教は現在、おおむね新たな信徒獲得は頭打ちとなっており、若い担い手の多くが二世、三世といった実態にあります。これまでのような政治的影響力が今後も維持できるとは限らず、むしろ縮小再生産の可能性が高いと思われます。

 ただし、そうした趨勢の一方で、と言うよりそうした趨勢と密接にかかわって維新の求心力拡大、参政党やN党、さらにれいわの勃興といった現象が生じているわけで、その背景についてはさらに突っ込んで考える必要があるように思います。

 また、それは同時に、70年代中盤に形成された住民・市民運動と無所属市民派議員の勢いが、この間極めて低調になっている現状とも重なるように思われます。その意味では、私たちはまさに自らの問題として、こうした政治の構造変動を考えなければならないのではないか。――二点目として、以上のような内容に言及しました。

 いずれも、現状では未だ思いつき、印象分析でしかありませんが、何らかの形で深めていきたいと考えています。いずれにせよ、内外ともに大きな構造変動の時代にあって、変動を変動として捉える作業の重要性はますます高まっています。当研究所としては、そうした作業に向け、問題の共有、論点の整理、議論の土俵づくりに向けた活動をさらに充実させていきたいと考えます。


研究所の諸活動をめぐって

 以下、議案書の項目に沿って、要点などを紹介していきます。


■研究会

 昨年の総会では、2つの研究会を新設する方針を提案しました。1つは「地場野菜研究会第2弾」です。足掛け3年にわたって行い、関西よつ葉連絡会の地場野菜の取り組みについて、データをもとに現状を明確化した第1弾を踏まえ、今後の取り組みの具体的なあり方について議論を深めていくものにしたいと考えました。

 ただし、主要な参加予定者はすでに既存の農研究会に加わっており、新たに別個の研究会をつくっても屋上屋を重ねる状態になると考えられること、また、具体的な展開を考えていく内容なので必ずしも毎月実施する必要はないことなどから、農研究会に間借りする形で、年に何度か地場野菜に特化して実施する方式を提案しました。

 当研究所としては、総会で提案して承認を得たこともあり、すぐにも始動可能との想定でしたが、いざ具体化してみると農研究会側との問題意識のすり合わせが十分ではなく、枠組みありきの安易な発想だったことが露呈し、結果的に始動には至らず終息することになりました。

 考えてみれば、地場野菜の取り組みは㈱よつば農産と地域の農家グループを中心とした経済活動の一面もあり、現状の分析ならともかく今後の具体的な展開まで当研究所が役割を担うのは筋違いかもしれません。以上、総会ではこちらの至らなかった点を反省した次第です。

 もう1つ提案した「情勢を考える研究会(情勢研究会)」は、当研究所と連携する地域の大衆的政治団体「北摂反戦民主政治連盟」と組む形で、国内外の情勢について自分なりの観点でまとめられるようなスキルを身に着けることを目指したものでしたが、これまた当初の想定どおりの結果は得られませんでした。

 こちらは参加予定者と事前の相談会を行い、2月から始動するにはしましたが、参加者の多忙などからくる日程調整の困難さのため3回しか開催できず、そのうち2回は当研究所が報告者を務めざるを得なくなり、参加者が主体的に問題提起をするような状況をつくりだすことはできませんでした。

 呼びかけた反応から考えるに、関心はあるものの、関心のある人ほど仕事や活動などが重なり、全般的に余裕がないこともあって定期的な参加者の確保が困難な状況になっているようです。とくに今年は中盤以降、主な参加者が地域の選挙で時間が取れない状態だったことも大きな原因でした。いずれにしても、参加者の積極的な対応を引き出すことができなかったことは残念です。

 とはいえ、研究会の内容は北摂反戦民主政治連盟だけでなく関西よつ葉グループ全体にとっても相応の必要性を持つものと思われます。一旦仕切り直しの上、改めて実現可能な形を模索したいと考えます。

 そのほか、テツガク茶話会、農研究会、読む会といった既存の研究会については、全体として自主的な学習機会を提供する上で一定の役割を果たしてはいますが、やはり参加者が限定・固定される傾向があります。ただ、現状ではさらに新規研究会を設定する余裕はないため、基本的に来期は既存研究会の持続、深化、発展を目指したいと考えています。


■企画・参加

 研究所の企画、とくに広く呼び掛けて行う講演学習会などの取り組みについては、今期もコロナ禍のために行うことができませんでした。

 ただし、同じコロナ禍ではありながら、前期はほぼ毎月、何らかの形で訪問参加を行っていました。それに比べると、今期は活動量が顕著に落ちたことに今さらながら気づきます。大きな要因としては、とくに上半期はロシア・ウクライナ戦争に集中し、毎日のように戦況や海外の報道、論考を追いかけ、それ以外の諸問題にまで手も頭も回らなかったことが挙げられます。

 それならそれで、現下の戦争をテーマとして講演学習やシンポジウムなどを企画すべきだったかもしれません。しかし、これまで中国の動向や米中対立については継続的に関心を持つ一方、欧州やロシアについては関心を振り向けてこなかったこともあって、事態を捉えるための基本軸を設定することから始めなければならず、具体的な企画につなげる段階にまでたどり着くことができませんでした。

 そうした中で、曲がりなりにも実現できたのが沖縄訪問です。とくに今年は「復帰」50年の節目でもあり、何か新たな内容を付け加えることよりも、日本と沖縄の関係を問い直すための基本的な視点を再確認したいと考えていました。沖縄戦から「復帰」を経て、いままた沖縄が戦場になりかねない恐れが高まっていること、にもかかわらず沖縄と本土では埋めようのないほどの認識の溝が存在すること、そうした現実について、具体的に紹介することができたと思います。

 一方で、ここ数年の懸案だった「地域と国家を考える」シリーズについては、今期もコロナ禍の状況下で具体化することができず、提案者から企画自体の取り下げが要請され、最終的に中止のやむなきに至りました。昨年の総会では、当研究所設立20周年企画として位置づけていただけに残念です。

 そのほか、6月に実施したウトロと平和祈念館のフィールドワークでは、今期から当研究所の運営委員となった田野浩幸さんが自らの職場の同僚に声をかけ、そのほとんどが参加してくれることになりました。ウトロについて、テレビなどで報道はしていても歴史的経緯や生活実態については初めて知る人も多く、貴重な機会になったとのことです。こうした参加型の企画についても、引き続き充実させていきたいと思います。


■機関誌類

 『地域・アソシエーション』については、これまでと同じく、今期も企画や訪問・参加に関する報告を中心に編集しました。上に触れたように、例年に比べて活動量は落ちたものの、誌面で取り上げた課題はそれなりにバラエティに富んでおり、内容も掘り下げたものになったと思われます。今年はとくにロシア・ウクライナ戦争について単独論説を2つ掲載しました。

 また、前期は諸般の事情で合併号を2回発行する結果になりましたが、今期はなんとか毎月発行することができ、安堵しています。

 他方、連載欄で前期に始まった新規コラム「南から/北から」について、「北」担当から降板の申し出がありました。代わりとなる書き手を模索しましたが、関東以北に暮らし、第一次産業に従事する女性で当研究所の活動にも一定の認識がある――といった条件ではおいそれとは見つからず、結果として現在「南」のみの隔月連載となっています。

 海外論文の翻訳と日録(News Clips)で構成している『News Letter』については、今期で完全に翻訳の独自化を達成することができました。この間、翻訳対象としては中国関連とそれ以外の領域を毎月交互に行う形で選択してきましたが、今期は状況に応じてロシア・ウクライナ戦争関連を一つの柱にしました。今後とも時宜に応じた内容を選んで紹介したいと思います。


来期の方針をめぐって

 来期の方針について、とくに目立った提案はありませんが、社会におけるなし崩し的「ウィズコロナ」の拡大を追い風として、広く呼び掛けて行う講演学習会など独自企画を再開させたいと考えます。この点で、未だ思いつき段階ではありますが、考えている企画があります。

 かつて当研究所では、「『よつ葉らしさ』の根源を探る」と題する連続シンポジウムを行ったことがあります。5つのテーマを設定し、関西よつ葉グループの創成期から携わってきた方々をパネラーとして、指標となる出来事の経緯とその教訓について紹介し、論議するものでした。自分たちが何を目標に事業活動や社会運動に携わってきたか、その過程で何を獲得してきたのか、それらの要点を後継世代に伝える内容でした(その報告は『地域・アソシエーション』第53号[2008年6月]~第58号[同年11月]に掲載され、詳細は後に5分冊のパンフレットに収録しています)。

 それからすでに10年以上が経過しています。いま事業活動の中軸を担っている人々の中には、上記のシンポジウムを知らない人もいるでしょう。しかし、そうした人々も自分なりの「よつ葉らしさ」を持っているはずです。先行世代から「よつ葉らしさ」を受け取った人々にしても、それをそのまま保ち続けるのではなく、現在の状況に合わせて自分なりに手を加えているものと思います。そうしたことも含め、事業活動の中軸を担う比較的若手世代の考える「よつ葉らしさ」とは何か、自分たちは何を大切にし、今後どのような展開を考えているのか、そのあたりを語ってもらうことができれば、関西よつ葉グループ全体にとっても興味深いものとなるはずだと思っています。

 また、独自企画の追求と同時に、他団体との連携も意識的に模索していきたいと思います。冒頭で紹介したミュニシパリズム京都もそうですが、近辺には当研究所と似通った問題意識で活動されている団体がいくつかあるようです。テーマによっては、そうした団体と連携した企画を行うことで相互に刺激となり、相乗効果を望めるかもしれません。

 総会では、以上のような問題意識を紹介し、関係各所と相談の上で具体化する旨を提案しました。


世代交代さらに進む

 昨年の総会では、当研究所の歴代代表であり創設時から運営委員を務めた御二方が退任され、代わりに関西よつ葉連絡会の事業現場から40代の御二方が運営委員に就任し、研究所の世代交代が鮮明になりました。今回の総会でも、この流れは続きました。

 まず、これまで長きにわたって運営委員を務めた人民新聞の山田洋一さんから退任の申し出があり、それに代わる形で同じく人民新聞の朴偕泰さんから運営委員就任の申し出をいただきました。朴さんは現在21歳とのことで、研究所の活動に若々しい発想と視点を加えていただけるものと期待します。

 また、これまで長らく事務局の一員として研究所を支えていただいた津田道夫さんが退任され、運営委員から田中昭彦さん(㈱安全食品流通センター)と矢板進さん(関西よつ葉連絡会事務局)が新たに事務局に加わっていただくことになりました。議論の活性化を期待できるものと思います。


組織的力量をどうつけるか

 今期の活動報告・総括および来期の活動方針について一わたり提案した後、論議に移りました。その中で、次のようなご意見をいただきました。

 「機関誌類や諸活動について、おおむね代表が取り仕切っている。その努力は評価するが、半面として『組織としての研究所』の力量が感じられない結果をもたらしている。この点を何とかする必要があるのではないか。例えば研究会についても、最初から研究所側が通年で企画を考えるのではなく、仮に数回でもいいから、運営委員の中から興味があることを提案して組織するようなやり方を考える必要があるのではないか。」(大意)

■総会のようす
 また、次のような意見もいただきました。

 「地場野菜研究会第2弾の例を見ても、新規の研究会をつくらないといけないといった焦りのようなものがあって、その結果、既存の研究会に間借りするような無理な展開になってしまったように思う。第1弾で取りまとめ役をしてくれた綱島さんとも予め十分な相談をしていなかったようだ。もう少し丁寧にやったほうがいいと思う。」(大意)

 正直なところ、いずれも痛いところを突かれた思いです。まさに「先達はあらまほしきことなり」。

 いわゆる「選手と監督」の譬えのとおり、個人として力を発揮する立場と組織としての力量をまとめていく立場には自ずと違いがあり、前者をどれだけ突き詰めても、それがそのまま後者につながるわけではありません。人員の少ない当研究所なので、それなりにやれていますが、逆に言えば、現状にとどまる限りこれ以上の展開は望めないことを意味してもいます。

 この点では、事務局会議のメンバー交代を好機として、まずは運営委員会での議論を活性化させることから始めていきたいと考えます。

 ともあれ、来期も今期以上に有意義な研究所活動を展開していきたいと思います。会員・関係者の皆様には、引き続きご支援、ご協力をお願いする次第です。

                             (山口 協:当研究所代表)


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