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アソシ研リレーエッセイ
あれから16年が過ぎました



 アソシ研の総会が終わって帰路についたところです。毎年、これが終わるといよいよ「今年も終わりだな」という気分です。自分の中の恒例行事といったところでしょうか。でも、今年は単なる行事ではなく、いろいろと思うところの多い総会でもありました。

 2021年は、長年引き受けてきたよつ葉連絡会の事務局長を退任し、よつ葉の代表に就任しましたが、リウマチを発症し、持病の喘息も悪化するなど、あまりポジティブに次の展開を考えられない状態に。

 そんな中ですが、多少は健康状態も上向きになり、春にはよつ葉の物流センターの代表を兼任することに。新たな気持ちで次の課題へと向かうはずでしたが、今度は検査で前立腺ガンが見つかり、またまた気持ちは下向きに。

 放射線治療などのおかげで、この夏にはガンが消えたとのことですが、服用している薬は全く減らず、本格的なリハビリに入れるのは、まだ遠い先のことのようです。

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 厄年でもないのにお祓いに行った方がよさそうな一年でしたが、良かったこともありました。十数年続けてきた農研究会の世話人的な役割を卒業し、その役割を若い世代と交代したことです。農研は僕の代で終わりだと思っていたので、あとを引き受ける人が出てきたことはうれしい限りです。矢板さん、ありがとう。

 僕自身も先輩たちから受け継いで、農研を続けてきたわけで、あれから16年が過ぎました。2005年6月に農研がスタートしたときの最初のテキストは『日本の農業150年』でした。

 当時の中心メンバーには、伸明さんや邦夫さんなどの先輩たちがいました。テキストから学んだことはもちろん多かったのですが、それだけでなく、一緒に農研をやっていたメンバーからも多くを学ばせてもらいました(今回の総会では、アソシ研の初代所長だった津林邦夫さんが運営委員を退任されました。おつかれさまでした)。

 当時は、毎回誰かがテキストをレポートしてきて、みんなで意見交換をするという形でしたが、いまはテキストの輪読会形式です。時間はかかりますが、テキストについて全員が直接的に意見を出し合える場になっていると思っています。

 最近の農研究会には、よつば農産や産直センター、北摂協同農場、北摂ワーカーズ、連絡会事務局からのメンバーに加え、地場野菜研究会でお世話になっている綱島さんも参加してくれています。総会では、「農研と地場野菜研究会は、メンバーも重なっているし、何カ月に一度くらいで合同開催を考えたい」という話がありました。どんな集まりになるのか楽しみです。

 総会では、北摂ワーカーズの山本さんから「地場野菜の取り組み」についてDVDを作りたいという提案がありました。これは、農研で「壊れゆく森から、接続する森へ」という自伐型林業推進協会が制作協力したPARC(アジア太平洋資料センター)のDVDをみんなで見たときに出た意見でもありました。

 私の記憶では「流行りのクラウドファンディングで資金集めをして、「摂丹百姓つなぎの会」に協力してもらって、絶対実現させようぜ!」という半分「悪ノリ」みたいな話だったと思います。

 しかし、総会が終わったあと、よつ葉ビルを出たところで山本さんと鉢合わせ。またしてもDVD制作に協力することを約束してしまいました。

 こうなったらやるしかないです! この界隈の多様な力を結集し、実現できればと考えています。みなさん、知恵を貸してください。ご協力よろしくお願いします。

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 最後になりましたが、前回のリレーエッセイを書いた松原さんと前々回の綱島さんに深くお詫び申し上げます。お二人がせっかくリレーした「テーマ」をすっかり忘れてしまいました。最近ますます忘れっぽくなっています。次に書くときは気をつけます。すみませんでした。

                                                                (田中昭彦:関西よつ葉連絡会代表)



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