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市民環境研究所から

政治や社会でも異常が常態化


 不順な気候の連続である。7月は曇天か雨天ばかり、8月は雨は降らず猛暑が続き、9月に入れば通常の季節がやってくると期待していたが、高温が続き、疲れが増していく。

 政界では安倍総理が突然に引退を表明。もはや安倍政治はお先真っ暗となり、首相在任最長記録の更新日をひたすら待って、持病悪化を前面に出して、菅に引継ぎ、安倍政策を継承すると宣言させたのだと考えればすんなりと流れが理解できる。無責任の極地である。

 だのに国民は安倍の動きを7割近くが了解したという。信じられない季節と世間である。

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 我が卓上のパソコンも異常事態が発生している。電子メールを最も重要な連絡手段にするのは嫌いだが、電話ばかりでは相手に迷惑をかけるので、電子メールで多くの人と交信している。ところが、今年3月ごろから、量販サイトのアマゾンから訳のわからないメールが届くようになった。

 「お客様のアカウントで異常なアクティビティが検出されたためAmazonアカウントを停止させていただいております。アカウントにログインして画面の指示に従うことで、アカウントのロックを解除していただけます」とか、「支払情報一致していません。異常注文を検出する、Amazonセキュリティ警告:サインインが検出されました」などである。

 アマゾンは年に数回使うだけの顧客を随分と心配してくれているなどとは思わず、危険メールと思い特別ホルダーに取り込んで様子を見ていた。ちょうどある商品を購入した時期と重なっていたので、誤解すれば偽メールに連絡していたかもしれない。こんなメールがこの半年間で230通も送られてきた。まともな日本語でないメールもある。

 続いて、発信元に「楽天」が加わり、「あなたのアカウントを更新できませんでした。カードが期限切れになったか。[楽天]プライムの自動更新設定を解除いたしました!」のようなメールが2ヶ月間に40通以上も来た。

 驚くことはない、さらに「ぷらら」が加わり、こっちも2ヶ月で40通以上も配信された。危険メールと分かれば、普通は「危険メール」に指定し、受信を拒否するだろう。知人から、よくも受け取っているなと少々バカにされたが、今まで観察してきた。

 世間で広がる危険なことを知っておくべきだと思っていたが、これに返信したら何が起こるのか、ネット音痴の筆者には想像できないまま、異常気象とコロナにも耐えて過ごしてきた。

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 ところが、最近になってある事件が報じられた。「NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」などを通じて全国11の銀行から預金を不正に引き出す事件があり、ゆうちょ銀行が16日、口座の被害が今年に入ってから認識されたもので109件、計1811万円あったと発表した」という。

 ネット音痴の筆者には皆目分からないが、以下の記事を見て、こんなことに使うために、執拗に偽メールが送られてきたのかと想像している。

 「ドコモ口座不正引き出し事件が広がっている。これまでのサイバー金融犯罪と比較して大きく違う。基本的には被害者がドコモと無関係の消費者だったこと。

 サイバー犯罪に対して、銀行などのセキュリティが甘いだけでなく、自分でも何らかのミスをしなければ犯人グループはお金を盗むことはできない。口座を犯人グループが開設して金を盗るために用いたログイン情報の大半は被害者のミスで盗まれたと警察は見ている。

 本人に成り済まして勝手にドコモ口座を開設し、銀行口座からドコモ口座に30万円をチャージするという手口だとか。

 口座番号、ログインパスワード、キャッシュカードの暗証番号、この3つの情報さえあればドコモ口座に資金を移動できる仕組みになっている銀行が狙われた」という。

 アマゾンや楽天やぷららの成り済ましに対応してドコモに繋がったどうかは分からないが、そうでなくても、もっと別の詐欺に遭ったかもしれない。これからも自然現象だけでなく、政治や社会面でも異常が続くのだろうか。

                                                 (石田紀郎:市民環境研究所)


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