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書籍紹介

『ネパール・タライ平原で暮らす』

                                            ブックレット版600円(税込)

ネパール・タライ平原で暮らす
 本書の著者、藤井牧人さんがネパール中部、インド国境近くのタライ平原に移住したのが2010年。それからほぼ月に一度『地域・アソシエーション』誌に現地での見聞をレポートしていただきました。本書はその8年間の中間報告ともいえるものです。

 タライ平原での暮らしと農業、家畜事情について、山岳少数民族・プンマガルの故地訪問、変容しつつある村の暮らし、ネパール大地震と複雑な政治状況など、国際協力の技術者でも、環境保護の研究者でも、もちろん旅行者でもない、一農民、一庶民としての目線で捉えたネパールの現在がここには描かれています。

 はじめの文章で、著者は、「外国それも先進国といわれる日本の人」として「大きな隔たりを感じずにはいられない」とも言いつつ、また、「本来1~2年でたどり着きたかったところに、ようやく近づけそうな思いを抱いたところです」という感想も記しています。そして、その場所から見える現在を「同時代」として捉え、「どうしてここの暮らしにこだわるのか、そこにどんな意義があるのだろうか」と自身に問いかけています。

 「同時代」を共にする者の一人として、その呼びかけに応えたいものだと思います。それは他ならない私たち自身を問うことにもつながっているだろうと思います。まずは本書を導きにして、著者が体感する「同時代」を辿ってみてはいかがでしょうか。

 



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