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市民環境研究所から

私たちの決意 次の闘いを!



今年ほど新しい気象用語を覚える年はめずらしい。一昨日から、「線状降水帯」と50年に1回の「大雨特別警戒」という二語を、大災害の放送シーンとともにしっかりと覚え た。「線状降水帯」が千葉から新潟にかけて、東西に揺れながらも長時間滞留し、猛烈な雨を降らせた。2日間で600ミリ以上の雨量だったから、最 悪状態を予測する「大雨特別警戒」が発せられたのである。そして9月10日に、利根川に合流する鬼怒川の堤防が140mに亘って決壊し、常総市は 濁流に飲み込まれ、次々と家屋が流されて行った。11日の段階では被害の実態把握にはほど遠いが、この線状降水帯は東に移動し、東北宮城を襲い、 宮城の吉田川が数時間前に決壊したという。いつまで続く特別警戒レベルの大雨なのだろうと、台風一過で晴天の京都で思っている。鬼が怒ると書く鬼 怒川は恐ろしい川だから付けられた名前なのか、当て字なのかは知らないが、水が首相官邸に流れ込めばよいのにと我が家族がつぶやいている。
 安保法制の強行採決を数日後に予定する安倍自民党の動きをどのように指弾し、法案成立を阻止できるのかと悩むが知恵も力も湧いて来ない。それで も、7月末に立ち上げた「戦争をさせない左京1000人委員会」主催の「左京フォーラム」を昨夜開催した。戦争法案成立阻止を掲げて結成された 「戦争をさせない1000人委員会」の京都版の呼びかけ人に名を連ねてこの運動に参加してきたが、生活・活動の場の人々との動きを創り出したいと 左京委員会を創った。市民環境研究所が活動の拠点となり、南区、下京区、宇治久御山や八幡の委員会とも連携して動いている。それぞれの地区委員会 には特色があり、左京区には京大、造形大、精華大、工繊大、府立大などがあるから、学生の活動を引き出し、支援と共同活動ができればと考えた。 シールズ関西という若者の行動があり、ママの会や「自由と平和のための京大有志の会」など、年寄り中心の戦争法案(安保法制)阻止運動だけではな い市民のうねりが出てきた。国会を取り巻く十数万人の動きと地方の三百有余の集会デモとが連なってきた。
 大阪市長の橋下や谷垣自民幹事長に代表される、どうしょうもない政治家たちが「こんな人数のデモで国家の意思が決定されるなら、サザンのコン サートで意思決定する方がよほど民主主義だ」とか「デモはデモとして粛々とこの法案を成立させる」と低劣な発言をした。まともに反論する気にもな れないが、その真意は市民の動きが無視しえないと感じ始めてのものと思う。しかし、質よりも数だけがもの言う議会である。鬼怒川の氾濫のように、 横暴な数の力は来週あたりには、民主主義の土手を破壊し、人々を混乱と困難に陥れるだろう。しかし、あきらめることはない。「アベ政治を許さな い」を合い言葉に、次の闘いを準備するだけである。
 戦後70年間、「集団的自衛権」などはこの憲法の下では論外の言葉であると思ってきた。憲法の下では政府が「解釈改憲」などできるものではない と信じてきた。しかし、50年に一度の「大雨特別警戒」を日常的に警戒するように、「解釈改憲」を日常的に警戒する動きを怠ってきたつけが今の状 況を生み出したのだろうと反省し、次の闘いを準備すればよい。仮に法案が成立しても、次の参議院と衆議院議員選挙では法案賛成議員を落選させる運 動を今から始めればよい。
 関心を持っていただけるなら、次のサイトを見てください。

(私たちの決意:http://our-determination.jimdo.com/)


(市民環境研究所代表 石田紀郎)


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