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ア ソシ研リレーエッセイ

此頃ナニワに流行るもの
維新、翻心、虎の負け

  阪神弱いのぅ。スタートでコケてどないすんねん、しかし〜。

 統一地方選の前半戦が終わった。この原稿を書いてる時には、まだ後半戦の結果はわからないが、配布される頃には少しは溜飲をさげられるのか。 前半戦選挙中に株価が一瞬、2万円を突破。思わず苦笑ってしまった。こんなふうになるもんやねんなぁ。さすがに株価まで露骨に操作しないやろけ ど、安倍に巨大追い風。上西さゆり議員スキャンダルの仕掛けの良さは芸術的だった。残念ながら「維新」にとってはエモーショナルな結果にはならな かった。岡田民主党はデモリッション(破壊)されたのか?

注目される「都構想」をめぐる住民投票もまもなくだ。

 話は幽体離脱するが、私は堺市の住民である。

 2009年に橋下の全面支援で堺市市長に初当選した竹山修身が、二期目の2013年には、意を翻して「大阪都には堺市は不参加」を訴える。現 役市長である竹山陣営は自民から共産党、社民、新社会党まで地元オールSAKAI、かたや「都構想」を全面に打ち出した維新新人候補の一騎打ち。 結果20万弱と14万強で反橋下、現役市長竹山修身の勝利。約6万票差を、圧勝、辛勝、惨敗、惜敗、いずれと感ずるかは、立場と表現スタイルと 「集団の根性?」によるのだろう、きっと。あの時確かに私の周りの堺では、諸々の理由での「反維新」が多かった。我が善良なる堺市民は、メガ行政 に反対し、個性豊かな地域共同体づくりを目指すのだ。大阪市に呑み込まれたまるか!! 地域統一戦線バンザイ!堺市市長選の勝利が「都構想」の終 わりのはじまりだ。、間違いない!!


しか〜し…。

 今春の統一地方選での結果、堺市では「維新」は全員当選で、自民、公明を抑えての第一党になった。しかも殆どの選挙区でダントツの1位。のん きというか単純というか、つくづく自分が嫌やになった。一年半前は勝ったのに、わからんもんやなぁ。今回の「維新」の躍進を受けて、竹山市長は、 「維新の底力を見た…」「都構想には依然として反対だが」と言ってるらしいが、まさか、またもや翻心して仲井眞知事みたいには、ならんとは思うの だが…。

 「維新」の正体をポピュリズムだとか保守だとか 色々言われているが、私は、安倍や石原や田母神と同じく行き着く先は戦争だろう(さすがに昔ながらの軍国主義とは少し違うのか?)、それと民族拝外主義に代表される差別主 義であると思っている。橋下は、マスコミを意識してかヘイトスピーチに反対するような態度をとっているが、地域の維新議員の言動を見れば、レイシ スト集団である事は一目瞭然である。実は「在特会」的土壌は彼らが作ってきたといっても過言ではない。

 しかしながら私は、彼らの思想やヒトラーのナチ党だけが特別狂気だったとは決して思わない。不安のはけ口をあのように選択した民衆の存在がな ければ、ヒトラーの狂気が政治化する事はなかっただろう。右だろうが左だろうが反米だろうが親米だろうが、そういうものを超えてそれはある。偏 見、妬み、恐怖、暴力性などが邪悪な沈殿物として今も私達の中にも生き続けている事を自覚しておきたい。「維新」を選んだ人々を呪う最悪は見たく ない。     (渡邊了 府南産直センター)


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