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市民環境研究所から


平和を願う、優しい人々は今も


今回もまた天候についての愚痴から書き出すこととなる。数日前の京都はついに38.3度を記録した。なんともやりきれない昼間であるが、夜もまた同じである。この異常気象 の連続は世相を反映しているのだろうか。
 常軌を逸した安倍政権とそれにまったく対抗できない野党勢力が、結局は憲法をないがしろにする解釈改憲を容認し、集団的自衛権を認める方向を確 定させてしまった。それにしても、公明党のテイタラクと言ったら言葉もない。
 それほど勤勉に書いていない私の個人ブログ「ホツパラの日々」でも、この間の公明党の情けなさを書き連ねた。例えば6月29日には「毎日歩く散 歩道でピンク色のポスターが目に付き、『安定は、希望です』との意味不明の文字が書かれている。公明党のポスターである。この日本文をどう解釈す るのかと毎日愛犬と歩きながら考えていた。公明党関係の知人も多く、それなりに期待をしていた。しかし、安倍自民党と政府与党になり、ついに『集 団的自衛権』なる憲法の曲解に加担するようになった。いろんなブログを検索してみると、『安定は、希望です』を『公明党が望む政治的安定が実現す れば、国民一人ひとりが未来へ希望を感じますよ』と解釈しているのに出会った。ということは、自民党にすり寄り、与党でいることが、自らの安定で あり、その位置を逃したくないと言っているのだろう。その後の国民うんぬんは付け足しと観れば、公明党の振る舞いが納得できる。公明党の支持者は 真にこんな党を支持したのではあるまい。このままで週が明ければ公明党の終焉である。」と書いている。
 とはいえ、公明党について思い起こせば、30年前に筆者が事務局長を務めた「丸木位里、俊・原爆の図」展の開催をめぐっては、多くの創価学会員 や公明党支持者の人々と協力しあったものである。そのことを振り返りながら、6月13日には「京都の市民が『原爆の図』展を京都市美術館の半分を 借り切って開催した。丸木夫妻の名画13作全部を展示し、10日間で3万人の入場者があった。この記録は今でも破られていないのではないか。この 運動に創価学会員や公明党支持者も多数参加してくれ、その誠実な活動ぶりは主催団体の者に感銘を与えた。静かに平和を願う庶民の典型のような人々 だった。その人たちが集まる公明党が集団的自衛権という憲法をねじ曲げる安倍自民党に同調するとは信じられない。庶民の党である公明党が支持者と は関係なく死んで行くとしか思えない。あのおだやかな人々が本当に納得しているとは思えない。声を上げて欲しい。」と、願いを込めてブログ記事を 書いた。
 そして7月13日が投票日の滋賀県知事選挙が始まった。この選挙は安倍の解釈改憲決定後の重要な選挙である。自民党は200人の国会議員を滋賀 県に送りこんできた。三日月大造さんが民主党の国会議員を辞めて嘉田知事の後継として立候補した。筆者にとっては解釈改憲と大飯原発再稼働を阻止 する為の知事選と思えたので、京都から応援することにした。たいした力があるわけないが、動かずにはいられなかった。そしてつぶやき続けた。「三 日月を満月にしなければこの世は新月だけになる」と。三日月は満月となったが、僅差であった。各新聞には、「公明党支持者でも解釈改憲強行の自公 推薦の候補者のために投票所に行けなかったのが大きい」といった選挙結果の分析が並んだ。
 あの優しい人々はまだまだ健在だった。

(※石田紀郎氏のブログ「ホツパラの日々」のURLは下記の通り。
http://hoppara.blogspot.jp/ )



(市民環境研究所代表 石田紀郎)


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